「X-ファイル」のジリアン・アンダーソン主演!
北アイルランド ベルファストを舞台に、連続殺人犯と、その事件捜査にあたる警視との心理戦をスリリングに描いた犯罪サスペンスドラマ
ギブソンはスペクターに正義を下すことはできるのか。
「X-ファイル」のジリアン・アンダーソン、映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のジェイミー・ドーナン、ダブル主演!北アイルランド・ベルファストを舞台に、連続殺人犯と事件捜査にあたる警視との熾烈な心理戦をスリリングに描く犯罪サスペンスドラマ、待望のシーズン3を日本初放送!
イギリス国営放送局BBC2で2013年5月よりシーズン1、2014年11月よりシーズン2、2016年9月よりシーズン3が放送された「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」。
犯人を推理する通常のクライム・ドラマとは違い、物語の冒頭から犯人が明らかにされており、犯罪者を追う刑事と、追われる側の犯人、この2人を主人公に物語は展開していく。演じるジリアン・アンダーソンが惚れ込んだという主人公ステラ・ギブソンは、几帳面で支配欲が強く、肉食系。相手が犯人でも男性でも、狙ったら必ずしとめるタイプだ。表面上はいたってクールなのだが、彼女の心はなぜかいつも落ち着かない様子。一体何が彼女を駆り立てているのか……。もうひとりの主人公スペクターは、普通の家庭人という仮面をもつ殺人鬼。獲物である女性に巧みに近づき、殺害する。この2人の“ハンター”が出会ったとき、どうなるのか。それまで獲物を狩る側だった者が、追われる側になったとき、どうなるのか。物語は2人の“ハンター”の心理を同時に描いていく。事件の犯人は最初から明らかなのだが、果たして犯人は捕まるのかどうか、2人の“ハンター”がどう関わっていくのか、とにかく手に汗を握る展開が続き、実にスリリングだ。
本作は、「X-ファイル」のジリアン・アンダーソンが主演であることに加え、批評家たちの前評判がよかったことが功を奏し、英国での初回放送ではなんと350万人が視聴。BBC2の平均視聴者数の通常の倍の視聴者が見たことになり、BBC2としては8年ぶりの快挙となった。シーズン1は全5回、シーズン2・3はそれぞれ6話と少ないが、各シーズンともに成功をおさめ、今回日本初放送となるシーズン3では、初回放送当日のBBC Twoにてトップの視聴率を記録、放送局の同時間帯平均から43%上回る247万人の視聴者を獲得した。
クリエイターのアラン・キュービットは、タイトルである「The Fall」の由来について、T.S.エリオットの詩「The Hollow Men (うつろな人間)」 からの一節 'Between the idea and the reality, Between the motion and the act falls the Shadow' (“想像と現実、衝動と行動の狭間に影が落ちる”)がもとになっていると明かしている。なお、この一説はスペクターの日記(シーズン1第3話)にも引用されている。
企画・脚本のアラン・キュービットは、エミー賞受賞のヘレン・ミレン主演「第一容疑者2」の脚本家。これまでにも犯罪ミステリーのジャンルで脚本を書いているが、この「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」はほかの犯罪ものとは全く異なる。典型的なミステリー作品では、捜査する側の、刑事の心理描写はよくあるが、犯罪者や被害者について、時間をかけて描かれることはほとんどない。そこにコンセプトを得たという「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」は、犯罪はどうやって行われるのか、なぜ犯罪が起こるのか、犯罪者の心理をじっくり描いていく。よって、物語の最初から、視聴者は犯人が誰か目撃する。しかし、その動機は不明なままだ。若く、ルックスのよい、一見ごく普通の男が、なぜ殺人を行うのか。彼の日常を淡々とカメラは追っていき、徐々に男の異様な部分が浮かび上がっていく。「犯人が誰か」というありきたりのミステリーではなく、犯人の動機や心理を核としたこれまでにないミステリーなのである。そして、犯人の動機とあわせて、刑事はいつ犯人に気づくのか、刑事は犯人を止められるのか……見る者は、追う側と追われる側の二人の主人公の対決をかたずをのんで見守らざるをえなくなるのだ。
主人公ステラ・ギブソンを演じるのは、ジリアン・アンダーソン。クリエイターが最初から思い描いていたという理想のキャスティングだったという。90年代に大ヒットした「X-ファイル」のFBI捜査官スカリー役でおなじみの世界的有名女優だ。「X-ファイル」終了後、イギリスのロンドンに拠点を移していたジリアン・アンダーソンは、舞台やテレビシリーズに出演していたが、ほとんどがコスチューム・プレイ(時代劇)で、今回が「X-ファイル」以来初めての現代劇での捜査官役となった。プロ意識が高く有能だが、何かを秘め謎めいたギブソン役に惚れ込んだという、ジリアン・アンダーソンの演技も見事だ。
もうひとりの主人公スペクター役を演じるのは、ジェイミー・ドーナン。カルヴァン・クラインのモデルやキーラ・ナイトレイの元カレという印象が強く、シーズン1撮影当時の彼は俳優としてはほぼ無名といってもよかった。実は有名俳優をキャスティングする案もあったそうだが、ジリアン・アンダーソンがドーナンを絶賛。「家庭的な一面と完全なアウトサイダーという2極を体現しなければならない、とても難しい役」とアンダーソンが表現するスペクター役を見事に演じ、批評家からも高く評価された。なお、本作で注目されたドーナンは話題の映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の主演にも抜擢され、スターの仲間入りを果たしている。
トム・アンダーソン役を演じるのは、“ネクスト・カンバーバッチ”との呼び声高い、注目の若手俳優コリン・モーガン。ジェイミー・ドーナンと同じく北アイルランド出身で、TV「魔術師マーリン」や「宿命の系譜 さまよえる魂」で主演をつとめ海外ドラマファンにはおなじみだが、舞台俳優としても評価されている実力派俳優。
シーズン3からは、スペクターの精神鑑定をすることになる精神科医役で、「犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク」のクリスター・ヘンリクソンが出演するほか、「クロスボーンズ/黒ひげの野望」のリチャード・コイル、「セルフリッジ 英国百貨店」のエイダン・マクアードル、「リベリオン」のルース・ブラッドリーらが新たにキャストに加わる。
物語の舞台は北アイルランドの首都ベルファスト。アイルランド共和国が独立したときにイギリス領としてとどまったアイルランド島の6県である。17世紀にイギリスがアイルランドを植民地化して以来、カトリック(アイルランド)とプロテスタント(イギリス)住民の間の争いは絶えず、1960年以降「北アイルランド問題」と言われる、宗派対立を発端とした紛争が激化。1998年まで、IRA(アイルランド共和軍)をはじめとする複数の私兵組織と地元警察、それを鎮圧するために派遣された英国陸軍が相争っていた。紛争の間は、北アイルランドはイギリス政府が直接統治しており、そういった歴史的背景から、いまだに、イギリス本土の組織から送られてくる人物への風当たりは強い。また、地元に密着した私兵組織の元幹部が政治家であることが多く、その影響力は警察までに及ぶ。そういった特異な環境の「北アイルランド」という舞台もまた、本作の魅力のひとつである。
シリーズを通じて一つの事件を描いていく本作は、まだ警察はまだ犯人特定までにいたらず、シーズン1の最終回でようやく、二人の主人公である刑事のギブソンと犯人スペクターが電話で初めて言葉を交わしたところで終わった。その10日後から始まるシーズン2では、ギブソンは確実に犯人との距離を縮める。ギブソンに興味を持つスペクターもまた、まるでゲームを楽しむかのように接触をはかるのだ。追っているはずのギブソンは、いつしか追われる側になってしまうのか?追いつ追われつの二人の関係は手に汗握る展開を迎え、一瞬たりとも見逃せない。
ギブソンとスペクターが繰り広げる熾烈な心理戦に加え、シーズン2では、シーズン1以上に人間の心理がより深く描かれていく。捜査が進む中、ギブソンとスペクターは、それぞれ自分自身の悪とも向き合う事にもなるのだ。殺人から足を洗ったスペクターは、自分の現状を受け入れながらも、いまだに暗い欲望を抱えている。しかしその欲望を、以前ほどたやすく現実にすることができない環境にあるがゆえ、そのゆがんだ欲望はスペクターの世界をどう崩壊させていくのか。一方捜査が長引けば長引くほど、犯人を見つける可能性が低くなり、刑事たちにはプレッシャーがかかる。さらに、これまで心情を吐露することのなかったギブソンであったが、感情を露わにする出来事が起こる。その彼女の心の変化は、検死官リード・スミスとの友情や、新たに捜査に参加する巡査部長アンダーソン(コリン・モーガン)との関係を通して、繊細に描かれていく。
刑事と殺人犯、二人の心理戦は誰もが予想しえない大きな局面を迎える事になるのだ。
ギブソンはスペクターに正義を下すことはできるのか。
「彼には生き延びて 裁きを受けて 生涯刑務所にいてほしい。」
シリーズを通じてひとつの事件を描いていく本作は、シーズン2で警察はようやく被疑者逮捕にこぎつけ、ギブソンとスペクターはついに対面することになった。だが、犯人であるスペクターは凶弾に倒れ、ギブソンはスペクターを死なせまいと必死に助けを求め……。シーズン3はその直後から始まる。
重傷を負い、病院に運び込まれたスペクターは、緊急手術を受ける。果たして、スペクターは意識を取り戻し、裁判を受けられるまでに回復できるのか。またスペクターが銃撃されたことにより、ギブソンの指揮に過失がなかったかどうか、上層部からの監査が入ることになる。罪を犯した人間として、スペクターに正当な裁きを受けさせることを強く望むギブソンだが、警察上層部からの追及に加え、スペクターの弁護団も、ギブソンの過失を理由に裁判を無効に持ち込もうと目論む。スペクターがどうなるか、いつ回復するのかもわからない中、ギブソンは、事件の解明をめざし、さらなる証拠の収集を特捜班に指示する。
これまで、ギブソンの日記を読んだり、ギブソンとの対話を要求するなど、ギブソンに対する執着を見せてきたスペクター。そのギブソンが、強く望むのは、犯罪者であるスペクターに必ず裁きを受けさせること。もし、スペクターが裁判の前に命を落とすようなことになったり、このまま意識を戻さなければ、スペクターはその罪を償うどころか、すべてから逃げおおせてしまう。ギブソンは必ずスペクターに正義を下そうと、証拠固めに奔走する。スペクターはこのまま、司法も、ギブソンの執念さえ、かわしてしまうのか。追いつ追われつの2人の関係は手に汗握る展開を迎え、終局を迎える最後まで一瞬たりとも目が離せない。刑事と殺人犯、2人の熾烈な心理戦は誰もが予想しえない衝撃的な結末を迎えることになる。
原題 | THE FALL 警視ステラ・ギブソン THE FALL |
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データ | 2013年~2016年(今回シーズン3・2016年)/イギリス/字幕/60分/HD作品 |
製作総指揮 | アラン・キュービット、パトリック・アーウィン、ジャスティン・トムソン、ジリアン・アンダーソン |
出演 |
ジリアン・アンダーソン ジェイミー・ドーナン ジョン・リンチ コリン・モーガン |
あらすじ |
© Steffan Hill 2012/© The Fall 2 Ltd. 2014/© The Fall 3 Ltd. MMXVI