花衣夢衣

昭和25年の東京。17歳の沢木澪は画商の息子・俊彦からラブレターを受け取るが、読んで落胆。これは双子の姉・真帆と間違えられて渡されたものだった。真帆と澪の父で画家の圭二郎は、戦争で体を壊して病床にあった。

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万平と和美の情事を目撃した俊彦は、1年前に自殺した母親を思い出す。母親は2人の不倫を恨む遺書を残して亡くなっており、俊彦の心に暗い怒りが込み上げる。一方、万平は圭二郎のために転地療養の費用を用立てる。

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客のアメリカ兵と一日だけ付き合ってほしい、と双子の妹・澪は俊彦から頼まれるがためらう。一方、万平の使いで圭二郎を訪ねた俊彦は、親友として万平を信じきっている圭二郎に冷ややかな目を向ける。

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澪と入れ替わった真帆がアメリカ兵に乱暴され、傷つけられた真帆の姿を見た澪は、俊彦のもとへ怒鳴り込む。双子の姉妹が入れ替わっていたのを知り、がく然とする俊彦は、澪を陥れようとしたと告白する。

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澪から和美の不倫を聞かされた真帆だが、俊彦の話など絶対に信じないと否定する。翌日、真帆と澪は両親に会うため軽井沢の療養所へ行く。仲むつまじい両親の姿を見た双子の姉妹は、母親への疑惑を忘れようとする。

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堕胎手術の時の不手際で双子の姉・真帆が出血。子宮摘出手術をしないと命に関わると聞き、両親の承諾を得ることもなく、妹の澪は手術に同意した。真帆の手術が終わった深夜、圭二郎が療養所から駆けつける。

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沢木家を追い出された和美が、お金をそっと家へ届けにきたが、真帆は冷酷な態度で突き返した。そんな姉に澪は反発。一方の真帆は生活費を捻出するため、働き先の主人・オブライエンに前借りを頼もうとする。

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ゆかりの口添えでバーの下働きに雇ってもらった澪は、家族のために辛抱して働く。家族には小料理屋で働くと嘘をついていた。その日、澪はママから、人手が足りないから今夜だけ客の相手をしてほしいと頼まれる。

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清らかで美しい姉妹を描きたい、と圭二郎から言われた真帆は、自分にはそんな資格はないとおえつする。「自分も姉と同じ地獄を見なければ」といたたまれなくなった澪は、今夜から客を取らせてほしいとママに頼む。

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徹夜で姉妹の絵を描き上げた圭二郎が吐血して倒れた。治療費が払えない真帆は、ずっと憎んでいた和美に医者を呼んでほしいと土下座する。間もなく圭二郎は医者の診察を受けるが、すでに手遅れの状態だった。

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渡米を決心した真帆は、澪にわざと冷たい態度を取り、澪が和美と暮らせるよう仕向ける。そうとは知らず澪は家を飛び出し、和美のもとへ行く。和美から実家の加賀友禅の話を聞かされた澪は、あることを思い出す。

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昭和28年の冬。真帆が金沢に来て3年が過ぎた。ある日、生地問屋から白生地の反物を預かって帰る途中、真帆は見知らぬ若者とぶつかって反物を落としてしまう。若者は真帆の美しさに見惚れ、いきなり真帆の手を掴む。

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パーラーで偶然将士と再会した真帆は、気さくに話しかける彼に心を許し、初めて自分の名前を教える。将士は自分の腕時計を真帆に渡すと、「来週の同じ日、同じ時間にここで待っている」と告げて去っていった。

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自分に好意を寄せる将士に、真帆も恋心を抱く。2人は手紙のやり取りをし、金沢で束の間のデートを楽しむ。真帆の変化に気づいた兄弟子の卓也は、「友禅と恋は両立しない」と真帆に強く言い聞かせる。

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真帆は将士から求婚されるが、忌まわしい過去に束縛され、一方的に別れを告げた。一方、澪のもとへ、いよりが突然訪ねてくる。澪を気に入ったいよりは、「将士と見合いをしてほしい」と単刀直入に切り出した。

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店の前で澪を見かけた将士は、真帆の幻だと思い、ぼう然と立ち尽くす。真帆の勧めで、澪はいよりからの見合い話を承諾。結婚を諦める真帆をふびんに思う和美は、金沢の和幸を訪ね、真帆に見合う縁談の世話を頼む。

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いよりから見合い写真を見せられた将士は、それが真帆にうり二つの女性だったので驚く。しかも、真帆と同じ名字の沢木澪なので、将士は混乱。一方、真帆は将士への愛を断ち切ったものの、仕事に集中できない。

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真帆を気遣って見合いを断ろうとする澪に、心を痛める和美。和幸に事情を話し、真帆を立ち直らせてほしいと頼む。修行に専念する決心をした真帆は、今までどおりここに置いてほしい、と和幸に頭を下げた。

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見合い相手の澪が真帆の双子の妹だと知り、がく然とする将士。自分には好きな女性がいると澪に打ち明け、真帆に会いにいく。そこで将士は、「別れる理由を教えてほしい」と悲痛な思いで真帆に訴える。

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和美に破談を申し出たいより。納得のいかない和美は抗議するが、沢木家の身上書を突きつけられて侮辱される。いよりの勝手な行動に憤慨する将士は、「澪との結婚を認めないなら家を出る」と飛び出した。

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結婚問題の相談をするため、澪が真帆に会いにきた。澪から見合い相手の将士の写真を見せられ、真帆は息が止まるほど驚く。澪が自分の妹だと知りながら求婚した将士の仕打ちに、真帆の胸は締めつけられる。

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いよりから結婚を許された澪は、「よね屋」で女将修行を開始。病弱な将士の弟・祐輔の世話もする。真帆は紋屋職人・西山との見合いを抜き打ちで仕組まれる。子持ちで離婚暦のある男だったが、真帆は断れない。

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好きでもない男に身を任せようとする真帆をふびんに思い、西山は縁談を断る。一生結婚せず、友禅の道一筋に生きていく決意をする真帆。卓也は、「このまま身を引けば澪も不幸にするのではないか」と真帆に忠告する。

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沢木家で思いがけず再会した真帆と将士は動揺を隠し、澪の前で初対面のように振る舞う。澪から縁談のいきさつを聞いた真帆は、澪の写真を見た将士が急に見合いに乗り気になったと知り、考え込む。

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祐輔の発作に責任を感じ、将士に別れの手紙を残して姿を消した澪は、澪の嫁入り衣装を彩色する金沢の真帆のもとへ泣きついてくる。家を飛び出した事情を話した澪は、自分は前の恋人の身代わりだと思い悩む。

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昭和41年。金沢で16年修行をした真帆が独立し、東京で工房を開く卓也のもとで、友禅作家としての第一歩を踏みだす。真帆は「よね屋」に挨拶にきた。2人の子供に恵まれた澪は、若女将として店を切り盛りしていた。

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子供を産めない体ゆえに、真帆が自分との結婚を諦めた事実を知る将士。そして真帆への愛しさが蘇り、仕事もおろそかになってしまう。思い詰めた末、将士は13年前の別れの理由を真帆自身に確かめにいく。

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最愛の息子を失った将士は悲しみに暮れ、澪の落ち度を非難。澪は自分を責めて寝込んでしまう。心配した真帆は、仕事を休んで羽嶋家の手伝いを申し出た。将士は夜毎バーで酔い潰れ、ママの波江と深い関係になる。

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毎晩帰りの遅い将士と澪の間の溝はますます深まり、子供を失った澪は悲しみに暮れるばかり。そんな時、弟の死を懸命に受け止めようとする長女・莉花の姿を見た澪は、自分も悲しみから立ち上がろうと決意する。

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バーに通いつめる将士に会った真帆は、澪を許してやってほしいと訴える。将士は自分の人生を後悔していると語り、13年前に真帆と結ばれていたらと苦悩する。その夜以降、将士は家へ帰らなくなる。

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13年の時を経て、真帆は将士と結ばれる。喜びに陶酔する一方で、澪を裏切った罪悪感に苦しむ真帆は、今日限りの思い出にして、2人きりではもう会わないことを将士に告げる。そして将士は、澪のもとへ帰った。

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再出発して仕事に励む将士だが、澪は夫の変化を察知。将士は誰か別の人に心を奪われている、と真帆に不安をもらす澪。一方、仕事を口実に真帆に会いにきた将士は、自分を避ける真帆に焦れて彼女を抱き締める。

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自分の気持ちに正直になり、将士の愛を受け入れた真帆は、夫婦のように過ごす束の間の時間に幸せをかみ締める。一方、外出が多く帰りの遅い将士に疑いの目を向ける澪は、真実を確かめる決心をする。

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将士の浮気を知った澪は、将士が戻ってくれるのを信じて、安らげる家庭を作りたいと真帆に話す。澪のけなげな心情に、心が揺らぐ真帆。将士の誕生日を迎え、一生懸命にパーティの準備をした莉花が高熱を出す。

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将士と密会する真帆の家を訪れる澪。真帆はとっさにその場を取り繕い、澪を追い返す。真帆は澪を傷つけても愛を貫こうと決心。将士は姉・真帆との愛を永遠に秘密にすると共に、妹・澪も幸せにすると誓う。

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卓也に勧められ、真帆は久しぶりに本場の加賀友禅を見に金沢へ行くことにする。その夜、将士から「今夜は会いにいけない」と真帆に電話が入る。真帆は、「今すぐ会いたい」と切なさに心がかきむしられる。

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真帆の家で夫婦茶碗を見つけた澪は、将士の顔が思い浮かび、怒りで湯飲みを叩きつけた。その夜、金沢の旅館に泊まる将士から澪に電話が入る。澪は疑いを抱き、受話器の向こうに耳を澄ますのだが…。

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13年前に、真帆が諦めた恋の相手が将士だと知った澪。自分のために犠牲になった真帆をふびんに思い、涙があふれてくる。翌日、将士が金沢から帰ってきたので、澪はいつもと変わらぬ様子で迎えるが…。

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澪の様子がおかしいので怪しむ将士に、祐輔は「澪は将士と真帆の関係を知っている」と非難の目を向ける。一方、眠れない夜を過ごす真帆を澪が訪ね、昔のように一緒に寝てもいいかと言うので、真帆は不安を覚える。

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澪が置いていった切り刻まれた手紙の束を見た真帆は、恐ろしくて将士を呼び出した。それでも地の果てまで一緒に生きていこう、と真帆と将士は抱きあう。全てを見ていた澪は、絶望的な悲鳴と共に2人の前に現れる。

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澪を自殺未遂に追い込んだ罪の意識から、真帆も自ら死を決断するが、卓也は「愛の罪で地獄に落ちても生き続けろ」と叱りつける。いよりが真帆との取引を中止し、友禅作家としての自信を砕かれた真帆は筆が止まる。

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真帆の犠牲で自分の幸せが成り立っていたことを思い知らされた澪。今度は真帆が幸せになる番だと思い、「将士をあげる」と真帆に切り出した。退院した澪は、将士の衣類を全て真帆のもとへ送りつける。

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将士を追い出した澪は、いよりに「よね屋」から出て行くよう言われるが、祐輔がとりなしてくれる。そんな祐輔が、将士と別れるよう真帆に頼みにきた。真帆は、全ては自分の弱さが招いたことだと自分を責める。

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罪深い愛に苦しむ真帆は、友禅を捨てることを決意。心が痛む卓也は、「真帆を友禅に引きあわせたのは澪だから」と、澪に真帆が道を外れるのを止めてほしいと頼む。一方、若い女性客が真帆に仕事を頼みにきた。

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2人の愛が莉花までも傷つけたことで、真帆と将士は苦しむ。このまま将士にすがって生きるのが耐えられない真帆は、もう一度友禅と向きあう決心をし、先日の女性客に仕事をさせてもらうよう頼み込む。

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祐輔から愛を告白された澪は、祐輔のキスを受け入れるが、次の瞬間義姉としての自分を取り戻し、過ちを犯さずに済んだ。祐輔は告白をした後悔と、報われない愛の苦しみにとらわれ、再び発作に襲われる。

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澪への狂おしい愛から、祐輔が澪の口紅を自分の唇に塗ったり、澪の着物に顔を埋めたりする。祐輔を心配して立ち寄った将士は、彼の様子にあぜんとする。祐輔は将士に、2度とこの家に足を踏み入れるなと告げるが…。

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祐輔の純粋な愛を受け、澪はいつしか祐輔に惹かれていた。澪は熱い想いを祐輔にぶつけると、その夜、祐輔と一緒に過ごす。澪に愛されたことで生きる気力を取り戻した祐輔は、店を手伝い始める。

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祐輔と愛しあっているところへ、突然将士が訪ねてきたので凍りつく澪。2人の関係を将士に知られないよう必死に取り繕う。将士が帰った直後、祐輔が激しい発作を起こし、澪の腕の中で「死にたい」と弱気になる。

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祐輔の子を将士の子供として育てたい、という澪の頼みにがく然とする真帆。とても受け入れることはできなかったが、澪との人生を振り返るうちに、澪の幸せを願う気持ちが強くなり、真帆は将士に別れを切り出す。

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真帆から別れを告げられた将士は澪のもとへ帰り、心の欠落を埋めるように、澪の愛を求める。夫婦の姿を見せつけられるのが辛い祐輔は、自分が生きている間は将士と愛しあわないでほしい、と澪に懇願する。

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昭和42年1月、澪は男児を出産。将士は「将太郎」と名付けようとするが、澪のたっての願いで「幸雄」に決まる。これは、祐輔が生前に考えてくれた大切な名前だった。8年後、幸雄すくすくと成長していた。

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祐輔の筆跡の「幸雄」という字、祐輔の子供の頃の写真にそっくりな幸雄の顔。疑念を抱く将士は、幸雄が生まれた病院で話を聞く。疑念は深まり過去に思いをめぐらす将士は、見過ごしていた澪と祐輔の関係に気づく。

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真帆が去った本当の理由を知りたい将士は、真帆を探し始める。それが幸雄の出生の真実にも関わることだと思い、卓也の工房を何度も訪ねる。一方、卓也と将士の会話から、泰子は卓也が愛していた女性が真帆だと知る。

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祐輔の本棚で探し物をする澪に、将士は「幸雄」の文字のある詩集を突きつけた。祐輔と情を通じていたのか、と澪を問い詰める将士。これは流産した子の名前だと澪はとっさに言い繕うが、将士は納得しない。

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自分の本当の父親について悩む幸雄が家出をし、泰子と出会って卓也の工房へ連れられてきた。そこに真帆が来て、初めて幸雄と顔を合わせる。家出した幸雄の事情を知り、心を痛める真帆だったが…。

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澪は将士に、祐輔と愛しあって幸雄を産んだことを認めた。莉花といよりにも事実を明かし、幸雄を連れて家を出ることを告げる。卓也の工房では、真帆に嫉妬した泰子が「よね屋」をおとしめてやると真帆を脅迫する。

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幸雄を連れて家を出た澪は、真帆のもとに身を寄せる。和美が真帆のアパートを訪れ、久々に顔を合わせた母と娘たち。個々の思いがあふれ、涙が止まらない。澪から祐輔のことを聞かされた和美は、将士に謝罪しにいく。

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孤独にさいなまれる将士は、真帆と強引によりを戻そうとする。将士を哀れに思う真帆は抵抗をやめるが、将士は自分の愚かさに気づいて声を殺して泣き、そこへ澪が帰宅。双子の絆を見せつけられる将士だったが…。

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卓也の子・亜紀子に愛情が湧いた真帆は、卓也に求婚。だが卓也は、自分の中にはまだ泰子が生きていると告げ、きっぱりと断る。悲しむ真帆に、澪も和美も「母親になるのは簡単なことではない」と忠告する。

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それぞれ孤独を抱く真帆と将士が、スナックで偶然顔を合わせる。2人は互いを慰めようとするが、元の2人には戻れないことを思い知らされる。真帆は卓也の子への愛しさが募り、自分が母親になりたいと卓也に懇願する。

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澪は車にひかれそうになった莉花と幸雄をかばい、病院へ運ばれる。澪は意識を取り戻した時、それに気づかない真帆と将士の会話が聞こえてきた。将士は、幸雄を自分の子と認めて一緒に暮らすと言い出す。

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家族や真帆の幸せのため、自分自身を消し去ろうとした澪は、記憶喪失を装う。澪の芝居を見抜いた真帆は、澪の心を開くことができるのは将士だけだ、と将士に訴える。将士は、一緒に家へ帰ろうと澪に言うが…。

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3年後。家族と幸せに暮らす澪だったが、将士ががんに侵され、余命がわずかであることを医師から告げられた。誰にも言えない澪だったが、真帆にだけ残酷な現実を打ち明ける。そんな時、将士が真帆に会いにきた。

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重体の将士を想う真帆は涙をこらえ、卓也と共に図案を仕上げた。翌朝、自分では将士のもとへ行こうとしない真帆に代わり、卓也が図案を届ける。それぞれの方法で真帆を愛した男2人は、互いを認めあって微笑んだ。

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