結界師

墨村良守は、妖を退治する墨村家第22代目当主予定の結界師。同じ家業を継ぐ雪村家の娘で2歳年上の時音は、家同士のいさかいもあって格好のライバルだ。ある日、良守の未熟さから時音が妖に傷つけられてしまう。

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烏森学園中等部に通う良守は墨村家第21代目当主の祖父・繁守、小説家で主夫の父・修史、小学3年生の弟・利守との4人暮らし。下校後の夜は妖退治に明け暮れる良守だが、唯一の趣味・洋菓子作りにもいそしむ。

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裏会からの使者、春日夜未が雪村家を訪れ、時音の亡き父・時雄のことを語る。父の死は時音にとって辛い思い出だった。翌日、夜未に会った良守は、時音の父を話題にするのはやめてほしいと頼むのだが…。

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夜未は、烏森の力で鬼のヨキを強化したいという願いに突き動かされ、時音を邪魔者として殺そうとする。しかし、とらわれの身の良守が脱出して時音を助けた。烏森の力で進化したヨキは、夜未との契約を破棄する。

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夜未の事件で、良守の兄・正守は異能者の組織「裏会」に所属していたことが判明。一方、時音にお菓子の城を食べさせるという野望のためケーキ作りにいそしんでいた良守は、元パティシェの人間霊と知りあう。

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良守と同じクラスの神田百合奈は、霊感があることを周囲に隠していた。季節外れの桜が咲き、百合奈は夜桜見物をすることになる。そこで良守と時音は、百合奈に霊感があると知らず、目の前で妖相手のバトルを始める。

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良守の野望はお菓子の城作りであり、彼の唯一の協力者がパティシェの人間霊・真彦だ。しかし、彼はいずれ成仏しなければ危うい存在になってしまうため、良守は迷える霊の相談所を開設しているマザーさんに相談する。

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烏森学園に妖・氷渡が現れ、良守と時音が追う。氷渡は冷気を操り氷柱弾を放つ危険な妖怪で、学園のプールに潜んでいる。良守は凍結したプール内をむやみに結界で包んで滅し、氷渡を怒らせプールからおびき出す。

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霊感があることを秘密にしている百合奈は、以前助けてくれた良守が気になっていた。そして友人に焚きつけられて悩みを相談し、良守は気前良くこれに応じた。一方、産休代理教師の三能が時音に急接近する。

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お菓子作りよりも結界術の修行をしろと時音に叱られ、落ち込む良守。そんな彼に父の修史は、幻のチョコケーキを食べるよう勧める。しかし、入手するための整理券の配布は早朝なので、良守は式神にお願いした。

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鋼夜が姿を現した。斑尾が生きていた頃の仲間である鋼夜は人間に殺され、化け犬となっていた。同じく化け犬になった斑尾は、結界術の開祖・間時守を主とし、鋼夜と決別したが、鋼夜は再び仲間になれと斑尾を誘う。

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人間への憎しみで化け犬となった鋼夜と、開祖・間時守に従った斑尾。袂を分かった2頭が死闘を繰り広げた末、良守の力を借りた斑尾が勝った。烏森の力は巨大化した斑尾を暴走させたため、良守は再封印を試みる。

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裏会に属する正守は夜未を配下に引き入れようと画策していた。一方、良守は幼い頃の兄・正守との確執を思い出す。間流正統継承者には方印があり、良守にはそれがあるが、兄は優れた術者なのに方印が出なかったのだ。

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良守の戦い方を批判する正守は、「正統継承者の自覚を持ち、もっと考えて動くのだ」と忠告。一方で正守は、烏森の力と良守の実力を測るため、烏森に妖を仕掛ける。その妖は、増殖する森だった。

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妖退治のため、良守は烏森でバックドラフトを起こす。間流結界術の正統継承者として考えて行動しろと忠告した兄・正守に対する意地もあっての冒険だ。良守は烏森を永遠に封印するという決意を正守に打ち明けるが…。

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間流修復術は、烏森で起こる異変で壊れた場所や物を直す術だが、烏森以外での使用は厳禁。ある日、元烏森の土地神様のウロ様が、現在の住み家である無色沼の寝床が壊れたため、結界師に修復を頼みにきた。

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無色沼でウロ様が開いた穴を通り、良守はいくつも池が敷き詰められた不思議な場所にたどり着く。その中央に葉やツタで覆われた巨大な球体、ウロ様の寝床があった。良守は修復し、ウロ様が入ると神の領域が完成する。

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利守はクラスメイトのガッチョとコンタに課題を手伝ってほしいと頼まれ、自宅に招く羽目になった。墨村家は庭付きのお屋敷で、犬を飼っている。2人は利守の制止を無視して、お宅拝見とばかりに家中を駆け回りだす。

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無色沼から帰還して以降、良守は烏森の謎に疑念を抱く。繁守に間流結界術とウロ様の寝床の結界の違いを問いかけるが答えは得られず、烏森の異変についてのみ注意を促された。一方、新たな敵が現れる。

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白羽児は無数の羽で攻撃し、良守と時音を窮地に追い込んだ。白羽児が再生する時に力をためることに気づいた良守は、そこを狙おうと提案し、白羽児の首を滅して好機を窺う。白羽児は、結界を破ろうと暴れだし…。

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人間に化けた妖が白昼の烏森学園に乗り込んでくる可能性を考え、良守と時音は高等部英語科教師で異能者の三能に注意を促すが、三能が中等部の生徒に襲われた。犯人は良守の隣のクラスの転校生・志々尾限だった。

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裏会からの書状を手に雪村家と墨村家を訪ねた志々尾だが、帰宅した繁守から裏会が出てきたことを快く思っていないと言われ、正守の真意を測りかねる。一方、良守も兄とつながる志々尾に反発するが…。

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結界師補佐役として派遣された志々尾は、良守たちの実力を認めてはいない。そんななか、烏森学園に大首車が現れ、志々尾も苦戦を強いられ傷ついてしまうが、「妖混じり」の彼は驚異的な回復を見せた。

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百合奈の幼馴染み、品川葵が志々尾限に恋をした。応援するキョーコとアヤノは猛アタック作戦を勝手に展開するが、志々尾の無関心に玉砕。そんな百合奈は良守に助言を求めた。一方、志々尾は妖の攻撃に不覚を取る。

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烏森学園に地元のアイドル、中高のプリンスこと八王子君也が現れ、時音をデートに誘った。新たな恋のライバル出現に危機感を覚える良守は尾行するが、途中で見失ってしまう。そんな時、志々尾の姿を見つけた。

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異界に浮かぶ黒き城郭・黒芒楼の統括者である白は、幹部を集め、烏森攻略に必要な「人皮」の完成を藍緋に急がせる。一方、良守が風邪をひいて休んでいるなか、旧型の人皮を付けた妖・緋水が現れた。

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夜行の頭領・正守は裏会の最高幹部会合・十二人会の末席に加わることになる。しかし、そこは化け物のような力を持った者たちの統べる場だった。正守は、彼らの排除を自らの手で下そうと決意する。

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黒芒楼では藍緋が新型の人皮を完成させ、旧型の人皮を付けた火黒を加えた5人は烏森学園に出現。その侵入に、志々尾も良守も時音も全く気づかなかった。そして火黒たちは、話しあいたいとアプローチするが…。

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良守の作戦で、時音は呪力封じの魔方陣を脱する。茶南たちは妖の姿に戻り、攻撃を開始。火黒に痛めつけられ逆上した志々尾は、禁じられた完全変化で妖の力を解放しようとするが、見張りの翡葉に力ずくで制止される。

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火黒との戦いで完全変化しかけた志々尾は、禁を犯した罰として烏森警護の任務を解任される。良守は志々尾を引き止めようとするが、彼は自分の殻に閉じこもり、妖退治の任務は果たすものの耳を貸そうとしない。

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志々尾の暴走を恐れた彼の父は、息子を預ける決意をする。だが、家族に捨てられたと思い込んだ志々尾は完全変化してわれを失い、姉の涼に瀕死の重傷を負わせてしまった。正守は志々尾を制し、夜行に引き取る。

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烏森に現れた妖獣使い・花島亜十羅の目的は志々尾と良守と時音のチームワークのテストで、不合格の場合は志々尾を夜行に連れ戻すと宣言。その夜、学園敷地内で30分以内に亜十羅を捕まえる鬼ごっこが始まる。

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妖が使った人の皮を手掛かりに黒芒楼の調査を依頼していた繁守は、松戸からアジトの場所がわかったとの報告を受ける。危険を察した繁守は手を引くよう告げるが、松戸は敵に目をつけられていた。

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藍緋の提案で、姫を烏森の主とすべく動きだした黒芒楼。そして、志々尾に接触した火黒は仲間になれと誘う。志々尾は拒絶するが、妖混じりだという迷いのため、火黒から渡された蟲の卵を捨てることができなかった。

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雪村家の当主・時子が異界にある黒芒楼への道を探しに旅立った。一方、火黒から渡された蟲の卵に心をかき乱されていた志々尾は、寝返りを促され苦悩する。そんな志々尾の悩みを感じる良守は、信頼しようと努力する。

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黒芒楼の大軍が烏森に襲来し、良守、時音、志々尾は応戦するも牙銀のすさまじい攻撃に圧倒される。一方、東北におびき出された正守と夜行たちは、扇の差し金の案件を片付けようと奮戦していたが…。

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志々尾は牙銀と互角に渡りあい、ついにとどめを刺そうとしたその時、火黒の刃が志々尾を貫いた。良守は牙銀を倒して火黒を追うが、瀕死の志々尾を伝える時音の声にわれに返り、志々尾のもとへ駆けつける。

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牙銀の死後、黒芒楼実行一部の長にナンバー2の左金が就いた。一方、志々尾の死を悼む夜行たちは、彼の遺体を夜行本拠地から生家へと送り出す。そして正守は、良守を連れて志々尾家の葬儀に向かう。

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学園生活に戻った良守と時音だが、志々尾を失った痛手で心は沈んだままだった。そんな時、烏森の謎を調査すべく黒芒楼の情報部・碧闇が始動。良守は枯れ果てた無色沼に時音と駆けつけ、そこで豆蔵と再会する。

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雪村家に帰ってきた時子だが、ひそかに黒芒楼の城への道を作ろうと考えており、また旅立つと言う。一方、正守は扇一郎から夜行の活動を制限されるがこれに逆らい、夜行の本拠地を烏森へ移動する準備を命じた。

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対黒芒楼戦に備え、ケーキ作りを封印した良守は、時子から「力の使い方がわかっていない」と指摘され、修行の方向性が掴めずにいた。そんな時、裏山で出くわしたカラス相手の特訓を思いつくが、ひどい目に遭う。

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良守と時音を囲んだ謎の集団は、正守配下の夜行たちだった。正守は黒芒楼壊滅のため、夜行の本拠地を烏森に移すことにし、夜行たちは墨村家と雪村家に滞在する。一方、良守は志々尾のアパートで亜十羅と再会する。

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夜行の少年・閃たちが良守の実力を試そうと挑んできた。志々尾に何もできずに死なせたと責められた良守は、志々尾の敵を討つと宣言する。一方、時音は烏森を守るべく、黒芒楼に勝てるのかと不安を募らせる。

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良守は火黒を見つけるが、それは紫遠が化けた偽者だった。結界師を黒芒楼の城の維持に利用しようと考えた白から、結界師を捕まえてくるよう命じられたのだ。紫遠は、火黒との対決を望む良守を黒芒楼に連れ去る。

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烏森を襲った左金は亜十羅を人質に烏森の地を要求するが、正守の術に敗れ去る。その頃、時音は黒芒楼がある異界への潜入を果たす。一方、異界へ連れ去られた良守は、黒芒楼の城の修復に協力するよう命じられるが…。

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松戸に助けられた良守は火黒を見つけたが、閃の救出を優先させて対決を見送る。異界を維持する力が限界に近づいていた姫は、閃を探していた良守と出会い、良守の本質を見抜くと力を与えて放ってやる。

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松戸と、友人の白沼との間に生じた白沼の妻・リサをめぐる因縁。リサの死後、白沼も死んだと思われた。リサを慕っていた松戸はリサの蘇生を試み、その課程で悪魔召還に成功した松戸は悪魔と契約するが…。

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良守を探して地下牢へ向かう時音。時音が追ってきたことを知らない良守は、閃を地下牢から助け出すと牢を出て、火黒を探し始める。その無謀さに困惑する閃だが、時音と出会って2人に感化され、良守探しに協力する。

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良守たちとはぐれてしまい、黒芒楼の奥深くにたどり着いた時音は、藍緋が妖であるにもかかわらず恐れずに近づいてきた男の話を聞く。その後、時音を逃がした藍緋だったが、火黒の刃に倒れてしまう。

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決戦のさなか、良守の未熟な絶界と対峙した火黒は、その技の完成型を以前見たと教える。その一方で、志々尾を引きあいに出し、能力を持つ者ゆえの苦悩を人間の中で感じたはずだと指摘し、良守に自分の過去を語る。

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火黒は良守を身内に取り込もうと誘うが、良守は拒絶。怒る火黒に弾き飛ばされた良守は閃と時音と再会する。閃は火黒の強さと良守の絶界の出力不足を指摘するが、良守は時音を閃に託して再び火黒に挑む。

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火黒を倒すも結界内で意識を飛ばしてしまった良守。時音と正守は協力しあい、良守の結界の解除に成功する。一方、姫の力の終わりが近づき、黒芒楼が崩れゆくなか、紫遠は碧闇を手下に変えるとどこかへ逃げ去った。

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