「X-ファイル」のデヴィッド・ドゥカヴニー主演!
悪名高きチャールズ・マンソンとその真相に迫る刑事、そして60年代のアメリカを鮮やかに描く衝撃作!
「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」の舞台は60年代のロサンゼルスで、チャールズ・マンソンの殺人事件の頃の話だ。僕が演じるキャラクター、サム・ホディアックは、世界第二次大戦の帰還兵。自分の国を救う仕事から戻ってきたら、自分の国が姿を変えていたんだ。
入り込むのが楽しい役だよ。今までに演じたどの役とも違うから最初は気苦労も多かったけどね。上手くできているのか不安もあった。でも、徐々に心地よく演じられるようになった。40代から50代の男を、革命的な変化があった60年代や70年代の作品の主人公にするっていうのは、すごく新しいアイディアだなって思ったんだ。役者としても興味を引かれたし、僕たちの希望通り何シーズンも続けられたらいいなと思った。ホディアックは、“フラワーパワー”に懐疑的で、たいして理解もしてない。これまであまり身近じゃなかったからね。それに、平和を訴えて“殺し合うのでなく愛し合おう”みたいな一連の運動にもあまり共感してない。そういうタイプの男じゃないんだ。ホディアックは、自分の知らない、理解できない、自分と関わりがない世界に対して、全力で抵抗するような男なんだ。
きっかけは、まだ気持ちが残ってる昔の恋人からの電話だった。彼女の娘が行方不明になったことで、ホディアックはマンソンのいる世界に関わることになるんだ。でも、こういう事件はホディアックの担当じゃないんだ。本来は殺人課の刑事だからね。でもこっそりその娘エマを探すことに同意する。そこから、色んな問題が起きていくわけだ。
基本的にはポン引きだと思ってるんじゃないかな。逮捕歴がたくさんある犯罪者として見ている。くだらない犯罪を犯し、人生の半分、いや半分以上の時間を刑務所で過ごしてる犯罪者。暴行に売春仲介、薬物所持などあらゆる犯罪に手を染めてるからね。まっとうな人生じゃない。ただ、後に起こす殺人事件が、全米の歴史に残るような事件になるとは思っていなかっただろうから、そこは面白いよね。このことについて、マンソンを演じるゲシン(・アンソニー)と話をしたんだけど、彼はすごく興味深いことを言っていたな。「YouTubeなどを見て僕たちが思ってる、カルト集団の恐ろしいリーダーっていうマンソン像は、本来の姿じゃないのかもしれない」ってね。マンソンは、まあまあ魅力的な男だったんじゃないかな。罪から逃れるために誰か助けてくれる人がいたんだろうし、どこからどう見ても頭のおかしい男ってわけではなかったんだ。
ブライアン・シェイフはホディアックの相棒の若い刑事で、演じるのはグレッグ・デイモン。僕もついに、若くてルックスの良い若者の相棒が必要なところまで来たってことだよ。ホディアックは若者の世界に入り込む必要があるんだが、この歳じゃマンソンのいる世界には入れない。居場所がないし、すぐに疑われるだろうしね。その点シェイフは覆面捜査官だし、ヒッピーとして実際に潜入したこともある。だからこそ、ホディアックは昔の恋人の行方不明の娘、エマを探すのにシェイフの力が要ると思ったんだ。そこからシェイフと仕事をするようになる。シェイフはホディアックよりも若い世代の人間だから必要以上に手荒なことをしたりしないし、どこか純真なところがある。若い理想主義者で、ホディアックはシェイフのどこかに惹きつけられるものを感じてるんだと思う。
リアルな60年代に興味がある人は多いと思うんだ。映画『オースティン・パワーズ』 の60年代じゃなくてね。当時マンソンはけちな犯罪者だった。人生のほとんどを刑務所の中で過ごして、外に出てきた時にはそこまで若くなかったはず。それでもマンソンは髪の毛を伸ばし、ヒッピーになりすますことで“サマー・オブ・ラブ”を上手く利用したんだ。マンソンは象徴的な意味で、“サマー・オブ・ラブ”を他の物に変えた男だっていうのはよく言われていることだよね。
「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」に参加できることになって、今までに感じたことがないほどワクワクしたし、すごく幸運だなって思った。特別な作品だって感じてたからね。生意気に聞こえるかもしれないけど、今まで読んだ脚本と比べても最高に面白いと思ったんだ。だから役をもらえてすごく光栄。(脚本を読んでると)どんどん読みたくなるし、これから何が起きるのか知りたくなるんだ。それに、それぞれの登場人物ついてもシェイフについても、もっと知りたいって思う。
シェイフは60年代に仕事をしてた潜入捜査官。とにかく、いい仕事をしたいと思っていて、自分の仕事に信念を持ってる。時々すごく間違った方向に進んでしまう世の中だけど、どうにかして正しいことをしたいって思ってるんだ。はっきりとは分からないけど、ホディアックはシェイフに自分と似た要素を見つけたんじゃないかって最初は思った。2人は全然違うタイプの人間だけど、だからこそお互いに補い合えるんじゃないかな。
今のところ、マンソンがどんな能力を持つ男なのか、彼が何者なのかはほとんど分かっていないんだ。だから今はまだ、どこか変わってるんだけど、人を惹きつける何かを持っていて、ひょっとしたら危険なヤツかもしれない、ぐらいに思ってるんじゃないかな。
難しいな。でも、作品を支えているスタッフがとても優秀だから、内容にいかに細かく配慮すべきかをよく理解してる。しかも、インパクトを与えるやり方も分かってる。この手のドラマにはエッジを効かせることが重要だからね。刑事ドラマだし、すごくヘビーな題材に取り組んでるし。ただ、そのためには、事実をよりリアルに描くことが大事なんだと思う。そこがこのドラマのユニークなところじゃないかな。
60年代後半のロサンゼルスを舞台に、保守的な家庭で育った少女が行方不明になるところからストーリーが始まる。あるパーティーに参加した少女は、チャーリーという謎めいた若い男に強く魅了されるんだ。そして、チャーリーと彼を取り巻く女や男たち、それに彼らのグループ自体が持つ強いつながりのようなものに憧れを抱き、少女は家を出ることを決意する。そこから、ストーリーは少女の母親と父親、そして知り合いのデヴィッド・ドゥカヴニー演じるホディアック刑事へと繋がる。ホディアックは、割と簡単に少女の居所をつかむ。彼女はまだまだ子供だからね。そういう意味では、物語の構成はシンプル。マンソンは、たくさんの崇拝者を従えて登場するよ。だいたいそんな感じのスタートだね。
「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」の脚本を受け取ったのは、ロンドン時間の朝9時頃だった。土曜の朝なのに、すぐにベッドから飛び起きたんだよね。そんな土曜の朝はめったにない(笑)。台本を読んで、「ああ、チャールズ・マンソンの話なんだ」って思った。何度も何度も脚本に目を通したよ。他の俳優には当たり前みたいだけど、僕には珍しいことなんだ。すごくワクワクした。それからマンソンについてインターネットで調べたり、映像を観たり、彼に関する本を読んだりした。だから、ジョン・マクナマラが書いた脚本が事実にとても忠実だったことに、すごくシビれたね。特にマンソンの部分。それ以外にも、彼がマンソンの時代をとても正確に描いていることに興奮したし、それは物語を伝える上でとても重要な点だと思った。
実在の人物をフィクションの作品で演じる場合、脚色が入ることを前提に役を演じる必要があると思った。今回の作品ではそれが特に重要だったね。ただ、役者としてはどんな役を演じる場合でも基礎が大事。演じる人物をできるだけたくさん調べて、事実が脚本家や演出家が作り上げたストーリーにどうマッチしているのかを理解する必要がある。マンソンに関する記録を詳しく調べていく中でとても興味深いなと思ったのは、彼が若くして人生の大半を刑務所で過ごし、60年代後半に出所したっていう点。その頃サンフランシスコでは、ヒッピー・ムーブメントがすごく盛んだった。だから、僕たちはマンソンの置かれていた状況をできるだけ正しく理解しようとした。チャーリーが出所した1967年は、若者たちの刺激的なエネルギーに満ちた、アメリカの歴史の中では大きなキーポイントになるような時代だったしね。
事件の真相に関する見方は人それぞれだと思うけど、マンソンが周りにいる人間を説得する能力に長けていたことはよく知られてるよね。周りの人間を、自分の考えに引き込むことができたんだ。マンソンが人の考えを変える能力を持っていたのは明らか。それは、マンソンが自分の経験から手に入れた能力なんだと思う。人生のほとんどを獄中で過ごした後に、アメリカの近代史において最も自由な時代に釈放された。家族に縛られず自由になりたい若者たちがあふれてた時代にね。マンソンにとっては、若者たちをひきつけて崇拝させる良いチャンスだった
僕たちは、60年代後半のロサンゼルスの雰囲気を正確に表現したいと思ってるんだ。だから、マンソンたちの周りで起こる出来事や、彼らの置かれた環境はとても重要。事実をできるだけリアルに表現することだけにフォーカスしていると、話を美化したり事実が現実から離れてしまうこともない。自分たちのやりたいことに専念しないとね。とにかく、自分たちが伝えたい物語を、できる限り忠実に表現することを最終目標にしてるんだ。そのやり方が一番いいと思ってる。
第1話の脚本を読んで魅了されたわ。完ぺきな脚本なの。ストーリーが刑事の視点とマンソンの視点から描かれていて、見どころがいっぱいだった。すごくドラマチックだしとにかく素晴らしい脚本だからとても気に入っちゃった。だから絶対出演しなきゃって思ったの。エマ・カーンは素晴らしいキャラクター。演じていてとても面白い役よ。私とかなり違うタイプだからね。世間知らずな女の子で、色々悩みを抱えて途方に暮れてる。まだ16歳だから、自分探しの途中だし、ちょっとだけ反抗したい気持ちがあるの。
エマはマンソンとすごく興味深い出会い方をしてるわ。というのも、実はマンソンは最初からエマを狙ってたの。エマはお金持ちのボーイフレンドとあるパーティーに出かける。ただの楽しいパーティーなんだけど、エマはすごくシャイな性格だから居心地の悪さを感じてた。その時にマンソンと出会う。すでにエマを狙ってたマンソンにね。そこでエマはマンソンのものすごいカリスマ性に惹かれて、「彼について行かなくちゃ!」って思ってしまう。この人なら自分を導いてくれるはずだってね。
これまでエマは、親に守られてきちんとした環境で育ってきた。だからマンソンの、反抗的で権力にも歯向かうみたいな“悪い男”の部分に単純に惹かれちゃったのね。エマの目にはそこが魅力的に映った。これまでマンソンみたいな人には会ったことがなかったから、マンソンみたいに、ルールを無視しても自分のやりたいことをやるような人が格好良く見えて、マンソンと一緒にいたくなってしまった。この温室育ちの女の子が、これまでよりも大胆に生きたい、もっと冒険したいと思ったのね。
チャールズ・マンソンを演じるゲシン・アンソニーとの共演はとても楽しいわ。ゲシンが演じることで、役に命が吹き込まれる。ただ、アメリカ史に実在する犯罪者を扱うのはかなり難しいこと。でも美化したりせずに、正しく伝えたいと思ってる。だから、ゲシンの存在はすごくありがたいわ。彼は一瞬で役に入り込むの。彼の演技は実在のマンソンにかなり忠実よ。マンソンについてたくさんリサーチして役をモノにしているの。
このドラマで一番重要なのが、ドラマの限界に挑戦することだと思うの。だから、ダークな部分や観るのが怖いような部分だって描かれる。だって、それが実際に起こったことだから。何が起きたのかを良く見せようとしてないところがこのドラマの魅力だと思う。ありのままを表現してるの。ダークで嫌な部分や、エグい部分、時には人間の悲しい部分だって描いてる。そうすることでリアリティのあるストーリーになるし、素晴らしいエンターテイメント作品になるんだと思うわ。
初めてジョン(・マクナマラ)の脚本を読んだ時は、すごくワクワクしたし刺激を受けた。これまで読んだどの作品の脚本よりもオリジナリティに溢れていたし、リアルだったから。それにシャーメインっていう役はとても演じがいがあるキャラクターだと思った。頭がよくて自立した女性なんだけど、いわゆる男の世界の中で生きてる。すごく真剣に仕事をしているけど、カトラー捜査官とか他の捜査官たちから命令されて、いつだって下っ端みたいな気持ちにさせられてるの。だから、潜入捜査をするチャンスが巡ってきて、ホディアックやシェイフと一緒に仕事ができたことに、彼女はやみつきになった。とにかく、警察で初めてチャンスを与えられた女性のうちの1人を演じられることにもかなり魅力を感じたわ。女性が権利を与えられるようになったその最前線を行くようなキャラクターだからね。
チャールズ・マンソンについてあまり詳しくなかったの。オーストラリア出身だしね。でも私になりに調べたり脚本を読んだりして、何て魅力的なキャラクターなんだろうって思った。色んな人と複雑な関係を結んでた人物だったし。でもそれだけじゃなくて、LAPDサイドの物語の方も素晴らしいと思った。シャーメインっていうキャラクターを演じる機会を与えてもらったしね。マンソンは恐ろしい犯罪に手を染めたし、恐ろしい犯罪のきっかけをつくった。でもこのドラマの魅力は、その事件が起きる前からスタートするところにあると思う。マンソンがカリスマ的なリーダーで、たくさんの人たちが彼を父親や恋人、または指導者のように崇めていた頃から物語が始まる。だから、マンソンがどうやって自分のファミリーを操るようになったのかが観られるのは面白いし、なぜたくさんの人がマンソンの倫理観に疑問を持たずに彼を神のように崇拝するようになったかが描かれていく。それに物語の初めでは、マンソンが愛を広めようと努力してるような人間として登場することが、マンソンの最終的な行く末を考えるとすごく面白いやり方だなって思う。
このドラマの素晴らしさは、様々な要素を取り入れることができるところにあると思うの。殺人事件より前から物語が始まってるから、色んなことを描いていける。チャールズ・マンソンだけじゃなく、当時の警察が、とにかく事件を解決すればいいっていうようなモラル的に破たんした部分とかもね。それにこの時代は進化の時代だったから、実際にはどんな運動が盛んだったのかって部分や反体制文化なども描かれていくわ。
この作品は、ドラマの限界を押し広げているところが素晴らしいなと思う。セックスや暴力やドラッグが、あまり厳しくなかった時代の話だからね。この時代から、色んなことが変化していった。このドラマの脚本で素晴らしいなと思うのが、この時代を美化して描いていないところ。この時代の嫌な部分も掘り下げてるの。反体制運動が盛んで、社会的な緊張が高まっていたり、人種間の関係やドラッグや戦争、性差別の問題が表面化していた。これは、今まで役者として触れる機会がなかった部分だから、とても興味を引かれた。他にも素晴らしい要素がたくさんある作品だけど、そこが大きいかな。
この作品のテーマは誰もが理解できるものだと思う。主要キャラクターはアメリカではかなり有名な人物だけど、チャールズ・マンソンを中心に展開する全ての要素が視聴者を引き付ける。それに、この時代がどんな様子だったかっていうのは、誰だって興味があるんじゃないかな。どんな進化が始まっていたのか、性差別やどんな運動が盛んだったのかっていうのは世界的なスケールで楽しめる。この頃の話に元々馴染みのある人たちだけでなく、たくさんの人に響く作品になってると思う。
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