シーズン3
誠実で情熱家、明快なビジョンを持つビアギッテ・ニュボーは、小さい政党ながらも党首として、総選挙で穏健党を大勝利に導き、デンマーク初の女性首相に就任した。だが、政治アドバイザーとして手腕を発揮する有能なカスパーをもってしても、連立与党内の意見調整に苦労は絶えない。愛する夫と家族の全面協力のもと、母親と政治家の二足のわらじを履きこなしてきたビアギッテだったが、首相の仕事は多忙を極め、家族と過ごす時間もほとんどない。そんな妻に対し、夫フィリップは次第に不満を募らせ、ついに離婚を切り出す。さらに長女ラウラが体調に変調をきたし、入院することになる。仕事と家庭その両立も可能だと信じて行動してきたビアギッテだったが、両親の関係や環境の変化は子供達にも大きな影響を与えていた。ビアギッテは、ラウラの看病に専念するため休職を決意。だが、首相不在の政府に対する支持率は低下し、トアセン首相代行も好き勝手をはじめる始末。ビアギッテは国民に首相を選んでもらおうと、解散総選挙を宣言したのだった。
あれから2年半。
政界を引退したデンマーク元首相ビアギッテ・ニュボーは、欧州企業の理事と講演活動で各地を飛び回っていた。ペントハウスに居を構え、新しい恋人も出来た。しかし、ニュースで穏健党・現党首クルーセの、与党に擦り寄る発言に憤りを覚えたビアギッテは、政界復帰を決意する。穏健党をあるべき姿に戻さなければならない。
「国が間違った方向に進んでいると 何とかしたくなる。だから、今私は政治家です。」
50年ぶりに穏健党から首相となった大物政治家、それも国民や党員に人気のビアギッテが党に戻るとなれば、穏健党の人気は回復するかもしれないが、クルーセ自身は党首の座を奪われかねない。クルーセは、党を分裂させることは避けたいと、ビアギッテの復帰を断る。そこで、ビアギッテは穏健党の党大会で党首選に名乗りを上げ、クルーセと対決しようとする。ところが、穏健党の党員の中には、まだビアギッテ人気はあるものの、クルーセを恐れてか、思うようにビアギッテへの支持は集まらない。自分の国デンマークを良くするため、国民の声を反映する政治を実現するため、ビアギッテはある決断を下す。それは、穏健党時代の恩師サイアウーでさえも驚愕するものだった。
あのビアギッテ・ニュボーが新党を結成する。
それは、穏健党はもとより、与党も野党連合も敵に回すことになる。それでも彼女の決意は固い。ビアギッテは、ジャーナリストのカトリーネに広報アドバイザー職をオファーし、クリスチャンボー宮殿を目指し、行動を開始する。
シーズン2
愛する夫と家族の全面協力のもとこれまでも二足のわらじを履きこなしてきたビアギッテ。しかし、多忙で家族と過ごす時間もほとんどない妻に対し、夫フィリップは次第に不満を募らせていく。復職の機会も政治的な理由であきらめざるを得ない状況となったフィリップは、ついに離婚を切り出すのだった。
11ヵ月後。
首相就任からは約2年が経過し、ビアギッテは以前よりも毅然とした態度で首相としての職務をこなしている。だが、政治アドバイザーとして手腕を発揮するカスパーをもってしても、連立与党内の意見調整に苦労は絶えない。その上、恩師で穏健党副党首のサイアウーとの仲もギクシャク。よき相談相手であった夫の存在も失い、ビアギッテは心情を吐露できる相手も時間さえもない。そんな中、別居している夫フィリップから、離婚届にサインするよう再三言われ、ついに決心するものの……。
ビアギッテは穢れのない政治家であろうとし、それと同時に子供たちに対しても完璧な母親でありたいと思っている。仕事と家庭その両立も可能だと信じて行動するビアギッテなのだが、両親の関係や環境の変化は子供達にも大きな影響を与えることとなり、彼女はこれまで以上に大きな決断を迫られることになる。
シーズン1
理解ある夫と二人の子供に恵まれた幸せな家庭を持ち、一方党首として政界で活躍するビアギッテ・ニュボー・クリステンセン、40歳。誠実で情熱家、明快なビジョンを持つ彼女が率いるのは小さな政党だ。だが、幸か不幸かいくつかの出来事が重なり、総選挙で大勝利を収め、そして誰もが、ビアギッテ自身もが予想にしなかったことが起こる。デンマーク初の女性首相に就任することになったのだ。
しかし、連立与党となっても、小さな政党にとって、デンマーク新政府の中で影響力・権力を保持するのは困難を極める。強硬に主張してくる他党の政治家たちをなだめすかし、連携を保つためには、情報収集と、必要とあれば身内の犠牲を強いることにもなる。
政治家であれば誰もが夢見る首相の座を手中に収めるためにはどんな姑息な手もいとわない政治家たち。些細なミスで、失脚は免れない。他の党のリーダーたち、議員、そのスタッフ。政局を報道するメディア関係者。さまざまな人々の思惑が交錯し、ビアギッテの前には次々に難問が降りかかる。
愛する夫と家族の全面協力のもとこれまでも二足のわらじを履きこなしてきた彼女だが、果たして、権力のトップの座を保持しながら、彼女はこれまで通り、クリーンで裏のない政治家として、自分を見失わずにいられるのだろうか……?