ハンサムで心優しい男マクガイバーは、人々が危機にさらされているときに登場する現代のナイトである。フェニックス財団のスペシャルエージェントとして、財団本部長でよき友でもあるピーター・ソーントンの依頼を受け、休みなく冒険の旅へと世界中を飛び回るのが彼の仕事であり、また楽しみの一部でもある。フェニックス財団の役割は、世界にはびこる悪事の芽をつみとるため、財力と人員を提供すること。その一端を担っているのがマクガイバーの頭脳と行動力だ。
平和主義者のマクガイバーは、従来のヒーローと違って銃は使わない。彼は一見何の価値もないようなものを、いざというときのためにナップサックに詰め込んでいる。そしてそれら日用品を使って即興で武器や便利なマシンを作り上げ、窮地をしのいでしまうのが“マクガイバリズム”ともいうべき彼の特技なのだ。敵の罠をかいくぐって目的地に潜入し、悪の陰謀を打破するにはもってこいの技である。例えば、ペーパークリップで核ミサイルの発射をくいとめ、キャンディバーで強力な酸の流出を防ぐといった具合。また、時にはサバイバル訓練の途中でチョコレートケーキを作ってしまうなど、陽気な性格の端々をのぞかせる。すべては祖父から教えられた知恵と大学時代にかじった科学知識、そして彼自身の天才的なひらめきによるものなのである。