エバーウッド それは母が遺した最後の贈り物
妻そして母が望んだ地・エバーウッドで
少しずつ、父と息子は絆を取り戻していく
Dr.アンドリュー"アンディ"・ブラウンは、世界的に有名な一流脳外科医。妻ジュリアと、息子エフラム、娘デリアという素晴らしい家族がいるが、その家庭よりも仕事を常に優先する人間だった。しかし妻を交通事故で亡くした彼は今までの生き方を変えようと決め、築き上げた地位と名誉を捨てて、コロラド州はエバーウッドという人口9000人程度の小さな、自然の美しい町へ家族で引っ越す。子供達は知らなかったが、その町は、妻ジュリアが生前、自分が死ぬようなことがあったらその町へ行って、と話していた場所だった。
エバーウッドでDr.ブラウンは、脳外科医としての15年間の蓄えを活かして無料診療所を開く。しかしそれがきっかけで、これまで独占状態だった町唯一の医者Dr.アボットと対立することに。一方、自分の反対を押し切ってアンディが引っ越しを強行したことに怒っていたエフラムは、新しい学校での排他的な生徒達にさらに苛立ちを増すが、ただ一人親切にしてくれるエイミーという少女に心惹かれる。実は、エイミーはDr.アボットの娘で、交通事故で昏睡状態のボーイフレンドをDr.ブラウンならば目覚めさせることが出来るのでは、という望みからエフラムに近づいていたのだった……。
エイミーの本心に複雑な心境ながらも、エフラムは父Dr.ブラウンにコリンの手術を頼み、ブラウンは個人的つながりのある患者を治療することの難しさを感じながらも最終的には引き受ける。手術は困難を極めたが成功、コリンは4ヶ月ぶりに昏睡状態から目覚めたが、記憶を失っていた……。自分が知らない自分の過去を周囲が記憶している状況にあせりと苛立ちを覚えるコリンは、エバーウッドでやや孤立気味のエフラムに自分との共通点を感じ、それは友情に発展していく。一方、コリンとの関係を知りながら、何があっても献身的に励ましてくれるエフラムの姿に、エイミーは少しずつ心を動かされ始める。子供達の新しく複雑な関係が生まれていく中、コリンは発作を起こして倒れ、再度手術が必要になってしまう。
一度は拒むコリンだったが、ブラウンの説得により手術を受けることを決意、しかし元通りにならない場合は延命処置をとらないことをブラウンに約束させた。その一連の流れの中で、父親がどれだけ偉大な医者かを悟ったエフラムは、ニューヨークに帰って外科医に復帰することを父に勧める。ブラウンは、このとき初めて、自分が外科医を辞めてエバーウッドに引っ越した理由、亡き妻ジュリアが「自分が死ぬようなことがあったらエバーウッドへ行ってほしい」と言っていたことをエフラムに語るのだった。エフラムは、自分たちがエバーウッドにいる意味をようやく理解し、ここが我が家だと思えるようになる。
だがブラウンの必死の努力も空しくコリンは帰らぬ人となってしまい、そのショックからエイミーは情緒不安定な状態に陥る。そしてエフラムは妹デリアのシッターとして雇われた年上の女性マディソンと、エイミーは偶然出会った孤独な少年トミーと付き合い始めるがエフラムはマディソンとの年齢の差が障害となり、エイミーはトミーがドラッグを売っていたことを知り、それぞれ別れることに。
エフラムは音楽の才能を伸ばすべく難関ジュリアード音楽院のサマー・プログラムに参加することとなる。夏の間エフラムがエバーウッドを離れることを知り、ついに自分の気持ちに確信を持ったエイミーはエフラムに告白、エフラムもその告白を喜んで受けるが、自分が戻ってくるまで待っていてほしいと頼む。ついにニューヨークへ旅立ったエフラム。そしてブラウンはマディソンから衝撃のニュースを聞かされる。エフラムとの間の子供を妊娠したというのだ。エフラムの将来を考え、ブラウンは息子にはこの事実を伏せておこうと決める。しかしその決断は本当に正しいのだろうか……。