クリストファー・チャンスは、命が狙われているクライアントを文字通り体を張って守るボディガードであり、警察に頼めない問題や事件を解決する私立探偵でもある。死を恐れていないかのように見えるチャンスは、クライアント(ターゲット)の周囲の人物に巧妙になりすまし、必要とあらば自らが“ヒューマン・ターゲット(身代りの標的者)”となる個人防護エージェントなのだ。
時には日本語通訳、時にはスパイと、多彩な活躍ぶりを見せるチャンスの過去は謎に包まれている。そんな彼をサポートするのは、警察勤務時代に培ったコネに基づく充実したネットワークを持つマネージャー的存在のウィンストンと、天才ハッカーで暗黒街に通じているという面も持つゲレロ。二人のバックアップの下、チャンスは暴走超特急列車でも、パイロットが倒れコントロールを失った飛行機でも、命懸けでクライアントを守り抜くのである。
ある時チャンスたちのアジトに何者かが侵入し、3人は捕えられ尋問を受ける。その尋問者は6年前のある出来事の詳細を知りたがった。6年前、ボスのジュベールからキャサリン・ウォルターズという女性の暗殺指令を受けたチャンス(当時はジュベール・ジュニアという名だった)は、刑事だったウィンストンに近付き彼女の隠れ家を突き止めるが、キャサリンが無実であることを知り、以前からの不信感を爆発させ、育ての親でもあるジュベールを裏切ってキャサリンを助けることに。
キャサリンはある本の在りかの秘密を偶然知ってしまったため、命を狙われていたのだった。その「本」は尋問者が当時ジュベールに依頼して入手しようとしていたが、ジュベールの元から盗まれてしまったもので、恐るべき謎を秘めているらしい。チャンスはキャサリンを連れ、過去自分を倒した唯一の存在である最強のボディガードの保護を求めることにする。「クリストファー・チャンス」と名乗ったそのボディガードは、自分の名が代々受け継がれてきたものであると言う。そして、問題の本は見つかったものの、弟弟子バプティストとの争いの中で海の底に沈んでしまい、さらにキャサリンもバプティストに殺されてしまう。
チャンス自身はボディガードの命を張った援護で何とか逃げ切り、その時より彼の遺志を受け継いで「クリストファー・チャンス」と名乗り始めたのだった。
そして現在。海の底を探しても「本」を見つけられなかった尋問者は、ウィンストンを拉致してその場を去る。そこに現れたのは何とチャンスの元ボス、ジュベール。ウィンストンを奪い返したいチャンスは、「本」を回収したいジュベールとやむを得ず手を組むことに。さらわれたウィンストンの運命は…?