LAW & ORDER: UK

イギリスでロングラン・ヒットを記録!
犯罪サスペンスドラマの最高峰「LAW & ORDER」のイギリス版!

コラム

ジェイミー・バンバー(マット・デブリン役)

僕はLAにいて、長く続いたアメリカのドラマが終わったばっかりだったんだ。だから、イギリスに戻ることはあまり考えてなかった。初めて出演したアメリカのドラマがたくさんの人に観てもらえたのは幸運だったし、参加できてすごくよかったと思ってるからね。でも「LAW & ORDER」は絶対に面白いって聞いたんだ。ディック・ウルフの作品なら間違いないし、すごく素晴らしいフォーマットを持ってるってね。イギリスのテレビにはこういうコンセプトのある作品が必要だと思ったから、参加できてすごくワクワクしてるよ。

僕が演じているのは、マット・デブリン。若くて衝動的なところがあるけど、仕事に情熱を持ってるロンドンの刑事で、アイルランド系の移民。ロニー・ブルックスっていう相棒がいて、ロニーが色々な経験をしていて共感できる刑事なのに対してマットはもっと理想主義で、人に対して厳しい。これまで挫折もせずに生きてきたからね。とにかく、ロンドンで働く若い刑事だよ。

このドラマは、モラルを問うドラマだと思う。毎週モラルについてを考えさせられるんだ。誰かの命が失われて、なぜその事件が起きたのか誰の責任なのかを探る。法体制だって完璧なものではないけど、ロンドンという街で起きている悲惨な出来事を解決するためには今の法律を使うしかない。それにロンドンという場所は物語を伝える上でただの舞台以上の役割を担ってると思うんだ。ただ、ロンドンとニューヨークには明らかな違いがある。司法だって違う。だからテレビとしては視聴者に合わせることが必要になってくる。警察の仕事も、法体制も違うからね。オリジナルのニューヨーク版を見ていると観光してるような気分になった。だからイギリスで受け入れるためには変えなきゃいけない部分もある。それがこの作品では、上手くできてると思う。

バトルスター・ギャラクティカ」は、夢のような仕事だったな。今までに経験のないジャンルの仕事だったから驚くこともあったけど、最高の友達もできたし人生が変わった。それにすごくスケールの大きいテレビドラマだった。あんな経験はもう二度とできないだろうな。だからこそ、「LAW & ORDER: UK」は次の作品としては完璧だと思ったんだ。ほとんど共通点がないし、1話完結のストーリーが、前半、中盤、後半と1時間という時間の中で展開していく。「バトルスター・ギャラクティカ」は宇宙を旅していたけど、今回はロンドンの街が舞台だしね。だからすごく楽しいよ。本当に全然違う作品だからね。

ディック・ウルフ(「LAW & ORDER」シリーズ クリエイター)

仕事をする上で、クリス・チブナル(脚本&製作総指揮)とはすごくいい関係を築かせてもらってるよ。彼がイギリス版にリメイクした脚本は、どれも生き生きと描かれていて素晴らしいんだ。だから私がイメージしていた通りの、"中身が完全に異なった、完璧に同じドラマ"が仕上がってる。

このドラマのそれぞれのチャプターには、1つの刑事ドラマや法廷ドラマが持つのと同じぐらいの情報が詰まっている。だから登場人物が車を運転したり、車から降りたりするようなシーンはないんだ。重要なシーンだけが毎回映し出される。そうじゃないと全てを描ききれない。時間も十分にはないしね。だからその事が早いペース展開につながり、いい効果を生んでる。視聴者が飽きることもない。それに、1話完結なのも魅力だ。

私にとって「LAW & ORDER: UK」の(アメリカ版との)一番の大きな違いは、ウィッグ(かつら)かな。あとは、司法取引が少ないことも挙げられる。でも殺人は殺人だからね。殺人はこの地球上どの国においても、法に反する行為だ。それに、アメリカの法律はイギリスの判例法を基にしているから共通点が多く、フランスの法律ほど違いはないんだ。フランスとは全然違う。陪審制ではなく参審制だし、全くの別物だ。でもイギリスには裁判官がいて陪審員もいれば検察官もいる。検察官たちはおもしろいウィッグをかぶってるがね。

クリス・チブナル(脚本&製作総指揮)

おそらく(オリジナルの「LAW & ORDER」を)150話くらい観たけど、家で仕事としてドラマを観られるなんて最高だったな。ディック(・ウルフ)がお気に入りのエピソードを16話ピックアップしてもらったから、そのストーリーを取り入れたし、その他のエピソードのストーリーももちろん入ってる。最初の13話はオリジナルのストーリーと、今ロンドンで起きていることを絡ませて展開させた。だから、ロンドンに住むのはどんな感じなのかがドラマを見ると分かるようになってる。自分が視聴者として見た時に、まるで自分の話のように共感できたエピソードを選んだんだ。楽しみながら作れたし、それぞれの登場人物たちのこともエピソードを追うごとに理解できるようになってる。だからまた別の魅力ある作品に仕上がってると思うよ。

ロンドンという場所は「LAW & ORDER: UK」を見てもらうと分かるように、さまざまな場所から集まって来た人間が生活している場所なんだ。そこが重要。肌の色や、母国語は何か、家族の出身はどこかなんて関係ない。ここに住む人はみなロンドン市民として正義を主張する資格がある。

アンサンブル・ドラマの素晴らしい点は、さまざまな経歴を持った役者たちが共演できること。「バトルスター・ギャラクティカ」のジェイミー・バンバー、「Coronation Street(未)」のブラッドリー・ウォルシュ、「ドクター・フー」や「秘密情報部 トーチウッド」のフリーマ・アジェマン、「ステート・ウイズイン テロリストの幻影」のベン・ダニエルズ、舞台でも活躍したビル・パターソンとハリエット・ウォルター。違うスタイルの演技がそれぞれ組み合わさって実に素晴らしい作品を作り上げてるし、何より出演者が楽しんでるのが分かるんだ。共演できることを喜んでくれてるし、それが画面を通しても伝わると思う。

ベン・ダニエルズ(ジェームズ・スティール役)

ジェームズ・スティールは、すごく明確な使命を持った男だね。どんな事件でも真実を明らかにし、正義を行使したいという気持ちが強い。もちろん現実はもっと複雑で、様々な証拠を調べたり容疑者や目撃者から話を聞いたりしなきゃいけない。すごく大変な仕事だよ。24時間どんな時もスイッチを切れない。それは、実際のCPS(イギリス検察庁)の人たちから感じたことなんだ。それに、スイッチを切っちゃったらドラマチックじゃないしね。だから仕事人間だよ。

LAW & ORDER」は本当に不思議なドラマだと思う。家で奥さんと一緒にいるシーンや、パブで友人と一緒にいるシーンが無いんだから。ただ、ゆっくりとではあるけど登場人物たちの情報は少しずつ明らかになっていって、だんだんと細かい部分がはっきりしていくとは思う。もちろん、背景となるような話はすごくきちんと設定があるから、彼らがどんな事が好きで、どんなことを普段しているのかっていう細かい部分もエピソードを追うごとに分かってくる。それに、きっとどんな事件かによって垣間見られる部分は違うだろうから、本当に面白いよ。

アリーシャ役の)フリーマ・アジェマンには、一緒に仕事をしてすっかり心奪われたよ。ジェームズとアリーシャはお互い影響し合える関係。ジェームズは考え方が白黒はっきりした、まっすぐな人間なんだ。自分でもそこを自覚しているから、この若くてダイナミックな女性をヘッドハンティングして自分の考え方をひっくり返してもらおうと考えた。世の中のグレーな部分をもっと見えるように、取り扱ってる事件を立体的に見ることができるようにね。2人はお互いそんな風に影響し合っているからすごく強いチームになってる。彼女とはこの仕事をするまで会ったことはなかったんだけど、ドラマの中と同じように実際にもすごく仲良くやってるよ。ジェームズとアリーシャの関係は、ベンとフリーマの関係と似てるんだ。とにかく、僕が他の役者に求めることは、自分と同じくらい熱心に仕事をするっていうことだけ。あとは一緒に笑えること。フリーマとは朝電話で「このセリフがしっくりこないから言おうかな」なんて話すこともあるんだ。プロデューサーからしたら悪夢だよね。2人ともかなり台本を読み込むタイプなんだ。とにかく僕も彼女も仕事に取り付かれてる。本当に理想的な関係で仕事をさせてもらってるし、彼女の事が大好きだよ。

フリーマ・アジェマン(アリーシャ・フィリップス役)

アリーシャは様々な仕事をしているんだけど、どのエピソードでも主に警察が持ってきた事件を背景も含め深く調べて、それを上司に提出する。起訴する前に目撃者の話を聞いたり、警察と検察の間を行ったり来たりしたりするの。最高の仕事ね。

最初は「やった!法律のことが勉強できるわ」って思ったの。でも、実際法律の本を読もうとすると、その本を読むために別の本を5冊は読まなきゃいけなかった。法律って本当にすごく分かりにくいの。ドラマでは分かりやすくシンプルにしてあるけどね。それに、オールド・ベイリー(中央刑事裁判所)がすごく壮大な舞台として本当に素晴らしい役目を果たしてる。きらびやかだし、すごく圧倒される建物だわ。その場にいるだけで法と関わる役を演じるのに役に立ったわ。あとは、姉が法律の学位を持ってるから裁判を一緒に傍聴したんだけど、すごく心強かった。「あれどう意味?これどういう意味?」って質問をたくさんしたけど、辛抱強く全部の質問に答えてくれた。

LAW & ORDER」の大ファンなの。特に90年代はすごくハマって見てたわ。だって、今までにないようなドラマだったから。番組の進み方が本当にユニークだし、独特のテンポがあった。だから本当に熱中して見てたの。他の6ヶ月くらいかけて展開していくようなドラマと比べても、全く引けを取らない素晴らしいストーリーだと思うわ。

「ドクター・フー」は、私が出演した時にはすでに人気の番組だったし、すごく勢いもあった。それでも、もちろん責任は感じてた。だってうまく走ってた電車が自分が乗ったことで脱線するなんてイヤだしね。だから責任はあったけど、今回感じてるのは全然違う。スタートから出演するわけだし、有名な作品のスピンオフだしね。だから「ドクター・フー」とは少し違う種類の責任を感じてる。みんなで赤ちゃんを授かったみたいな感じ。そのぐらい最初からずっと関わっていくわけだから、全く別の責任感を感じてるわ。

ハリエット・ウォルター(ナタリー・チャンドラー役)

私が演じるのは警部補のナタリー・チャンドラー。この仕事をもう結構長く続けていて、知識が豊富で落ち着いていて自信のある女性。でも行動的な部分もあるわ。感情で動くことはなくても、何も感じないわけではない。子供が3人いて、幸せな結婚生活を送ってる。すごく効率的にチームを動かしているけど、決して偉そうな感じではないの。自分が動いて時間を無駄にする必要はないと思ってる。チームのみんなを信頼しているからね。ドラマに出てくるチーム以外に、6チームを率いてるわ。

男の子はいつまでたっても男の子。みんなそんな感じよね。お互いをからかったりふざけ合ったりしてるわ。自分なりの考えを持った人たちだから仕方ないわね(笑)。でもみんな仕事に関しては有能。私が気になるのはそこだけ。でも信頼してるから、いつも愛情を持って見守ってる。

時々恥ずかしくなることがあるわ。だって反対側にあるのが検察の上品なオフィスなんだもの。私たちはうらやましそうに眺めてるだけ。壁もカーペットもすごく上品で素晴らしいの。どうして自分たちのオフィスはこんな感じじゃないの?って思って見てる。法を扱う一握りの人たちだから特別よね。でも検察官たちは私たちの仕事をリスペクトしているし、私たちは彼らの仕事をリスペクトしてる。だからみんなが協力して頭脳や知識を持ち寄って仕事をするのは面白いわよね。

ビル・パターソン(ジョージ・キャッスル役)

私が演じるジョージ・キャッスルは、ロンドン地区検察庁の首席検事。イギリスの様々な地区に事務所があるが、ロンドンで仕事をしている。少人数だけどチームのボスとしてみんなの少し前を歩き、彼らの秩序を守ってる。まさに法と秩序を守っているんだ。

本作はタイトル通りの内容だと思うよ。法と秩序の物語だ。それに番組のフォーマットはどのエピソードもきちんと決まった形に添って進んでいく。まず犯罪が起き、事件を捜査し、検察が起訴できるか判断し、裁判が始まり、そして判決が出る。それが番組のフォーマットだから、どのエピソードから見てもいい。前のエピソードを見る必要がないんだ。登場人物のことを知らなくても大丈夫。本当に内容が詰まったドラマだよ。

法廷でのシーンにはかなりの違いがあると思った。イギリスでは裁判官の所まで行って、裁判官の前に立って小声で訴訟内容について話をすることはない。だからその部分はすごく対照的だなと思った。それに、ちょっと芝居がかった面があるところも違ってる。だが、どちらも同じように有効だと思ったね。

オールド・ベイリー(中央刑事裁判所)は、ロンドンの象徴的な建物。そこの法廷では撮影はしていないんだ。セットがあるからね。でもホールでは撮影することがあって、大理石が素晴らしいんだ。最高級の大理石が使われていたり、法の格言が壁に描かれていたり。そんな場所で撮影できるのは光栄なことだなと感じたよ。時々、出番を待ってその場所に立っていると、世界に名だたるオールド・ベイリーという場所のこれまでいい歴史や悪い歴史を肌で感じて胸が高鳴るんだ。

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