MENTALIST \'men-te-list\
【名詞】メンタリスト
知力 催眠術 暗示を駆使する者
思考と行動を巧みに操る者
米カリフォルニア州を管轄とし、各地で凶悪犯罪の捜査にあたるCBI(California Bureau of Investigation -カリフォルニア州捜査局)。その捜査チームの中には、ある異色の人物がコンサルタントとして招かれていた。彼の名はパトリック・ジェーン。以前は人気の霊能占い師(メンタリスト)としてTVなどで活躍していたミステリアスな男だが、捜査の現場での行動もあまりに型破り。
被害者の家に勝手に上がり込んだり、事情聴取でいきなり「君が犯人か?」と尋ねたり、事情を知っていそうな者に催眠術をかけてみたりと、いずれも大胆不敵すぎるので捜査チームのボスであるリズボンとその部下チョウ、リグスビー、ヴァンペルトは気が気でない。しかし、それらすべての行動が意味があったことが最後には明らかになる。鋭い観察眼を駆使し、人々が心のウラに隠した真実を読み取って、いつしか事件を解決に導く、前代未聞の名探偵、それがパトリック・ジェーンなのである。
捜査官でもない彼がCBIの捜査に協力する最大の動機は、連続殺人鬼“レッド・ジョン”を捕まえること。被害者の血で描かれたスマイルマークを現場に残すこと以外全てが謎の存在レッド・ジョンは、ジェーンの愛する家族を殺した仇敵なのだ。レッド・ジョンは殺人を続けていく一方、自分の模倣犯に囚われたジェーンを救ったり、ジェーンが事件捜査から外されれば、CBI内部で惨殺事件を起こして報復にでたりと、まるでジェーンとの対決ゲームを楽しんでいるかのよう。レッド・ジョンに関する情報を少しずつ入手するジェーンだが、レッド・ジョンの組織は驚くほど広がっており、警察内部にまでその協力者が入り込んでいるようなのだ。
「私はレッド・ジョンに従うだけ。あなたの自由も、私も、彼からの贈り物。」
時に強引な捜査をするジェーンを快く思わない人物もいる。リズボンの上司であるウェインライトと対立したジェーンは、ついにはCBIを辞めてしまう。それから半年間、リズボンとも連絡を絶ち、自堕落な生活を続けていたジェーン。だが、それはレッド・ジョンと接触を図るための計画だった。ジェーンの狙い通り、レッド・ジョンの使いであるローレライという女が、「仲間になれば新しい人生を与える」というメッセージを伝えてくる。仲間になる証明として要求されたものはリズボンの首だった。CBIメンバーの協力の下、ジェーンは“死体”を用意し、ローレライを介してレッド・ジョンとの接触を試みる。だが、ジェーンたちの作戦はレッド・ジョンに筒抜けだった。
レッド・ジョンの車に乗せられたジェーン。その姿は見えないが、後部座席からレッド・ジョンの声が。「自分の仲間になれば素晴らしい人生が待っている」と再びジェーンを仲間にしようと誘う。だが抵抗し続けるジェーンに業を煮やし、彼を投げ捨て、車は走り去っていった。同じくレッド・ジョンの捜査を行っており現場に急行してきたFBIはその車を銃撃。しかし蜂の巣になった車にはレッド・ジョンの姿はなく、発見されたのはウェインライトの死体とローレライだけだった。
ローレライを逮捕し、その身柄を拘束したCBI。彼女にレッド・ジョンのことを話させると心に誓うジェーンだったが、簡単には口を開こうとしない。一方、彼女を巡ってCBIとFBIの対立が表面化し、連邦判事の令状をたてにFBIがローレライの身柄の移送を主張してくる。レッド・ジョンの内通者が入り込んでいるFBIの介入は何としても避けたいジェーンは一計を案じるのだが……。
その後、ローレライの言葉をヒントにジェーンは、パートリッジ検死官、宗教団体リーダーのスタイルズ、マカリスター保安官、バートラム局長、カークランド国土安全保障省捜査官、ハフナーCBI捜査官、スミスFBI捜査官の7名にまでレッド・ジョン候補を絞り込んだ。ジェーンの妻子の命を奪った長年の宿敵である、連続殺人鬼レッド・ジョンはこの7人のうち、一体誰なのか? レッド・ジョンはしかし、その7 人の名前を見透かしていた……。
一時は殺人からの引退をほのめかしたり、ジェーンに仲間になるよう誘ってきたりしていたレッド・ジョンだが、手下であるローレライがジェーンに寝返り、またジェーンが一向に折れてこないことに腹をたてたのか、連続殺人の再開を告げ宣戦布告する。ジェーンはリズボンとともに、レッド・ジョン候補者リストから一人ずつ名前を消す作業を進めるのだが……。
ジェーンが絞り込んだレッド・ジョン容疑者のひとりはCBI局長バートラムも含まれていた。レッドジョンは警察機関に存在する“ブレイク結社”の一員だったのだ。“ブレイク結社”を追ってその捜査に現れたアボットFBI捜査官は、渦中のCBI捜査チームの解散を宣言。レッド・ジョンとの壮絶な戦いに終止符を打ち、ようやく妻子の仇をとったジェーンは、リズボンに「すべて終わった」と電話で別れを告げ、忽然と姿を消す。
2年後。ジェーンの居所を探し当てたのはCBIを解体したFBIのアボットだった。アボットは、FBIに協力して最低でも5年働けば、ジェーンのすべての罪を無効にして起訴はしないと約束し、捜査コンサルタントの仕事をオファーする。ジェーンは、有能な捜査官であるリズボンも捜査チームに加えることを条件に、本土に戻り、FBIで働くことにする。
FBI捜査官パイクとの交際が順調だったリズボンに対して、ジェーンはついに本心を打ち明けた。交際をスタートさせた二人だったが、ジェーンの心には、レッド・ジョンによる深い傷が残っている。優秀な捜査官であり、時には体を張って事件解決に対処するリズボンに対し、ジェーンは徐々にある思いを募らせていく。そんな中、サイキックを騙る人物をターゲットにする連続殺人事件が発生する……。