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全米CBSで大ヒット!いま、最もクールな痛快犯罪捜査エンターテイメント!
役の衣装を着て動き回ることに違和感がなくなってうれしいよ。スポーツや仕事などにも同じことが言えるけど、あらゆる状況や領域に精通し、慣れ親しむほど、それが自分の中でなじんでいって、やりやすくなるよね。
「SCORPION/スコーピオン」では皆が家族みたいな感じなんだ。会話がなくうまくいっていない家族みたいに、各メンバー同士の関係が希薄であるほど、いい人間ドラマが物語の中に生まれると僕は思う。僕のキャラクター1つを取ってみてもそうだ。最初は各メンバーのことを深く知らなかったけど、少しずつ互いのことを知り、お互いの気持ちを理解できるようになる様子が描かれてる。時が経つにつれ、お互いをさらにずっと、よく知ることができるようになると思う。
各エピソードは赤道によって北半球と南半球に分けられてるみたいに、2つの部分からできてる。任務が発生し、それを最後には達成する。または、何か悪いことが起きて、僕らスコーピオンが呼ばれる。その繰り返しがこのシリーズを形作ってる。そういう形式のものを、多くの人は見たいと思うんだ。
またこの作品はキャラクターの存在感が大きく、そのキャラクターたちによって1つの家族のようなものが出来上がってる。そして、キャラクター同士が個々に独特の関係を築き上げていることで、このシリーズが通常のシリーズとは一味違ったものになっていると思う。
“ウォルターはこうなるべきだ”という具体的なイメージは分かっているけど、結局彼は本質的にそこまで変わることができないんだ。エピソードが毎回決まった形式で展開していくから、エピソードが始まるたびに、彼が改善していく必要のある一面についても、繰り返し同じようなことが語られていく。
ウォルターの役どころの素晴らしい点は、彼が器用に立ち回れるような、いわゆる典型的な男らしいタイプではないところだ。そこを視聴者はとても面白く感じるだろうし、そういうところから、他のキャラクターとの触れ合いも生まれてると思う。
リアルに見せなくてはいけないことだね。ウォルターは、中心部分は真面目な性格の人間ではあるけれど、それと同時に、ものすごく変わった面も持ち合わせているから、それを表現するのが難しい。
ウォルターの中には変わった一面もあるけど、変わった考えをバカにするという面もある。あらゆる出来事を彼の視点で見てみるのもいいかもしれない。僕自身、彼の視点のままで家に帰り、各エピソードを見てみたりするんだ。そうすると、1つの状況に対処するにもそれぞれ違った方法があることに気づかされる。
どのシーンにも様々なキャストが登場するから、当然、自分の登場シーンも多くなる。各エピソードにはアクションも説明的な場面もたくさんある。間違いなく皆が全体として機能していて、多くの成果を生み出してるよ。
セリフに真実味を持たせ、そのセリフを言う瞬間を楽しむのが僕ら俳優の仕事だ。そのための最善の方法が、とにかくひたすら練習することなんだ。例えばセリフの塊が3~4個あって、“O-エチルメチルホン酸”とか様々な酸化化合物について話さなければいけない場合、撮影当日にスラスラ読めるようにするにはそれなりの練習が要る。3~4日は必要だね。セリフが自分の脳の一部になるくらいのレベルに持っていくには、さらにもっと長い練習が必要だ。そうしてこそ撮影当日の演技が自然にできる。シーンを繋ぐためだけのつまらないセリフに思えたとしても、そういったセリフこそ一番気合を入れて練習しないといけない。他のセリフと同じくらいリアルに見せなくちゃいけないからね。
このシリーズのエピソードを見ると、カメラの動きや撮影技術、暗めの美しい照明、鋭く見事な監督の感覚などが見事と思う。キャラクターたちも詳細に描かれているし、間合いも絶秒だ。それに、ショットの規模が大きく、新しい世界や環境をどんどん作り上げていくことができる。そういう様子を見ると、自分たちが限界に挑戦することができたということが分かるんだ。
最高の気分。シーズン1を通じて強力なファンを得たけど、シーズン2がどんなふうに受け取られるか、どんな感じになるかのかは予測もつかないわ。とにかく最高の気分よ。
画面上でのチームの関係性は、間違いなく強固なものよ。その理由の1つとして、私たちの撮影時以外の関係性がすごく強固であることが挙げられると思う。キャストやクルーの関係がとてもいいことって、めったにないことだと思うの。共に多くの時間を過ごすと、本当の家族みたいになるのよね。でも、そういったことを別にしても、脚本家たちは各キャラクター間の出来事や関わり合いを、素晴らしい形に書き上げる方法を知っているわ。
このシリーズについて視聴者が最も心を引きつけられるのは、キャラクターたちが世界を救いながら交流し合う姿だと思う。もちろん毎週のエピソードの中で私たちキャラクターに課せられる任務も重要だけど、私がとても面白いと感じるのは、物語の外に抜け出して現実の世界にいる時でも、トビーとペイジ、ケイブとハッピー、ハッピーとトビーとウォルターがどんなふうに協力し合って動くのかが想像できることなの。それぞれの関係があらゆる面で他とは異なる固有のものになっていて、各キャラクターの人柄がシナリオの中でどんなふうに描かれているかを見るのが楽しいわ。
このシリーズには細かいネタがたくさん仕込まれていて、そこが典型的なシリーズ作品と違うところね。毎週見ていないと、キャラクターや他のことに関する小ネタを見逃してしまうわ。でもそんな点がこのテレビシリーズを、特別で独特の存在にしていると思う。キャラクター設定がとても明確に描かれているの。毎週のエピソードの見どころが任務だけではなく、キャラクターについても注目して見られるような内容になっていると思うわ。その点は、どのシリーズ作品にもあるわけではない、このシリーズならではの強みね。あらゆる要素が満載なの。どのキャラクターも面白くて魅力的で、失礼な面や不器用な面もある。彼らがこのシリーズを彩る真のスターと言えるわ。
ペイジがウォルターへの思いに身を任せるべきか、抑えるべきかどうかで葛藤する様子を演じるのは楽しいわ。その葛藤によって、彼女の態度が不安定なものになっているの。彼女はウォルターよりもはっきりと、自分の気持ちを表現しているしね。ウォルターは自分の気持ちを抑えるけど、いつもペイジが、感情に身を任せるように彼を仕向けようとするの。そういうのを楽しみながら演じてるわ。
ペイジの相手として、新しいキャラクターが登場するわ。“ついにペイジにも新たなロマンスの対象が現れた”って感じだった。ティムっていうキャラクターよ。進展するかはこれからのお楽しみ。ペイジの前に現れるどんな新しいキャラクターも、重要な意味を持つと思う。新しいキャラクターの登場によってペイジとウォルターの間で衝突が起こり、ウォルターの中で“ペイジが自分以外の誰かと恋愛関係になるのはいい気がしない”という意識が生まれるの。
今シーズンの彼は、昨シーズンよりも活躍の度合いが増しているの。私は昔から子供と接するのが得意だから、特に苦労していることはないわ。だから無理して親子関係を演出しようとする必要もない。小さな子供を思いやるのは難しいことでもなんでもないわ。それに(ラルフを演じる)ライリーはとても楽しい子なの。雰囲気があって元気が良くて、一緒にいると楽しい。ペイジが単なる優しい母親ではなく、厳しい母親であるというところも私は気に入ってる。ペイジはラルフに対し、やっていいこととダメなことの明確な線引きをしているの。
このシリーズが大ヒットした主な理由は、キャラクターや世界を救うという内容もさることながら、企画のニック・サントーラの素晴らしさにもあると思う。彼は話すと非常に楽しい人なの。面白くて聡明でウィットに富んでいて、彼のそんなところが脚本にも表れてる。彼が書いた脚本を読めば分かるわ。本当に面白い人よ。そんな彼のユーモアを作品に取り入れることができてラッキーだと思う。
“笑い”の要素が際立ってる回が、私のお気に入りのエピソードね。物語の中では、“どうしたらこんなことできるの?”っていうような現実離れした任務に就いたりするでしょ?混沌とした状況の中でもストーリーが楽しく、重くならないのは、トビーやペイジがジョークを言ったり、ウォルターがぎこちないことを言ったりするからよ。そんな時が私のお気に入りの瞬間だし、演じていて心から楽しいと感じるわ。
ペイジについて気に入っているのは、強い女性であることかしら。私は強い女性の役を演じるのが好きなの。でも彼女の強さは鼻につくようなものではない。強いけど、とてもソフトで優しくもあるわ。
ペイジが意表を突いて物を蹴って壊したりして、たくましく見えるシーンが大好き。他のキャラクターたちが“なぜ思いつかなかったんだ”って感じになるの。それから、シーズン1では、彼女があることを覚えていて、その記憶を基に“こうすればいい”ってスラスラと言う場面もあった。みんなが変な人を見るかのように彼女をポカンと見つめるんだけど、すぐ“いや、それ当たってるかも”ってなるの。彼女は一歩下がってもいられるけど、時として大胆な行動を起こして驚かせてくれる時もある。そんなところが好きよ。
グリーンスクリーンを背景にした撮影が多いから、大いに想像力を働かせる必要があるの。実際は回転してないのに、そういうふうに見せる演技をしたりね。このシリーズ以前の仕事では、そういった経験をあまりしたことがなかったから、今色々と吸収してる。この経験がこの先の仕事で役に立つことを願うわ。本当に想像力を必要とするのよ。周りに何もない中で、強風に吹かれつつ、そのシーンでの状況を想像しながらセリフを叫ばないといけないの。
ペイジは自分の気持ちに少し背を向けているところがあるわ。プロ意識に欠けるような態度は取りたくないと思ってる。でも、時々ウォルターから気持ちを聞き出そうとするの。“トビーとハッピーの仲はうまくいったと思わない?2人一緒の方が、以前よりいい感じみたい”というようなことを、あるエピソードでペイジが言うわ。でも、私としてはウォルターにももう少し勇気を出してほしいわね。
いつかのタイミングで涙に終わることになると思うけど…どうかしらね。2人はお互いをずっと思い続けているけど、ハッピーエンドになるかは分からない。
1シーズンもの間、1つのキャラクターを演じるということは、その人物の人生を1年分生きるということなんだ。そのキャラクターとして再びスーツを着られることが楽しいよ。
僕たちは多くの時間を一緒に過ごしているけど、ありがたいことに皆とても仲がいい。どのキャストも素晴らしい人たちで一緒に働くのがとても楽しいし、彼らのことが大好きだ。皆、才能豊かで若い。彼らのお陰で私も若さを保てているよ。
このシリーズには魔法のような不思議な力が働いている。プロジェクトの概要を読んだ時に、“これは大ヒットするぞ”と思ったんだ。そんなプロジェクトに参加できることにとてもワクワクしたよ。これはまさに、キャスト同士の相性から生み出される不思議な力によるもので、それが作品にも見事に表れている。
随所に見られるコメディ要素も、このシリーズの持つ魅力だ。さりげなく、セリフのあらゆるところに笑いが散りばめられてる。そんな点も、このシリーズが他のドラマ作品と一味違うものになっている理由の1つだ。作品を魅力的にする魔法のような手法だから、マネしようとする人が出てくると思う。
一か八かの命に関わるような危険な状況でも、その最中にジョークを飛ばしたりする。視聴者はそういうのを楽しんでくれると思う。
彼の役割はスコーピオンのメンバーを監督し、かつ守ることだと思う。それが彼の人生においてとても重要な部分であり、国の利益にもなることだと彼は認識してると思うね。同時に、それは彼がどういう人物かということも表してる。ケイブは自分の国を愛し、自分のチームを愛している。チームメンバーを政府や他の者たちから守り、悪用されないようにするために、出来る限りのことをしたいと思ってるんだ。
ケイブ側は何も変わっていないが、ウォルター側はケイブに対する考え方が変わり、“彼なら僕を守り、心底僕のためを思ってくれてる”と気づいたと思う。ケイブは嘘つきではないのに、嘘つきかのようにウォルターには伝わっていた。それにウォルターは気づき、“ケイブは自分の味方で、自分のことを息子のように大事に考えてくれている”ということを実感したと思う。
シーズン1の終わりでは、ウォルターの乗ったフェラーリが事故で崖に引っかかってしまい、皆で彼のことを救出した。ケイブがウォルターの手をつかんで引っ張り上げている場面で、ウォルターが“僕は諦めないよ”と言い、ケイブが“私もだ”と言うシーンがある。そのセリフに、2人の関係がどんなものかが表現されていたと思う。そして、結果として今シーズンでは、2人の間の確執が解消されている。ウォルターがケイブを信頼することで、2人は問題を抱えることなくスムーズに仕事に取り組むことができているんだ。
どのエピソードもスケールが大きいが、我々が何とかうまくやれているのは、最高の製作スタッフがそろっているからだ。撮影はロサンゼルスで行っていて、各部門のスタッフたちは実に層が厚い。脚本家たちが書いたことは何でも実現することができる。どうすればやれるかを彼らスタッフたちが考え出してくれるんだ。それはロサンゼルス以外の場所では叶わないことだ。ロサンゼルスに住み、ロサンゼルスで「SCORPION/スコーピオン」を撮影できることで得られるものは大きいね。
ケイブは自分の信念を貫いていると思う。国を愛し、自分のチームを愛し、メンバーのことを守っている。正しいことをし、正しいことのために立ち上がるべきであると信じているんだ。とてもアメリカ人らしい男だよ。このシリーズの脚本家は、ケイブがジョン・ウェインの映画や昔の西部劇が好きだということを脚本の随所に散りばめることで、彼を今とは違う昔のアメリカを見せてくれる存在として描いているんだ。私自身ケイブのそんな一面がとても気に入っていて、演じるのがすごく楽しい。ケイブは子供たちに、古いやり方がいつも劣っているわけではなく、楽しめる部分がたくさんあるのだということを教えてくれる。そういった点も、ケイブ・ガロというキャラクターに関して私が気に入っている部分の1つだ。
よく射撃訓練をしに行ってるし、SWATのチームからも訓練を受けた。それから、FBIの捜査官やCIAの工作員、軍の兵士たちからも訓練を受けたし、バグダッドで特殊部隊と共に撮影をする幸運に恵まれたこともある。様々な役柄を演じていくには、それなりのスキルが必要になってくる。その過程で習得したスキルは、俳優としてその先も使えるスキルになるんだ。あらゆるスキルを習得して磨いていくことが、俳優としての役目の1つだね。映像にリアリティーを出す必要がある時は特に、そういった努力が必要だ。
銃の持ち歩き方には決まったやり方がある。低い位置で構えて撃つ、といったようなね。私には元警察官の友人が何人かいて、最初の頃に“片手で銃を構えてくれ”と頼まれた。テレビでは皆こうするからだ。だから、ケイブは片手で構えて撃つスタイルにした。昔の西部劇のようなイメージで、ケイブは武器を扱うんだ。
自分たちが楽しいと思うこと、特別だと信じていることに取り組めるのはワクワクすることだけど、それに視聴者が共感してくれるかどうかは分からない。視聴者に気に入ってもらい、見守り続けてもらえるドラマを作るには、色々な要素が必要だ。そういう意味で、「SCORPION/スコーピオン」は成功していると言えるのでうれしいよ。
役者たち全員が、自分のキャラクターに慣れていることかな。感触をつかもうとしたり、試行錯誤したりして不安にならずに済む。堂々と自分の役を演じられるから、演技にも余裕が生まれるんだ。このシリーズが面白いのは、登場人物一人ひとりが際立っているからだと思う。ウォルターはシルヴェスターとは違うし、シルヴェスターはトビーとは違う。トビーはペイジとも違うし、ペイジはケイブとも違う。似たような人たちが事件を解決するのではなく、全員に個性があるところが人気の理由なんじゃないかな。長くやっているとそれだけ慣れてくるから、演じるのが楽になったよ。
このドラマには笑いのポイントがたくさんある。個性的なキャラ同士が関わり合うこと自体が笑えるよね。よく作り込まれたキャラクターや、自らを困難な状況に置くキャラクターからは常に笑いが生まれると思う。
例えば、ハッピーが普段よりも感情的になるシーンなんかは、それだけで笑える。シルヴェスターが恐怖に直面したり、ウォルターが感情をあらわにしたりするシーンも笑い満載。ケイブの恥ずかしい状況も笑えるよね。僕の場合はシャレをたくさん言わされるから、グルーチョ・マルクスみたいなものだ。シリーズのクリエーターで製作総指揮のニック・サントーラはジョーク好きだから、トビーを通して笑いを伝えてる。僕もそれを楽しんでいるよ。
ドラマでは何を演じるのも刺激的だ。他の登場人物とアクションシーンをやったり、恋愛関係になったり…。ハッピーとの関係も非常に面白いよ。2時間の映画と違って、ドラマでは長い時間をかけて2人の関係を具体化したり、育てていったりできるからね。台本を読んで、次は2人の関係がどう展開するのかを知るのが毎回楽しみなんだ。それに、2人とも恋愛に疎くて、お互いの関係をどう進めていけばいいのか分からないところが気に入ってる。そこには笑いもある。2人の関係がじわじわと展開していくのは楽しいし、時間をかけて見守ることができるのは、役者にとっても、視聴者にとってもうれしいことだと思う。
ジェイディンは素晴らしい女性だよ。僕は自分のオーディションの時に、ハッピー役候補の女性を何人も見たんだけど、とても難しい役だと感じた。ハッピーは強い女性でありながら、心の奥に秘めた思いがあって、それが何なのかは誰にも分からない。でもそれをリアルに、わざとらしくなく演じなきゃならない。ジェイディンはそれを自然にやってのけるんだ。他の人が演じるハッピーなんて考えられないね。彼女がハッピーを楽に演じているからこそ、僕もやりやすい。お互いに遊びを取り入れながら演じて、どう展開するかはやってみてからのお楽しみ、というわけ。
ハッピーが僕にギャンブルをやめろと言うシーンは大事だった。一日の最後にあのシーンの撮影に入る時、監督からどう撮るか話し合うか、と聞かれた。セリフのおさらいはしたけど、短時間で撮影したからあまり準備もできず、すべての詳細を詰める時間はなかった。でも、計画を立ててああだこうだと話し合うより、とりあえず本番でやってみる方が実はいいんだ。ジェイディンとの共演では、いつも撮影中に面白いことが起こる。そんな偶然の出来事を世界中の視聴者とシェアできるのはうれしい。
膨大な量の長ゼリフを暗記して、しかもそれらしく見せなきゃならない。でも暗記する量があまり多くて、残念ながら終わった後は何も覚えてないんだ。僕は高校で習ったことも、さらに言えば昨日の夕飯さえも覚えてない。心理学の難解な用語も同様だよ。でも脚本家は理解してるから、脚本家がきちんと仕事をしてくれる限り、僕らは常に正しいってわけ。
「SCORPION/スコーピオン」は決して現実ではないよね。おそらく視聴者は、この非現実的で大げさな世界観の中で僕らがありえないことをやるのを楽しんでいる。僕も、世界各地に飛んでいき、とんでもない事件を解決することにはすっかり慣れたよ。例えば、毎日バスケを練習すれば上手になるように、難しい専門用語を何年もしゃべっていると、それが身につくんだね。
視聴者は、僕たちが他の番組ではできないようなスケールの大きさで撮影をして、限界にチャレンジするのを楽しみにしていると思う。中には、テレビドラマなんだから南極大陸のセットを作って登場人物を猛吹雪にさらしたり、死にそうな目に遭わせて生き返らせたりできるわけがない、と言う人もいる。でも僕たちはそこにチャレンジするんだ。やってやろうじゃないか、と。たくさんのお金を費やして、いい物を作りたいと思ってる。
メンバー同士の愛情がステキだと思う。シーンの中で何かトラブルが起こっても、お互いのことを大事に思い、気にかけている、という大前提があるから何とかなるんだ。メンバー同士の助け合いがこのドラマの軸になっているし、脚本家も、役者も、視聴者たちもそれをよく理解してると思う。
結局、大切なのは人間関係だよね。人が世の中をどう渡っていくか、他人をどう思いやるか、というテーマに行き着くと思う。
一番楽しかったのは、なんといっても第13話「White Out(原題)」のエピソードだよ。驚きの撮影だった。一日の撮影が始まるたびに、度肝を抜かれる思いだったよ。
ハッピーとトビーの関係において、これからどんな障害があるのかが楽しみ。それに、シーズン2では僕とケイブが一緒に過ごす時間が増えるのもうれしいね。ケイブは僕のボクシング・トレーナーなんだ。それから、トビーにはもっと他のメンバーのプライベートに首を突っ込んでほしいかな。とにかく、トビーに期待されることは何でもやっていきたい。今のところ脚本にはいつも楽しませてもらっているし、他のみんなとともに引き続き頑張りたいと思う。
シーズン1の第1話の撮影を終えた日の帰り道、これほど刺激的なテレビドラマの撮影が行われて、それに自分が参加できたことを本当にラッキーだと感じた。第1話だけでも、とても幸せに感じたんだ。本気でそう思った。あの日、帰路に就きながら、飛行機のアクションをやったり、ロスの街でカーチェイスしたり、素晴らしい役者たちと共演したりしたことを思い返して、こんな大掛かりなドラマに携われたことに感謝したのを今でも覚えてる。たとえ続かなくても、あの1話をできたことだけで大満足だった。だから、シーズン2ができて日々感謝しているし、視聴者が気に入ってくれていることはなおさら幸せだよ。今後もシリーズを続けていくことに大きな興奮を覚えている。
とってもうれしいよ。自分と全く違うタイプの役を演じるのは楽しいからね。コスチュームを着るような感覚かな。自分に近いキャラクターを演じる役者もいる。シルヴェスターの場合も最初はそうだったけど、この仕事を通して僕自身がだいぶ成長したと思う。
すごく楽しかった。子役の子って、一緒に仕事をすると、何も教えなくても自然と吸収してしまう。だから、今日はライリーと2人のシーンがあるって時はそれを頭に入れて、「よし、今日はしっかりしなくちゃ、下品な言葉遣いはダメだ」って意気込むんだ。それに何より、ライリーの仕事ぶりを見ているのは楽しい。僕が9歳の頃にはとてもできなかったことをやってのけるから。すごい子だと思う。一緒に仕事をするのは本当に楽しいよ。
シルヴェスターが果敢にも顔面にパンチを食らうんだ。あれは楽しいエピソードだった。彼が大きく成長する話でもある。最後に脱獄した後、さらに悪者をやっつけに行くんだけど、あの時、シルヴェスターはいい意味で変わったな、と実感したよ。
僕より先に台本を読んだ人たちから、たくさんのメールをもらったよ。みんな台本を見て「これは大変なエピソードだぞ、シルヴェスターが主役だぞ」って教えてくれた。僕も「よし、頑張るぞ」って気持ちだった。実際、とても面白かったよ。みんなも良い出来だと思ってくれたらうれしい。自分ではそう実感してるけど、こればっかりは分からないからね。自分で楽しめること、いいドラマを作ること。大事なのはそれだけだと思う。
シルヴェスターと、トレヴァー・ラーコムが演じたラッセルは、2人ともマンガ好きだったことから会話が多かった。彼はシルヴェスターが助けた子供の一人なんだけど、2人の間で色々なやり取りがあった。子供は好きな物に執着するけど、自分がヒーローになるべき時は、大事なものを手放さなきゃいけない瞬間がある。そんな犠牲が必要な時もある、ってね。
このドラマの中では、笑いが真実の副産物になっていることが多い気がする。登場人物はみんなとても頭が良くて、現実社会で他人とどう接していいか分からない。だからストーリーの中で、笑いが重要になってくるんだ。特に、世界がいつ終わるか分からない、日々「死」と直面するような世界ではね。“笑い”は登場人物の真実味から生まれているんじゃないかな。
例えば、巨大な火山の噴火を防ごうとして、そのために火山に爆弾を仕掛けることになり、爆弾を置くためにラルフを上にして人間ハシゴを作る…そんな事態になったとしても、トビーは相変わらず「子供の頃、こんな感じの“ぶら下がりモンキー”ゲームしたよな?」なんてことを言い出すはず。天才だから、切羽詰まった時でも自分たちに与えられた時間を計算して、どうせならただ呼吸するよりもジョークを言おう、ということなんだ。緊迫した時こそ“笑い”が起こるのはそのためだと思う。ニック・サントーラや脚本家たちはみんなとても面白い人たちだ。でも、実際はそこに真実味があるから笑えるんだと思うよ。
エディ・ケイ・トーマスとの共演シーンは特に楽しい。彼はよく僕のパーソナルスペースに侵入してくるんだけど、それがおかしくて、つい笑っちゃうんだ。
シーズン1でドローンを使うシーンがあった。犯人を追跡するためにドローンが必要になる、という流れだった。シルヴェスターは「バードロニー」という名前のドローンをペットのように大事にしてたんだけど、メンバーにそのドローンを使おうと言われる。シルヴェスターが渋ると、トビーが「ぶつけるのが怖いんだろ、貸せ」って言ってもみ合うんだ。あれが僕の一番のお気に入りで、印象に残っているシーンだよ。
ウォルターという男の人間としての本質に興味が沸いたんだ。それに、毎週展開していく新しいストーリーの中で、彼の人間性をどこまで表現していけるのか、挑戦してみたいと思った。
愛着が持てたり、結びつきが感じられたり、大事に思えるキャラクターがいなければ、ドラマは成り立たない。たとえ嫌いだと思う人物でも、何かしら共感できる部分が必要なんだ。そうじゃなければ、見続けてもらうことは難しい。
物語の中心になるキャラクターに命を吹き込む時は、彼らが何をしようとしているのか、どんな問題を抱えているのか、彼らにとってはどんなことが障害になるのかを理解する必要がある。それがドラマをもっと面白くすることにつながると思うんだ。
自分が騙さたれたせいで2000人の人が死んだ事を、ウォルターはずっと忘れていなかった。だから大勢を救えるなら犠牲は仕方がないって考えるようになってしまった。でも「自分が2000人の命を救えるなら」という気持ちが高まったことで、より大きな目的意識を持てるようになった。
これまで彼が手がけてきた映画と、この仕事が決まる前の僕たちの会話を思い出すと、ジャスティン・リンとの仕事はすごく面白い。僕がウォルターを演じるにあたって一番重要なのは、キャラクターの基盤作りなんだ。その仕事を、先頭になってやってくれたのが彼だよ。
役者としては、今まで演じた役とは違う、新しくて新鮮な役を演じてみたいっていう気持ちが常にあるの。それで、このドラマの台本を読んだ時、「これは今までにない役だわ」って思った。セリフもすごく洗練されていて、台本も無駄がなく、とても新鮮に感じた。実在の人と事実を基にしているところが視聴者の興味を絶対に惹くと思ったし、私自身も魅了されたの。それに私、トップシークレットとかに弱いの。知り合いにも、実際に政府の仕事をしている人がいるしね。だから機密扱いの仕事や、高い地位にいる人たちの持つ権力にも興味があった。
ペイジはシングルマザー。障害のある息子をサポートするために、仕事を2つ掛け持ちして何とか頑張ってる。ただ、息子の障害については、具体的には実はよく分かってない。何人か医者には診せてるんだけどね。
ペイジはこれまで思いつく限りの医者にかかって、息子を理解しようと頑張ってきた。そんな時、いつものレストランで働いてたら、よく知らない男に去り際にあることを言われる。それがきっかけで、人生が変わることになるの。ウォルターは、ペイジが息子を理解できるように橋渡しをしてくれる存在なの。
息子のラルフは9歳になるわ。ペイジは、息子を愛している強い母親。だから、子供のためにはどんなことだってする。でも、心から分かり合えたと感じたことがないの。
ペイジっていうキャラクターは、チームのみんなが新しい状況に適応できるようにナビゲートするような存在。彼らにとっては橋渡し的な役割をするの。その代わりに、彼らがペイジとラルフを繋ぐ役割を果たしてくれる。その場で何が起きているのか、場の空気を読む手伝いをするのがペイジ。天才って、共感する能力が欠けている人が多いのかも。普通の人に比べて、人の気持ちを理解する部分が彼らにどの位欠けているのかは分からない。でも感受性が欠けていることは確かよ。
私って常にその場にいる人たちの出す雰囲気や空気に敏感なの。そこが一番ペイジと似ていると思った。だから、演じるのが楽しい。
優秀な頭脳を持った青年の物語だ。子供の頃、何の気なしにやったことがきっかけで、その聡明さが政府の知るところとなった。IQも197あるからね。それで政府の強い要望により協力するんだが、結果的に利用されてしまう。
第1話は最高だよ。宣伝用のプロモ映像もすばらしくて釘付けになった。主人公は、かなり優秀な頭脳を持つ男なんだ。政府に存在を知られたことで、家族から強引に引き離されてしまった過去を持つ。その後ドーンと最初の幕が開き、2人が再会する。問題が起こり、それを解決するためにね。
ウォルターはロサンゼルスで、優秀な人材をリクルートして会社を立ち上げているんだ。その会社の名前がスコーピオン。基本的には、問題を解決することを生業とするテクノロジー・シンクタンクだ。
内容がすごくタイムリーなところだと思う。ニュースで見るような、日常の中で実際に起きている事件が、ストーリーに取り入れられている。だから、ネタは尽きる事はない。
ロサンゼルスは美しい街だからね。撮影には最適な場所だ。それに、ドラマの背景としても最高だし、事件を解決するためのチームの拠点としてもこれ以上の場所はない。
彼が優秀な監督だということはずっと知っていたが、演技に対する審美眼がどの程度あるのかは分からなかった。だが、一緒に仕事をしてみると、彼は物事をよく考え、何事にも徹底していて、集中力がある人だった。現場に来ては、我々が演技をしている間にも何かを考えている。色んなアイディアを思いつくんだが、それが単純な映像に対するアイディアではなく、キャラクターについてのアイディアだったりもする。何かを行動に移す時の、キャラクターの感情までを考えているから、感心したよ。それに、周りと協力して仕事ができる人だから、安心して任せられる。自分の創造性にも自信があるし、協調性もあるんだ。
頭が良いというのはセクシーだ。だからこの登場人物たちのセクシーさは大いに魅力だね。それに、刺激的なストーリーだ。
天才たちに協力を求める政府やひどい事件を起こす犯罪者たちが登場して、ハイテンションに物語は進んでいくけど、その裏で問題を解決するチームが主人公の物語なんだ。敵に暗号を解読されないように奮闘したり、海上を飛んでる飛行機を探したり、戦争が起きたりしてると忘れがちだけど、問題を解決してるのは僕らと同じような、朝起きて夜眠る人間なんだよね。
台本を読んで、登場人物たちの人間性が描かれているところが気に入ったんだ。彼らが特別な能力を持ちながらも、苦悩を抱えているところがドラマを面白くさせてると思った。
誰もが天才になりたいとは願っていないだろうし、誰もが天才のことを不快に思ってるわけでもない。ただ、理解されないという気持ちは誰にでも共通するものだと思うんだ。人が憧れる人たちでも、すごく孤独を感じてる。それが「SCORPION/スコーピオン」の真実の物語なんだと思う。彼らは世界を救うし、誰もが憧れるヒーローなのに、1日の終わりには孤独を感じてる。
トビーはIQが176の、行動心理のスペシャリスト。だから人が考えていることが読めるんだ。ウソや作り話、曖昧な言い方をしてもトビーには分かっちゃうし、通用しない。トビーはすごくカッコいい男ではないと思う。でも、どういう振る舞いをすればカッコいい男と思われるかは分かる。それに、周りにいる人たちとどう付き合えばいいのか、本当は分からないけど、分かってるように見せかける方法は知ってる。だから、シーズンを通してトビーは、どんなふりもせず、ありのままの自分でいるためにはどうしたらいかを探っていくんだと思う。
このドラマは、ウォルター・オブライエンという人物の体験にインスパイアされて作られているんだけど、そのウォルターが「天才って孤独なんだ」って言ってたんだ。実際、本物のスコーピオンで働いてる天才たちも、一般社会の中でどう順応していいのか分からず、大変な人生を送ってきた。そんな中で彼らは出会ったんだ。それが会社の原動力になってるし、彼らはお互いの存在を通して自分が安心できる場所を見つけたってことなんだと思う。
キャスティングされた役者は皆、アリもジェイディンもエリスも、最初から役をしっかりと自分のものにしてた。皆細かいところまで役作りしてるから、一緒のシーンで4人の個性がぶつかりあってどんな効果が生まれるのか、すごく楽しみだよ。
彼は物作りのプロだし、一流の腕を持ってる。だから仕事ぶりを見てるだけでワクワクするんだ。細かい部分にまできっちりこだわるし、同時にストーリーに対しても気を抜かない。本当に、彼の仕事は見てるだけで感動できる。
このキャラクターのどこかに、すごく共感できる部分があった。何ていうか、気持ちが通じたの。言葉で説明するのは難しいんだけど、とにかく直感が働いた。
チーム内の彼女の役割は、何かを製造する人。メカの天才なの。どんな物も作ることができるし、機械なら何でも直せるし、魔法の手を持ってる。
ハッピーは、ウォルターが一緒に仕事をしている2人の人間をモデルにしたキャラクターなの。1人は50才の男性だからあまり似ていないんだけど、とにかく2人をベースにしてるってことは聞いてる。
毎週違う事件がストーリーの中で起きるし、事実をベースにしている(事実にインスパイアされて作られている)ところかな。私はそこに魅力を感じた。
このドラマは、「人間だってすごいことができる」って思わせてくれる。そこに惹かれたんだ。
シルヴェスター・ドッドは統計学の天才で、強迫神経症でもある。しかも、かなり重度のね。多分、色んなことを感じすぎてしまうんだ。IQの高い人たちって、EQが低い傾向にある。EQっていうのは心の知能指数のことで、身体的接触やたわいもない会話で分かる。だからシルヴェスターのセリフも、言っていて不思議な気持ちになる。あまり言うことのないセリフだから。IQの高い人たちは、人とちゃんとつながりあうことができない。シルヴェスターの場合は、つながることは出来てもその度合いが違う。すごく賢い人が他の人と気持ちが通じ合えないのとは、また次元が違うんだ。彼は特別な才能の持ち主だからね。
シルヴェスターは理性を失うことはほとんどない。感情はあるけど、その感情をどう表現していいのかが分からないんだ。計算することに対しては喜びを感じてるし、プライドもかなりある。同時に、それが変えられてしまうことが怖い。計算をしている時は安心できるんだ。数学は確実な答えが得られるものだからね。だからこそ、シルヴェスターは数字にすごくこだわりがあるんだと思う。
チーム内での役割はやっぱり計算する事だと思う。スタイルもあまり良くないし、きっとシャワーも毎日浴びてない。洋服だって数着しか持ってないだろうし、数字以外に関してはあまり信用されていない男だ。いつも、物事が成功する確率や可能性の統計で頭が一杯なんだよ。
実は、僕のキャラクターはコンピューターをベースにしているらしい。それが分かった時は大爆笑しちゃったよ。だって、すごく納得できたからさ。
プロデューサーの1人、ロベルト・オーチーから電話があって「天才と話してみたい?」って聞かれて「いいよ」って答えたところから始まったアイディアだね。
まずはドラマを観て、視聴者が「天才って思ったよりいいことばかりじゃないんだな」って感じてもらいたいなと思った。特別な能力を持つことはクールだしワクワクするけど、時に色々大変なんだなって事をね。14億人に1人の存在になるって、孤独なことだと思うんだ。IQが197もあると、ちゃんと話ができる人は多くないのかもしれない。
「SCORPION/スコーピオン」はキャラクターあってのドラマ。主人公たちは毎週新たな事件や問題に立ち向かうけど、やっぱり登場人物に人としての魅力を感じてもらえたらいいなと思ってる。きっと彼らの関係が発展していくほどに、彼らの人間性にも興味を持ってもらえると思う。この作品はあくまでもキャラクター中心のドラマで、そこに毎週のアドベンチャーが加わってるんだ。
天才たちのキャスティングは難しかったよ。賢さを演じる必要のない役者を見つけなきゃいけなかったからね。知性って演じるのが難しいんだ。知性を無理に作ることは簡単じゃない。その点で、我々はとても幸運だった。知性のある役者を揃えることができたし、彼らの知性が画面を通してにじみでているんだからね。
ハッピーを演じているのは、素晴らしい女優であるジェイディン。それにトビーを演じるエディ・ケイ・トーマスは本当に面白い男なんだ。トビーも面白いけどね。そしてシルヴェスターを演じるアリは、無垢でもろそうな部分が演技から伝わってくる。そしてもちろんロバート・パトリックは、撮影現場に存在しているだけでかなりの戦力だ。それに彼は経験豊富ですべてを熟知してる、いわばプロ中のプロだ。そして、ウォルターとキャサリン・マクフィー演じるペイジの関係が中心に描かれていく。ただ、最初はキャサリンがキャスティングできるのか分からなかったんだ。ブロードウェイでミュージカルをやってたからね。だから彼女が空いてるって分かった時は、パフェにのってるチェリーを食べる時のように嬉しい気持ちになったよ。
キャサリン・マクフィー演じるペイジはいわば通訳のような役割を果たすキャラクターなんだ。普通の世界の事を天才たちに伝える役目。彼女には天才の子供がいて、天才の言っていることを解釈する方法や、彼らの言っていることを分かりやすく言い直したりする方法が、何となく分かってるんだ。母親だから無意識にできるんだろうね。母なる力と、母性に基づく勘はとても強いものだ。彼女は自分の能力を使って他の天才たちを助けることで、チームの一員になる。
ウォルターと一緒にいる、社会不適合の仲間たちだね。最初は僕の想像だと思ってたけど、実際にもいるよ。僕が想像したメカの達人はハッピーという名前の美しい女性だったけど、実在のハッピーは男らしい。だから外見的には彼女とは似ても似つかない人だったよ。
このドラマのキャストたちのような才能のある役者たちには、ドラマ作りに取り入れたくなる要素がたくさんある。ハッピー演じるジェイディンは、有段者で中国語を話せるんだ。そういった要素は、このドラマの中にどんどん取り入れていきたい部分。ペイジを演じるキャサリン・マクフィーは、実際には素晴らしいシンガー。だから彼女が子供を寝かしつける時に歌を聞かせてあげるシーンなんかができたら最高だよね。そんな風に、役者たちが持っている才能を使う事はとても大事だと思ってる。
「この作品の脚本を書いてみないか?」と最初に声をかけてもらった時、ジャスティン・リンが監督する事がすでに決まっていたっていうのは興味を持った大きな理由の1つではある。ジャスティンはこのプロジェクトに最初の段階から関わっていたからね。僕はジャスティンの作品のファンだったし、彼に関してはいい話しか聞いたことがなかった。だから一緒に仕事をしてみたいなと思ったんだ。
これまで一緒に仕事をしてきた監督たちのほとんどが、「1日じゃなくて半日で撮影を終わらせらせたいから、脚本を少し変更できる?」みたいなことを言うんだ。でもジャスティンは真逆。彼の場合はさらに良い作品を作るために、時間をかけることをいとわない。ジャスティンとはそういう精神的な部分でも共有できるものがあったから、自分にとって一緒に仕事をするのがとても楽しかった。
きっと、海外の視聴者も楽しんでもらえると思うよ。このドラマのアクションやアドベンチャーは、どんな言葉の壁も取り払ってくれる。それに気持ちに深く訴えるような部分もあるから、見ている人は登場人物に感情移入するようになる。登場人物たちに頑張って欲しいと思うようになる。どこか壊れてる登場人物たちにね。彼らは色んなことが出来るし、世界の意のままに操れるように見えるかもしれない。でも、やっぱりどこか変なんだ。だからどの言語だろうが、どの国だろうが、彼らを応援したくなると思う。
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