杉田智和さん(ウォルター・オブライエン役):「天才でも感情は処理しきれないんだなというのが素直な印象です。だからこそ人間味も感じられて、より登場人物が好きになっていくんだと思います」
小林沙苗さん(ペイジ・ディニーン役):「シーズン2でウォルターを男性として意識していた部分があったんですが、彼がもう一歩踏み込んでくれなかったところで新たなティムという男性が出てきてしまって、複雑だなあと思っています」
杉田さん「ティムは人間性がウォルターと対照的で、二人の意見はいつも対立するんです」
小林さん「ウォルターは頭を使って、ティムは体を使うタイプですよね。ペイジは2人の間で揺れている感じなんですけど、ウォルターは気持ちを見せてくれなかったり、反応がトンチンカンだったり(笑)。わかりにくい男性なので、わかりやすいティムのほうを選んでしまうことになるんですよね」
福田賢二さん(トビー・カーティス役):「トビーは他人の恋愛のことはわかるけど、自分の恋愛となるとダメ。一途なんですけど突っ走りすぎてうまくいかなかったり。ちょっとネタバレになるので言えないんですけど、ハッピーとの間にはいろんな障害があるんですよね。でも、とにかく言えることは、トビーはハッピーのことが大好き。それだけです(笑)」
田村聖子さん(ハッピー・クイン役):「ハッピーはお父さんとのトラウマが解消されたり、トビーのアプローチにちょっとずつ心がほぐれていって恋愛関係になったり、そんな経験を経て少しずつ表情や性格が変わってきていますね。前シーズンの最終話ではハッピーは実は結婚していたということがわかります。彼女の結婚相手が誰なのか、シーズン3の最初のほうでは私たちもわからないまま収録していました。トビーとどうなるかは……観てのお楽しみですね」
谷昌樹さん(ケイブ・ガロ役):「シーズン3にはガロがプライベートな部分を見せるエピソードが出てきます。1話ずつ台本を受け取って収録しているので、自分たちも先の展開はわからないんです。彼がどうなっていくのか、自分でも楽しみです」
原田晃さん(シルヴェスター・ドッド役):「シルヴェスター自身の恋愛に関しては前シーズンで1回終わってしまっていますよね。彼は仲間の恋愛に対してはあまり口をはさまないタイプだし、やっぱり“スーパーファンガイ”(※劇中に登場する架空のコミック)が命なんです(笑)」
杉田さん:「役者同士の演技の擦り合わせっていうのはあまりやらないですね。初期の頃、ライトバンが爆発するシーンで『バンがバンってなったぞ』って台本にないことを言ったら、谷さんが真面目に『それ、本番で言いますか?』ってものすごい圧で言われたので、余計なことを言うのはやめようって思いました」
谷さん:「えっ、そんなことあった? 全然覚えてないなぁ~(笑)」
杉田さん:「ディレクターのお誕生日をお祝いしたことですね」
小林さん:「傘寿のお祝いでしたよね」
福田さん:「今年80歳だったので」
谷さん:「アテレコ界のレジェンドというべき方なんです」
原田さん:「その方がケーキのロウソクの火をふうっと吹き消したことが人生の中で一度もなかったというお話で、今回始めてみんなでお祝いさせていただいたら、とてもはしゃいでいらっしゃったのが、かわいらしくて」
杉田さん:「誕生日をお祝いされて子供の顔に戻るってすごいなと思いました」
田村さん:「ぴょんぴょん飛んでたもんね」
杉田さん:「貴重なものを見ました。とてもよかったです」
一同:「自然と……」
小林さん:「1ヶ月くらい前から用意をして、みんなでお祝いメッセージのDVDを作って、サプライズでやりました」
田村さん:「あとラルフ役の岡純子さんが、けっこうこまめにパタパタパタパタと動いてくれるからね」
杉田さん:「ディレクターの孫みたいになってます」
福田さん:「みんなをまとめてくれて」
原田さん:「ある意味リーダーだよね」
杉田さん:「本編の内容的にもラルフの成長っていうのが、うれしくもあり、怖い部分でもあるんですよね。シーズン1から自分の中では、ラルフ・ディニーン、ラスボス説っていうのが消しきれないんですよね。この子を信用しきれないっていう…」
小林さん:「回を追うごとに活躍も増えてきましたよね」
杉田さん:「彼のひらめきでチームが救われることもあります。油断ならないと思います」
杉田さん:「憧れられているんだろうけど、それ以上に母親のことになったら、まるで自分の好きな女性が盗られるみたいな勢いで、たまに強い言葉をかけられることがあって」
原田さん:「そうですね、いっぱいしゃべってますね、大変です。(セリフが)言えなくて泣いてます(笑)」
原田さん:「そうですね、全部が全部、意味がわかるわけではないのですが、なんとなくこういうことなんだろうなと考えたり、本当に全くわからないことは多少調べるなりして、一応は理解してしゃべるようにはしてますけども、それでもやっぱり追いつかないですね」
杉田さん:「一歩間違えたらコントになりかけるところをギリギリで保っているっていうのがすごいなと思いますね。たとえ宇宙で死にそうになっても、頭がアフロになって『ああ、死ぬかと思った』って言って帰ってきても、なんか受け入れられそうになるんです」
小林さん:「天才ってやっぱりちょっとどこか……(笑)。危機的状況でもトビーがふざけたこと言ったりしますよね」
田村さん:「みんな体張ってるしねぇ」
福田さん:「最近ウォルターはアクションが増えてきましたよね」
杉田さん:「(これまでのドラマは)肉体派の人間核弾頭みたいなやつが激しいアクションをするっていうのが定番だったと思うので、そうじゃない人がなぜか同じようなアクションをするっていうのが、今までになかったんじゃないかなと思いますね」
谷さん:「ペイジのお母さん役であの世界的大女優、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のリー・トンプソンさんが出演するんですよ。それはもうすごく楽しみにしていてほしいですね」
小林さん:「ペイジが家族のことをウォルターに話して、そうこうするうちに突然母親が現れるんです」
福田さん:「強烈なキャラです」
杉田さん:「シーズン3を象徴するすごいキャラクターになりました」
谷さん:「ペイジとお母さんの会話のシーンは新鮮ですね。ペイジの新たな一面も垣間見ることができてすごく面白いです」
小林さん:「母親は詐欺師なんですよ。ラルフとの会話もあるので、そこもぜひ楽しみにしてほしいですね」
杉田さん:「天才詐欺師特有の、息を吸うように嘘を言う。それを悪いことだと思っていないんです。こちらに味方だと思わせるのがうまく、敵対心を与えないから、嘘をつかれても、こちらも怒りきれない。ギリギリ憎めないキャラにとどまっているのが凄いです」
田村さん:「そう、かわいいんですよね」
小林さん:「そうですね、だからペイジは冷静ではいられなくなるんです」
杉田さん:「恋愛問題にも食い込んできます。そういった心のスキを詐欺師が見逃すわけないんです。それに、命の危機にさらされても次のシーンでは普通に笑って出てきます」
谷さん:「リー・トンプソンさんも本当にこちらも騙されてしまうぐらいいい演技をされているんですよ。視聴者のみなさんもビックリすると思います」
小林さん:「ウォルターと結ばれたいというわけではないんですけど、彼との距離がもう少し近くなって、ラルフとの関係もいい感じになっていったらいいなと思います。ウォルターのペイジに対するかわいらしい一面がすごくキュンとするポイントなので、そういうところをもう少し見たいなと思います」
福田さん:「日本で事件が起こるエピソードはまだありませんから、いつかチーム・スコーピオンが日本にも来てくれたらいいですね」