誰もが仮面の下に、知られたくない顔を隠している――
ロサンゼルス郊外のパサディナで葬儀社を営むフィッシャー家。父ナサニエルは、ある日交通事故に遭って帰らぬ人となり、それまで父親を手伝っていた次男デイヴィッドと、シアトルで独立していた長男ネイトが共同で家業を引き継いだ。この事故をきっかけに、格別仲が良かったわけでもないが、特に問題も無かったはずのフィッシャー家の面々が、お互いに秘密にしていた事実が次々と明らかになっていく……。
監査が入り営業停止寸前となった葬儀社「フィッシャー・アンド・サンズ」だったが、エンバーマーとして雇われていたフェデリコが5万ドル投資して共同経営者となることで「フィッシャー・アンド・ディアス」としてなんとか危機を乗り越えた。
ゲイである次男デイヴィッドは恋人のキースと同棲を始めるが、いざ一緒に暮らし始めるとやや怒りっぽいキースと踏みつけになりやすいデイヴィッドはお互いの相性に疑問を感じ始める。そして、キースの父ロデリックとの親子ゲンカを仲裁しようとしたことから、今度はキースと激しくケンカすることとなり、ついにはキースの元を出て行ってしまう。キースは自分がデイヴィッドを必要としていることを改めて認識する。
長女クレアは美大に進学。そこで出会う教授や学生たちから様々な影響を受ける。そんな中、クラスメートのラッセルと意気投合し、交際を始めるが彼は実際はバイセクシャルだった。そのことを隠していたラッセルに激怒したクレアは彼に別れを告げるが、その後で自分が妊娠していることを知り、誰にも相談せずに中絶する。
19歳で結婚するまで夫ナサニエル以外の男を知らなかった母ルースは、ナサニエルが事故死したとき浮気をしていたが、彼の死後数人の男性と付き合った末、偶然に知り合った男性ジョージと電撃的に結婚し、周囲を驚かせる。
そして帰郷した日に知り合った行きずりの女性ブレンダと婚約した長男ネイトだったが、自分が死に至る可能性のある病にかかっていたこと、元恋人のリサがネイトとの間に子供を宿していたこと、さらには自分が出産予定外の子供だったことなど、思いもしなかった事実を次々と知らされる。手術に成功し病を克服したネイトはブレンダと別れリサと結婚、娘マヤの子育てに喜びを感じていたはずだったが、いつしか結婚生活に身勝手な不自由さを覚え始めた。そんな時、突如失踪したかに見えたリサが死体で発見される。