アビー・グラントはデビッドの妻であり息子ピーターの母。ごく一般的な主婦だ。ある日夫婦が休暇から戻ると謎の伝染ウイルスが世界中に蔓延していた。息子ピーターは学校主催のアドベンチャー休暇に出ている。テレビで謎のウイルスのニュースが何度も流れており、アビーは息子を案じてデビッドと共に迎えに行くことにするが、途中で自分自身の体調に異変が起こり寝込んでしまう。そして三日後、アビーが目を覚ますと、なんと夫が死体となって倒れていた!
驚いて外に出たアビーは、街中が死体であふれかえっていることに気付く。正体不明の伝染病によって、社会は壊滅状態に陥っていたのだった。幼い息子を捜すアビーは、普通ならば決して関わることのなかったような、様々な過去を背負う赤の他人と出会う。元多国籍大企業のシステム・アナリストで過去に背負った傷を隠すグレッグ、若い医師のアニャ、リッチでプレイボーイのアル、アルに拾われたイスラム教徒の少年ナジド、対外的には都会的でハンサム、だが凶悪犯罪者として投獄されていた危険なトム、そして美貌を持ちながら何事も他人任せで自らは動こうとしないサラ。
意外なことに、息子を捜すための強い意志が彼女を突き動かす原動力となり、リーダー的な資質のなかったアビーが疑心暗鬼になっている彼らを徐々にひとつにしていった。そしてアビーたち7人が住まいを定め新たな生活を始めようとしたころ、元政府高官のサマンサ・ウィリスが統率する共同社会と出会う。サマンサのリーダーシップに希望を見出したのもつかの間、社会再建のために個人の自由を極端に制限しようとするサマンサの姿勢や、かつて襲撃を受けたことのあるデクスターたちギャング集団をサマンサが仲間に引き入れていたことに危険なものを感じて、アビーたちは彼女の元を去り、独自の道を歩もうとする。
しかし、法や秩序を全ての生存者に遵守させることに血眼になっているサマンサにとっては、アビーたちも例外ではなかった。そして、逃亡の際にトムがサマンサの手下を射殺したことで、サマンサとの亀裂は決定的なものとなる。彼女の手下となったデクスターがアビーたちへの追跡の手を休めず、グレッグが銃撃を受け重傷を負ってしまう。一方、ウイルスに対するワクチンを開発中の謎の研究者たちが、ウイルスに感染したはずなのに生き残った異例の存在アビーに目をつけ、彼女を拉致してしまった。アビーたちは再び元の7人での生活を取り戻すことができるのか? そしてアビーの息子ピーターの行方は? 生き残りをかけたアビーたちの闘いは続く……。