ストーリー
1994年6月13日午前0時10 分、ロサンゼルスの高級住宅街ブレントウッドでニコール・ブラウン・シンプソンと彼女の友人、ロナルド・ゴールドマンの刺殺体が発見される。通報を受けた警察は現場検証を始めると同時に、ニコールの元夫で花形フットボール選手から俳優に転身したO・J・シンプソンに連絡するが、彼はシカゴにいた。その後の警察の調べで、シンプソンは被害者の死亡推定時刻の少し後でロサンゼルスからシカゴに飛んでいたことが判明する。元妻ニコールの死を伝えるためにシンプソンに電話した刑事は、シンプソンがニコールの死の状況を聞かなかったことを不審に思う。
それだけでなく、シンプソンの自家用車から被害者たちの血痕が検出されたこと、殺害現場の靴跡、血の付いた手袋などの証拠は、シンプソンが犯人である可能性を強く示唆していた。さらに、ニコールはシンプソンと結婚していた際、何度もDVの被害を訴えていたのだった。シンプソンの事件を担当することになった検事マーシャ・クラークは、シンプソンが虐待罪を免れたことに憮然として、「虐待の罪は免れられたかもしれないけれど殺人の罪まで免れさせるわけにはいけない」と訴追の決意を固める。シンプソンに対する証拠は固められつつあったが、強気な態度で知られる弁護士ロバート・シャピロは、言葉巧みに地区検察局を説き伏せて、シンプソン拘束を延期させてしまう。しかし、拘束は時間の問題と悟ったシンプソンは、弁護士で友人のロバート・カーダシアンらの前で銃を自分に向け、自殺をほのめかすが、その直後、友人の1 人に運転させたブロンコで自宅を飛び出して行ってしまう……。