マンハント:デッドリーゲーム

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国民的ヒーローから一転して国民の敵にされてしまったリチャード・ジュエルにまつわる全貌を描き、
アトランタ五輪爆破事件の全てを集約させた圧巻の大捜査劇10話シリーズ!

見どころ

すべてはリチャード・ジュエルが不審物を発見したことから始まった……。

1996年7月19日から8月4日まで、17日間にわたって米ジョージア州アトランタで開催されたオリンピック大会。その7日目である7月27日午前1時20分頃、センテニアル公園の屋外コンサート会場でパイプ爆弾による爆破事件が発生。死者2名、負傷者111名を出すという、オリンピック史上ミュンヘン五輪事件以来の大惨事となった。当時コンサート会場で警備に当たっていたリチャード・ジュエルは、不審な荷物の中に爆弾を発見し何百人もの命を救ったことから、勇敢な国民的ヒーローとして讃えられた。しかし、そのわずか数日後には事件解決を急ぐFBIが、決定的な証拠もないまま爆弾の第一発見者であるジュエルを容疑者として挙げた。その情報を掴んだアトランタ・ジャーナル・コンスティチューション紙(AJC)記者のキャシー・スクラッグスが、いち早く大々的に報道したことから、ジュエルはメディアから一斉に容疑者扱いされてしまい、国民的ヒーローから一転して国民の敵になってしまった。その後、リチャード・ジュエルの私生活は滅茶苦茶にされたのだった……。と、ここまではクリント・イーストウッド監督の映画「リチャード・ジュエル」で取り上げられたよく知られたストーリーだが、本シリーズでは、映画という2時間枠では描ききることのできない、事件に関連するいくつもの組織や人物にも焦点を当て、さらに大きな観点から事件全体を捉えて描写している。リチャード・ジュエルと母親による冤罪を晴らすための闘い、真犯人である爆弾魔エリック・ルドルフの潜伏中の活動やネットワーク、アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション紙の記者スクラッグスによる報道劇、政治的な圧力に晒されながら正義と真実を追求する二つの組織……。10話という十分な時間が与えられたからこそ映像化が可能になり、あらゆる角度から見た本事件を見事に交差させながら、エンターテインメント番組として昇華させることができたのだ。

作品の面白さと魅力があれば、放送・配信の場所は関係ない!

この「マンハント」シリーズは、シーズン1と2でそれぞれ別の爆弾魔をフィーチャーするというアンソロジー作品で、アメリカ本国ではシーズン1と2が異なるチャンネルで放送されている。シーズン1は、17年間に渡って郵便爆弾を送りつけた爆弾魔を追う「マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー」で、2017年8月1日に米ディスカバリーチャンネルで放送された。ドキュメンタリーやリアリティ番組に特化するチャンネルがドラマ製作に乗り出すという野心的な取り組みの一部として製作されたドラマであった。当時、多くの会社がドラマ製作に新規参入するというトレンドがあり、ディスカバリーチャンネルもそんな中の一社であった。しかし1年後にはドラマ製作から手を引くという決断を下したのだった。その結果、シーズン2はライオンズゲート主導の製作で、ケーブルテレビ事業を行なっている通信会社チャーター・コミュニケーションズがプロジェクトを引き取ったのだった。そして、チャーター・コミュニケーションズが運営するケーブルサービス「Spectrum」の看板を提げて、シーズン2は2020年2月3日に「Spectrumオリジナル番組」としてサービス利用者にVODで提供されたのだった。その後、地上波放送権を獲得したCBSネットワークが2020年9月に放送し、その3ヶ月後にはNetflixで配信されるという経緯を辿っている。業界の複雑な事情を経たシリーズとなったが、Netflixでは週間視聴トップ10番組の第1位を獲得するほどの完成度の高さを誇っている。

豪華な実力派俳優たちによるキャラクター描写に感服!

「マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー」からプロデューサーとして引き続き関わったアンドリュー・ソドロスキーは、「Spectrumオリジナルに決まって良かった事は、シーズン1の骨組をそのままSpectrumに持ち込み、さらにドラマチックに肉付けすることができたという点だ」と語っている。確かにドキュメンタリーやリアリティ番組を主軸とするディスカバリーチャンネルの生真面目なアプローチよりも、さらにドラマチックに、各キャラクターをさらに掘り下げながら製作されていることが窺える。そんな作品を支えたキャラクターを演じた俳優の中でも、キャメロン・ブリットンは筆頭に挙がる人物。Netflixオリジナルドラマシリーズ「マインドハンター」の連続猟奇殺人鬼エド・ケンパー役を見事に再現した彼が、今度は正義感溢れる真面目すぎるほどの不運な青年リチャード・ジュエルを演じている。現存するリチャード・ジュエルのインタビュー映像から彼の欠点に集中して研究することで、ジュエルが瞬間的に得た武勇伝を痛々しいものに見せることができたとコメントしている。そしてリチャード・ジュエルの母親を演じたジュディス・ライトは、2年連続でトニー賞演劇助演女優賞、そしてデイタイム・エミー賞最優秀女優賞を2度獲得するという輝かしい実績を持った実力派俳優。コメディから社会派ドラマまで幅広く演じ分け、小柄ながらも迫力溢れるパワフルな母親役を演じている。さらに『ベン・ハー』のリメイク版で主役を務めたジャック・ヒューストンが、不気味な爆弾魔を演じている。また、シリーズの中盤から徐々に中枢を支える存在となるFBI捜査官の2人を、「ゲーム・オブ・スローンズ」のゲシン・アンソニーと、「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」でプライムタイム・エミー賞にノミネートされたケリー・ジェンレットが好演している。

ストーリー

1996年のアトランタオリンピック開催中、警備員として仕事に就いていたリチャード・ジュエルは、人々でごった返すセンテニアル公園の屋外コンサート会場で不審なリュックサックを発見し、すぐに警察に通報。するとその中には巨大なパイプ爆弾が確認された。大混乱を回避するため、冷静に一帯の人々の避難誘導が行なわれた。2人の犠牲者と100人以上の負傷者は出したものの、ジュエルによる迅速な判断と緊急対応は讃えられ、大量の死者を出すことなく何百人もの命を救うことができたのだった。この行動で英雄として絶賛されたジュエルは、全国ニュースで取り上げられ時の人となった。一方、オリンピック開催中ともあり、一刻も早く爆弾犯を捕まえなければならないプレッシャーがのしかかるFBI長官のルイス・フリーは、トップ捜査官のジャック・ブレナンとステイシー・ノックスを派遣し、既に現場検証に当たっている火器・爆発物取締局のATFから事件を引き継がせる。しかし決定的な手がかりもなく、容疑者も挙げられないまま捜査は難航した。途方に暮れるブレナンの元に、ジュエルのCNNインタビューを見たという昔の雇い主からある情報がもたらされる。それはジュエルが以前、警官になりすましたために解雇されたことや、彼が過度に狂信的で危険だという情報だった。事件を速やかに解決するようワシントンから圧力をかけられていたブレナン捜査官は、この情報に飛びつく。そしてブレナンとノックスは、ジュエルの怪しい過去を洗い、リチャード・ジュエルこそがセンテニアル公園爆破事件の犯人に間違いないと結論を出すのだった。

各話あらすじ

放送時間

キャスト

リチャード・ジュエル/Richard Jewell

アトランタオリンピック開催中の野外コンサート会場で警備員として働いている最中に爆弾を発見し、多くの人命を救い国民的英雄として一躍有名となった。しかしマスコミによる誤報道のせいで数日後には一転して容疑者として扱われることになり、アメリカ社会から不当な扱いを受けた。

キャメロン・ブリットン Cameron Britton

1986年6月6日、カナダのオンタリオ州生まれ。2015年に現FreeformチャンネルのSFクライムドラマ「Stitchers(原題)」でレギュラーを獲得したのち、2017年にデヴィッド・フィンチャー監督によるNetflixオリジナルドラマシリーズ「マインドハンター」で連続殺人鬼エド・ケンパー役を仕留め、プライムタイム・エミー賞のゲスト男優賞にノミネートされ一躍有名となる。Netflixオリジナルのスーパーヒーロードラマシリーズ「アンブレラ・アカデミー」でのヘーゼル役や、映画『蜘蛛の巣を払う女』などへの出演が続き、演技派俳優としてのキャリアを確実に築きつつある。俳優になる前は、特別支援を必要とする乳幼児の先生として保育園で8年間働いていたこともある。

エリック・ルドルフ/Eric Rudolph

リチャード・ジュエルが爆弾犯として容疑者に仕立て上げられる一方、1996年から1998年にかけて米アラバマ州とジョージア州で産婦人科やレズビアンクラブなど4回の爆発騒ぎを起こした真の爆弾魔。

ジャック・ヒューストン Jack Huston

1982年12月7日、英ロンドン生まれ。イギリス人貴族の母とアメリカ人脚本家トニー・ヒューストンの間に生まれる。曽祖父はハリウッド創世記の俳優ウォルター・ヒューストン、祖父はアカデミー監督賞の受賞経歴を持つ名匠ジョン・ヒューストン、叔母は女優のアンジェリカ・ヒューストンというハリウッド映画界を代表する芸能一家の出身。6歳の頃から俳優を目指し始め、イギリスの名門寄宿校ハートウッド・ハウスの演劇コースに通う。代表的なテレビ出演作は、「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」、「パレーズ・エンド」、「FARGO/ファーゴ:カンザスシティ」、「ロマノフ家の末裔 〜それぞれの人生〜」など。2016年に注目の若手俳優として名作『ベン・ハー』のリメイク版の主役に抜擢され頭角を現す。その他映画では『アメリカン・ハッスル』、『高慢と偏見とゾンビ』、Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』、『エージェント・スミス』などの話題作に起用され活躍を続けている。最新出演映画作は、2021年4月に公開を控えた『Antebelm(原題)』。

ボビ・ジュエル/Bobi Jewell

リチャード・ジュエルの母親。生真面目な息子の気質を理解しているだけに、爆弾犯として容疑者に挙げられてしまったリチャードの無実を信じ、汚名を晴らすために息子を支え尽力する。

ジュディス・ライト Judith Light

1949年2月9日、米ニュージャージー州生まれ。1970年に初舞台を踏み、1975年にリヴ・ウルマン主演の「人形の家」のリバイバル上演でブロードウェイデビューを果たす。2012年と2013年は、2年連続でトニー賞演劇助演女優賞に輝いている。舞台だけでなくテレビでの活躍も輝かしく、1968年から2012年まで45シーズン続いた米ABCの昼メロドラ「One Life to Live」でデイタイム・エミー賞に最優秀女優賞として2度も輝いた。80年代には、最も人気のシットコム「Who's the Boss?」でお茶の間の顔に。以後、「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」シリーズでエリザベス・ドネリー検事局長、「アグリー・ベティ」では、出版社会長の妻を演じるなど、幅広い作品で実力を発揮している。近年では、Amazonプライムのオリジナルドラマ「トランスペアレント」での3人の母親シェリー役や、Netflixオリジナルドラマ「ザ・ポリティシャン」での上院議員ディディ役など、実績ある演技派俳優としてますます存在感を増している。

キャシー ・スクラッグス/Carla Gugino

FBIがリチャード・ジュエルを有力な容疑者に挙げて捜査を進めているという情報を真っ先にすっぱ抜いた報道機関アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション紙(AJC)の辣腕記者。

カーラ・グギーノ Carla Gugino

1971年8月29日、米フロリダ州生まれ。1988年米ABCのシットコム「Who's the Boss?」のゲスト出演で女優デビュー。1995年のBBCによるミニシリーズドラマ「バカニアーズ」では主演を務め、「スピン・シティ」や「シカゴ・ホープ」、「スレッシュホールド ~The Last Plan~」でのレギュラー出演など、数々の人気シリーズに出演。映画作では1989年の『ガールスカウト・ビバリーヒルズ版』を皮切りに、ニコラス・ケイジ主演の『スネーク・アイズ』、アントニオ・バンデラスの妻役として参加したヒットシリーズ作『スパイキッズ』に続き、『シン・シティ』、『ナイト ミュージアム』、『アメリカン・ギャングスター』など、次々にスター俳優との共演を果たす。スターチャンネルで放送中の最新ドラマ「JETT/ジェット」では、デイジー・“ジェット”・コワルスキーとして主演を演じながら製作総指揮としても作品に参加している。

ジャック・ブレナン/Jack Brennan

センテニアル公園で起きたパイプ爆弾事件の捜査チームリーダーに抜擢されたFBIトップエージェント。始めは現場で捜査を進めていた火器・爆発物取締局(ATF)と衝突する。

ゲシン・アンソニー Gethin Anthony

1983年10月9日、英生まれ。オックスフォード大学バリオール・カレッジで英文学を学び、ロンドン音楽芸術学院で演技を学ぶ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーとロンドンのオールド・ヴィック・シアターでの活動、オックスフォード・プレイハウスでの「シラノ・ド・ベルジュラック」のシラノ役など、舞台での経験を重ねて演技を磨く。2011年にアメリカで社会的現象にもなった大人気テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で、タイレル家の末男と同性愛関係だったレンリー・バラシオン役を演じ名声を得る。2015年の「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」では、カルト集団を率いたチャールズ・“チャーリー”・マンソン役を怪演している。

ステイシー・ノックス/Stacey Knox

ジャック・ブレナン捜査官の下に就き、ナンバー2として爆弾事件の捜査を補佐する有能なFBIエージェント。

ケリー・ジェンレット Kelly Jenrette

米ジョージア州アトランタ生まれ。2014年にスタンダップ・コメディアンとして初ステージに立つ。テレビでの活躍が多いジェンレットは、コメディシリーズ「Grandfathered」でレギュラー役を仕留めた後、「ピッチ 彼女のメジャーリーグ」、ニック・ノルティ主演の「Graves(原題)」や、ティム・ロビンス主演の「HERE AND NOW ~家族のカタチ~」など幅広い作品に参加。2018年にシーズン2の第4話でアニー役として登場した「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」では、見事プライムタイム・エミー賞にノミネートされた。出演映画作にはコメディが多いが、近年はNetflixオリジナルの『ワインは期待と現実の味』や『オールデイ・アンド・ア・ナイト: 終身刑となった僕』など、ドラマに参加することも増え多彩な演技を見せている。

作品基本情報

原題:MANHUNT: DEADLY GAMES
データ:シーズン2・2020年/アメリカ/字幕/60分/今回シーズン2全10話/HD作品
製作総指揮:アンドリュー・ソドロスキー、マイケル・ディナー、デイナ・ブルネッティ、ジョン・ゴールドウィン
出演:キャメロン・ブリットン、ゲシン・アンソニー、ジャック・ヒューストン、ジュディス・ライト