「Love Island」は、2005年にイギリスの老舗民間放送局ITVのITV Studioによって制作され、「Celebrity Love Island」としてその歴史をスタートさせてから世界中で圧倒的な人気を集めている恋愛系リアリティ番組。誕生から16年目を迎えた現在は、ヨーロッパ、東欧、アフリカ、オーストラリア、北米など、世界17カ国で現地版が制作されている。その人気は衰えることを知らず、今年はスペイン版とナイジェリア版制作のほか、アメリカでのシーズン3更新など、依然としてテリトリーを拡大させながら「Love Island」熱を世界中に蔓延させている。

昨年から今年にかけての新型コロナウイルスのパンデミックで海外渡航が禁止されていたために、シーズン2の「Love Island」の舞台は、飛行機で行くアイランド（島）ではなく、車で行かれるネバダ州ラスベガスになった。制作に携わるスタッフやクルー、そして参加する全キャストが隔離された「バブル」の中で定期検査を行い、数週間の検疫期間を経たのち撮影に挑んだ。従って今回は、ラスベガスストリップでも最も活気があると言われている、フラミンゴ通りとラスベガス通りの交差点に建つ高級ブティックホテルのザ・クロムウェルが舞台となる。このセンス溢れるホテルの中にゴージャスな空間（ヴィラ）を設置して「Love Island」シーズン2が撮影された。長期にわたるロックダウンですっかり異性との接触機会を断たれていた独身アイランダーの男女11人。無事に検疫期間を終わらせた彼らは、アイランダーだけで過ごす「Love Bubble」の中で久しぶりのリアルな出会いを楽しむことに! 全メンバーが何ヶ月も生身の異性に会っていないという異例な状況下で、どのアイランダーも初対面から興奮を隠せない様子。お目当ての相手を見極めようとするアイランダーたちの目が鋭く光る。果たして彼らはどんな大胆な行動を取るのだろうか? 1話たりとも絶対に見逃せない展開が待っている!

「Love Island」のアメリカ版を制作したITV Americaのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのデヴィッド・アイレンバーグ氏は、「Temptation Island（原題）」、「バチェラー・イン・パラダイス」、「ビッグ・ブラザー」のようなリアリティ番組が数多くある中で、どうやってこの「Love Island」を差別化させることができるのか? と質問されこう答えている。「『Love Island』は台本のない男女グループによるロマコメのようなもの。様々な背景を持った個性的な男女のキャラクターたちが、愛する相手、友情関係、冒険を求めて、セクシーなシチュエーションで出会い、いろいろな駆け引きを展開する。もちろんゲーム性や競争的な要素もあるが、それらは登場人物たちから生まれるストーリーを後押しするためのもので、あくまでも彼らが作り出すストーリーが中心にある」のだそう。制作者側も、突然訪れる急展開やサプライズに対応できるよう、柔軟性を持ちながら制作しているらしいのだ。なので、心が温まるような場面があったかと思えば、次の瞬間には急転直下の展開が訪れる、というようなドラマが見られる。そういったことも「Love Island」の大きな魅力の一つ。そして常に番組の中心に据えられているテーマが「愛」というところも、私たち視聴者を惹きつけるポイントになっている。視聴話数を重ねそれぞれの登場人物の性格まで知り尽くすようになると、彼らの一挙一動に釘付けになってしまったり、自分ごとのようにハラハラしながらアイランダーを見守ったり、応援したり、つい自分と気持ちを重ねてしまう。それも制作者側の「柔軟性」と、番組に込めた「愛」が作用してのことなのかもしれない。これぞ「Love Island」マジックだ!