「海外ドラマ スターコンベンション」記念すべき第1回目ゲストとして来日した「新スタートレック」データ役でおなじみのブレント・スパイナー氏にインタビュー。「新スタートレック」の思い出などについて語ってもらいました!
【スタコンVol.1】ブレント・スパイナー 来日インタビュー(2020年2月)
ブレント: まず半信半疑でしたね。もちろん、仕事が決まって嬉しい気持ちはありましたよ。働いてお金を稼ぐ必要がありましたからね。「仕事があってよかった。これで生活費が払えるぞ。1年でシリーズが終わって又家に帰ろう」という感じでした。ハッピーでした。
ブレント: そうですね。キャストは皆そうですが、私も段階的なオーディションにパスする必要がありました。最初のオーディションの時、制作側は、データがロボット的なのか、人間的なのかまだ決めかねていたんです。私としては人間的な役にしたいという希望がありました。準備をしてオーディションに臨んだんです。当日、当時のキャスティング・ディレクターだったジュニー・ロウリー、ちなみに素晴らしい方です、に「人間的かロボット的かどっちですか?」と尋ねると、「ロボット的な方が良いみたい」という回答でした。「だったら僕は辞退するよ」と言うと「ちょっと待って。とにかく準備して来たのをみせてちょうだい」と。そういうことで私は帰らずにオーディションの順番を待っていたのですが、ジュニーがまた出て来て今度は「あの、実は、あなたにはライカー役のオーディションを受けてもらいたいみたいなんだけど」って言い出すんです。「だったら僕は辞退するよ」と言うと「ちょっと待って。まあデータで良いから準備して来たのをみせてちょうだい」と。そんな流れでオーディションを受けまして、それから更に5回のオーディションがあったんですが、最終的にこの役をゲットすることができたんですよ。
ブレント: 辛かった思い出をお話ししましょう。というのも、基本的には楽しい思い出ばかりだからです。毎日毎日、1日中、ずっと笑いながら仕事をしていましたから。そういう仕事環境は最高でしたね。キャストは皆本当に仲が良かったですし、我々は今も"ベスト・フレンド"で、頻繁に顔を合わせていますよ。例えば、私は3日前にパトリック(スチュワート)と朝食を一緒に食べましたし、数週間前には、マイケル・ドーン(ウォーフ役)と、マリーナ・サーティス(トロイ役)とランチをしましたしね。そんな感じでしょっちゅう会ってるんですよ。そういうことがこのドラマに関われて一番嬉しいことですね、つまり、キャストがみんな友達になれて、一緒に仕事をするのも最高に素晴らしい体験でしたから。みんな親友なんですよ。
一方で、大変だったことですね・・・、2つ辛かった思い出があるんですよ。その2つともがジョナサン(フレイクス)が監督した映画での体験なんですが。まず1つめは『ファースト・コンタクト』の撮影の時です。ロケット・サイロ(格納庫)から飛び降りるシーンです。ものすごい高さから落下しなければならなかったですよ。私は高所恐怖症で、実を言うと、今こうして椅子に座っているのも怖いくらいで、本当は床に寝ていたいんです。
ジョナサンは最初はスタントマンを使って撮影をしました。でも、彼はスタントマンが高所から飛び降りてアルフレ・ウッダード(リリー・スローン役)の前に降り立った映像を見て、「だめだな。やっぱりキミ(ブレント氏のこと)がしなきゃだめだ。今のままだとデータに見えないよ。スタジオで撮影しよう」と言い出したんです。それで我々は"サウンドステージ(スタジオの種類)"に場所を移しました。ものすごく大きなスタジオで、天井もめちゃくちゃ高い場所です。天井近くの壁には回廊があって、そこにライトやカメラを設置できるようになっているんです。そこで私はハーネスを装着し、サウンドステージの天井の一番上に吊り上げられることになりました。そこから落とされたんですよ。実は、天井にぶら下がっている時、回廊には棒を持ったスタッフがいて、空中でなすすべなく回転している私の動きをその棒でつつきながら調整する必要があったんですよね(笑)とにかく恐怖の体験でした。でも、なんともないようなフリをしないといけない、だってデータですからねぇ。
まあとにかく、天井から地面に落下し、地面から数フィートのところで油圧リフトが作動して、ゆっくりと降下し、そのまま着地、シーンはとってもうまくいって周りから拍手が起こりました。でもジョナサンがやってきて「ちょっと、あんまり上手く撮影できなかった。もう一度やってくるかな」と。だから、私は同じことをもう1回やるはめになったんですよ・・・。 そして、もう1つの大変だったのは、『スタートレック 叛乱』でのある撮影です。ちなみにこれもジョナサンが監督した作品ですね。私が湖から出てくるシーン、覚えていますか?まず魚が泳いでいる湖に入って、そこから出てくるシーンです。あの湖は・・・、マンモス・レイクス(カリフォルニア州)にある湖でロケをしたんですが、とてもゆっくりと湖に入って、そしてゆっくりと出てくる演技をしなければなりませんでした。確か、気温は4度くらいだったと思います。もともとはスタントマンで撮影が行われたんですよ。でもジョナサンが「データに見えないから、キミが実際にやらないとダメだね」と言い出して。でも結局、本編を見ていただくと分かりますが、スタントマンがやった映像が使われているんです。あれは私じゃありません。でも、実際の現場では私もあのシーンをやらされたんです・・・。
まあ、ジョナサンの監督下で働くと言うのはそういうことですよ。彼ってとにかく無茶を言って、俳優を虐げるんです。
ブレント: まず、頭が同じ。身体も同じ。声もほとんど同じ。まあそれだけですね。それ以外は私はデータとは似ても似つきませんね。ローアを覚えていますか?データの邪悪な兄弟です。実際の私は、データというよりも、ローアに近いですね。
ブレント: 私が好きなテレビ番組は......。難しいですね。リアリティ番組とドラマの両方でお気に入りがあるんですが。大好きなリアリティ番組は50年代にやっていた「キャンディッド・カメラ」です。ご存知ですか?たぶん、日本でも同じようなフォーマットの番組があるはずですよ。「キャンディッド・カメラ」は、隠しカメラを設置して人々にドッキリを仕掛ける番組です。本当に面白いですよ。
あと、ドラマシリーズで大好きなのは「デッドウッド 〜銃とSEXとワイルドタウン」です。日本でも放送されました?西部劇です。絶対見た方が良いですよ、本当に面白いから。私は基本的に西部劇の大ファンなんですよ。一番好きな映画は、ジョン・ウェイン主演の『捜索者』。素晴らしい作品です。歴史に興味があって、実は未来やSFにはあんまり興味はありません。ただ、SFファンがいてくれて良かったですね、私はそれを演じることは好きなので。でも個人的にはSFはあまり見ず、ドキュメンタリーや歴史物を好みます。
ファンの皆さん、こんにちは。「スタートレック」を応援してくれて本当にどうもありがとう。 新しいシリーズ「スタートレック: ピカード」でも引き続き応援してくれると嬉しいです。 「ピカード」では数々のサプライズが用意されていますよ。何が起こるのかをあなたにお伝えします。 今からシリーズ全体のネタを明かしますね。実はピカードが・・・、いや、やめときましょう。 ご自身で見て楽しんでください。見てくれてありがとう。
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