カテゴリ: トランスプラント 戦場から来た救命医

トランスプラント 戦場から来た救命医「トランスプラント 戦場から来た救命医 シーズン2」
ハムザ・ハク(バシル・“バッシュ”・ハメッド役)
インタビュー

Transplant_interview01-1.jpg

※インタビューは2021年~2022年に行われているため、コロナ状況下の撮影について話している部分がございます。

 

 

シーズン2に戻ってきた感想を教えてください。

世界的なパンデミックで長い間撮影できなかったけど、また演じることができてとても興奮しています。戻ってくることができて、とてもうれしいです。

 

 

 

バッシュがどのようなキャラクターで、シーズン1では誰と出会いどのようにして成長していったか教えてください。

バシル・"バッシュ"・ハメッドは、カナダに来たシリア難民でシリアでは外科医でした。しかし、シーズン1の冒頭ではまだそのことが明らかになっていませんでした。彼はカナダでは医者ではなく、レストランで働いて妹のアミラを養うために生活費を稼いでいました。そのレストランで大事故に巻き込まれた際、バッシュが大勢の人たちの命を救ったことにより、ヨーク記念病院救急医療科チーフのジェッド・ビショップ博士に再度自分をアピールすることができました。なぜなら以前ビショップ博士は、バッシュを研修医の面接で不採用にしていたのです。このような状況の中でチャンスに恵まれ、バッシュはヨーク記念病院の研修医として働くことになります。

 

シーズン1では、バッシュは新天地カナダで自分の置かれた環境に適応し、そして自分が一番得意とする方法で世の中に貢献し、再び医療に携わるというストーリーになっています。しかし、カナダの医療と故郷シリアの医療方法が大きく異なるため、当然困難も伴います。コミュニケーションも違えば、手続きや治療に関するルールもカナダとシリアとでは全く異なります。しかし、彼は患者と治療を第一に考えているため、決められた病院のルールを破ることをいとわない。だから、彼は時々ちょっとしたトラブルに巻き込まれています。

 

シーズン1の終わりに、バッシュは自分の人生がやっと普通になってきたことを感じられるようになってきました。特にシリア難民として数多くの厳しい経験をした後、新しい国で全く新しいシステム、新しい環境、新しい人々に適応しようとしていました。変化し続ける環境を通して自分自身を発見していくうちに、少しずつ自信を持ち、安らぎを感じられるようになっていきます。

 

 

 

シーズン2はどのようなことが起こりますか?

シーズン1のラストで、バッシュは故郷シリアで亡くなったと思っていた女性に再会しました。そして彼女とバッシュはどのような関係なのか?という疑問を残したまま終わりました。でもシーズン2の冒頭で判明しますので楽しみにしていてください。

 

Transplant_interview01-2.jpg

 

シーズン2の撮影でこの役に戻り、他のキャストと再び一緒になった感想を教えてください。

ちょうど、撮影が半分くらい過ぎたところですが、とても良い感じです。シーズン1のような勢いを取り戻しながら、それぞれのキャラクターが成長し新たな展開を見せ始めています。そして明らかに、みんなが仲良くなりました。今年の大きなチャレンジの一つは、コロナウィルスによる規則で、マスクをしたり近接した環境の規制あったり。去年もみんなの仲はよかったですが、そういったことによって撮影現場には素晴らしい共同体意識が生まれました。そしてもう一つは、モントリオールで撮影しているということです。数か月前まで、コロナウィルスによる規制で、夜8時の門限とかいろいろありましたが、今はないですね。

 

この仕事には人間的な要素がとても重要です。特に私たちが挑んでいるこのようなドラマから人としての性質・行動・感情を取り除くと、人間関係を中心にしたストーリー伝え続け、またお互いに関わり合い、そして離れざるを得ない状況でも一体感を見出すことが本当に難しくなってしまうのです。

だからこそ、私たちにとってハードルが高くなっています。まるで「料理の鉄人」のようなものです。シーズン中、私たちはずっと隠し味を作ってきています。だから期待してください。最後に食欲をそそる料理が出来上がることを祈りましょう。

 

 

 

あなたにとって仕事の醍醐味は何ですか?

私はこの仕事が大好きで、必死にやっています。すごくね。多分自分でも嫌になるくらい。私は自我が強く、常にナルシシズムと戦っていて、そのためにいろいろと苦労もしています。しかしこの仕事は、そんな自我やナルシシズムをストーリーだったり、キャラクターだったり、私のシーンのパートナーだったり、自分自身以外に役立たせることができます。自分が苦労してきたことを全て、すばらしい物語にすることができる。だからこそ、真実味のある人間ドラマを人々に伝えることができるのです。

 

そういう時が一番楽しいし、それがこの仕事の醍醐味だと思います。

 

 

 

ロランス・ルブーフ(マガリー"マグス"・ルブラン役)も彼女が好きな瞬間は、超越のようなものだと言っていました。言っていることが似ていて、とても面白いですね。

信仰に基づくイデオロギー(思想形態)やスピリチュアリティは、それが何であれ、より大きなものに自分を委ねることだと思います。撮影現場では、ストーリーやキャラクターになりきって、自分自身として行うことができます。そういう意味で、私の信仰の延長線上にあるものです。

そのような仕事ができるのは、幸せなことですよね。そして、素敵な瞬間も共有することができる。この現場のキャストもクルーも最高で、そして世界でも有数な都市で仕事ができる。とても素晴らしいです。

 

Transplant_interview01-3.jpg

 

 

 

「トランスプラント」の世界で仕事をする上で、一番好きなことは何でしょうか?

うーん。賛否両論があるかもしれないですが、私は病院を離れた後が好きです。私の好きな日は...そうですね。病院で長い時間を現場で過ごすと、学校みたいな感じになってきます。ロケに行くと、遠足みたいな感じになど諸々ね。

 

私たちはいつどこでこの医療ドラマを提供し、そして病院内の医療行為のシーンがなぜ重要なのかも理解しています。なぜこの番組が人気なのか、その理由はよくわかりますし、それを伝えることができるのは素晴らしいことです。

 

しかし、病院から出た後は、医療従事者たちが家でどのように過ごしているのかを実際に見ることができます。とても興味深いです。というのも、私自身、医療が盛んな文化圏の出身だからです。医療行為は、とても素晴らしいことです。命を救っているのですから。でも、病院を離れれば、ただの人です。完璧ではない。私たちは医療従事者のことを、スーパーヒーローのように見ています。ヒーローかもしれないけれど、彼らも私たちと同じように欠点があったり、悩んだりしている。それを探求するのは、とても楽しいことです。

 

 

 

シーズン2での見どころはなんですか?

いよいよ始まります。世界中でコロナパンデミックの大流行があり、私たちはみな仕事に戻るのを待ち望んでいました。だから、また再びこのドラマで仕事ができることに皆で感謝していました。そして今、視聴者の方々だけでなく、私たち出演者もこの先、どうなっていくのかとてもわくわくしています。

 

役者としてできることとは限られています。「あ~、この撮影部分はこういう風に使うんだ」とか、「これはいい!」とか、「あのシーンを使うの!」とか。ドラマで使われた撮影シーンで、自己批判しています。それは、役者にとって時に重要なことです。

 

しかし視聴者の方々は、バッシュ、マグス、セオ、ジューンが今後どうなっていくのか?を楽しみにしていると思います。みんなが楽しんで貰えるようなものを用意したつもりです。新しいこともあれば、昔を思い出すようなこともあります。そして、最高の形で視聴者の方々にいくつか疑問を残すことになりますが、その疑問を解消しながら進めていきたいと思います。