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海外ドラマ最新レポート Vol.205 「ブラックリスト」のブライアン・デネヒー 名優が逝く 81歳

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TV、映画、舞台で活躍した名優ブライアン・デネヒーが、4月15日、逝去した。死因は自然死、81歳だった。
 
ハリウッドを代表する実力派が逝った。名優の死は最後の出演となった「ブラックリスト」ファミリーにも大きな悲しみを与えている。
 
「安らかにお眠りください。あなたは人並み外れた才能と魅力、そして尊厳の持ち主でした。米国が生んだ偉大な俳優の一人である、あなたと最後にお仕事させていただき、これ以上の名誉はありません。デネヒー一家の皆様、ご友人に心からお悔やみを申し上げます」
 
ブライアンとテーブルをはさんで演技談義だろうか、そんな一枚の写真とともにSNSで追悼のコメントを発表したのは、メーガン・ブーンだ。
 
メーガンは、「ブラックリスト」でエリザベス・“リズ”・キーンを演じている。そのリズの母で元KGBエージェント、カタリーナ・ロストヴァの父ドミニク・“ドム”・ウィルキンソンを演じていたのがブライアンだった。
 
シーズン3以降、準レギュラーとして「ブラックリスト」ファミリーとなったブライアン。最新のシーズン7まで計9話に出演した。シーズン7のシーズンフィナーレでもある第19話にも出演が予定されており、直近までドムの存在はストーリーに欠かせないものだったのだ。
 
ブライアンの死を悼み、「ブラックリスト」の製作総指揮者ジョン・ボーケンキャンプとジョン・アイゼンドレイスは声明を発表した。
 
「彼(ブライアン)は重要な(ドム)役に深みと人間性を与えてくれました。彼の死は私達にとって耐え難いものです。番組の皆と同様、何より私達は彼のファンだったのです。彼を一生忘れることはありません」と最大限の悲しみを綴っている。
 
番組では、4月17日の通常放送の後、シーズン6第19話「ラスヴェット」を特別放送してブライアンの追悼とした。レッドやカタリーナら、さまざまな過去が明かされる同エピソードは、リズとドムの触れ合いを含め、ファンの記憶に残る傑作でもあった。
 
81歳になっても売れっ子、そして当人も仕事への情熱は衰えることがなかった。80年代の『ランボー』や『コクーン』などが映画の代表作だが、「ブラックリスト」などTVシリーズへの出演の他、舞台でも数多くの名演を残した。
 
ニューヨーク、シカゴ、ロンドンなど舞台演劇の聖地で、「桜の園」「氷人来たる」など有名戯曲に次々出演。代表作「セールスマンの死」ではトニー賞やローレンス・オリヴィエ賞を受賞する栄誉にも預かっている。
 
俳優として輝ける経歴を残して逝ったブライアン。仲間や家族からも敬愛を受けた。満ち足りた人生であったことは、2年前に受けた当人のインタビューから証明することができるに違いない。
 
「僕はすっかり歳を取り、ただの俳優に過ぎない存在だ。だけどそれでいいと思っている。いろいろあった人生だったよ!僕の家は豪邸じゃないし邸宅でもないけれど、居心地だけはいいのさ。たくさん子供もいて(5人)、皆学校に送り出すこともできた。今じゃ彼らも立派に独り立ちしている。僕の周りにいる人たちは、それなりに健康だしハッピーだ。いいかね君、これ以上人生に何を求めろっていうんだい?」
 
 
<「deadline.com」  4月16日>