新型コロナウイルス感染症から回復した「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」主演のジム・パーソンズが、複数の米トークショーに出演、苦しかった闘病について語っている。
ジムは、9月末に出演した「ザ・トゥナイト・ショー」で、3月、新型コロナウイルス感染症に掛かっていたことを初めて告白。夫のトッド・スピエヴァクさんも同時期に感染していたという。9月のエミー賞授賞式にもリモート参加したジムは、顔色も良く、すっかり回復した様子。感染当時について、「僕らも最初何だか分からなかった。風邪を引いたみたいに感じていたら、そのうち味覚と嗅覚をいっぺんに無くしてしまった。その時はなぜ味と匂いが分からなくなったんだろうと思っていた」と明かした。
軽い症状で済んだようだが、その数日後に出演した「レイト・ナイト・ウィズ・セス・マイヤーズ」では、もう少しつっこんだ闘病心理について語っている。「僕の場合はマイルドな症状で済んだものの、とても怖かったよ。僕とトッドには発熱があり、胸が圧迫されるような症状もあった。だけど、僕が感じた痛みの少なくとも50%は心配と恐怖から来るものだったと思う」
3月のニューヨーク、すでに新型コロナによる死者は毎日数百人に達していた。ニューヨーク在住のジムは、実際の新型コロナが引き起こす痛み以上に、恐怖心理に起因する痛みに苦しんでいたのだ。「あの頃、ニューヨークは悲惨だったものね。僕は毎夜眠りに就く前、『救急車を呼ぶなんてことが起こりませんように』と願っていたんだ」
このステイホーム期間、無精ひげを伸ばしていたという男性は少なくなかった。しかし、ジムは違っていた。「毎日ひげを剃っていたのは、僕がすっきりした顔の方が好きだから。それと、すごく病んでいるように思われるだろうけど、病院にかつぎ込まれるならその方がいいんじゃないかって。」
「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」が2019年5月に終了、その10カ月後に新型コロナを経験した。表情からして人生観さえもガラリと変わった一年だったようだ。症状が収まった後、いろいろな趣味にも挑戦したが、すぐに飽きてしまった。「僕は俳優なんだと実感した。(スタジオの中で)たくさんの人に囲まれ、他人になりすまして、インチキのキスやケンカをする方がよっぽど楽しいよ」
俳優業への愛着。ジムがコロナ禍で得た、それが最大の収穫なのだ。
<「deadline.com」 9月29日>