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海外ドラマ最新レポート Vol.383  「グッド・ファイト」のクリスティーン・バランスキー、女優を目指せたのは両親のおかげ

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グッド・ファイト」主演のクリスティーン・バランスキー。海外ドラマファンには、「グッド・ワイフ」「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」でおなじみのベテラン女優だ。TVや映画にひっぱりだこの売れっ子は、NY州の工業都市バファロー出身。そこで初めて見た舞台の印象を今も覚えている。
 
「ポーランドから来た一団の歌とダンスの巡回営業だったわ、父に連れていってもらったの」 7歳の少女に、その舞台は忘れられない記憶となった。「最後のカーテンコールで、父が突然『ブラボー』と叫んだの。父は泣いてたと思うわ。私にとって、それが父との素敵な思い出なの」 クリスティーンの祖父母はポーランドからの移民。ポーランド文化に特別な思いがあったのだろう。涙を流す父の姿に、エンターテイメントの力を初めて意識した。クリスティーンにとって、父との思い出はこれが最後。それからしばらく、父が大動脈瘤で亡くなったからだ。
 
その後、母、祖父母ら家族の愛を受けながら、4年間カソリック系の女子高に通ったことは、クリスティーンの人生に大きな影響を与えた。「思い返してみれば、それがとても良かったと思うのよ。私は、その4年間ずっと学級委員だった。もし共学だったら、恥ずかしがって、学級委員なんてできなかったんじゃないかしら」 所属していた演劇部でも中心だった。主演の座を勝ち取ること多数。その頃から誰の目も意識することなく、センターに立つことに慣れていた。
 
女優として生きる決意をしたクリスティーンは、名門ジュリアード音楽院の演劇部門への進学を希望した。しかし、当時抱えていたある癖がやっかいだった。
「その頃、私は中西部から来た女の子みたいな発音だったの。Rを強く発音する癖があったのよ。だからそれを取り除くよう、先生から厳しく言われていた。それとシューというSの音。私は前歯の間に隙間があるから。それも直さなきゃならなかった」 今では信じられないが、この癖にはずいぶん悩まされたのだとか。スピーチセラピーに通い、癖を克服。ようやくジュリアード音楽院に入学を認められた。
 
女優人生の第一歩となったジュリアード合格を最初に伝えたのは母だった。 「二人で(マンハッタンの超名門)アルゴンキン・ホテルでお祝いをしたの。マンハッタン(カクテル)を注文したわ。母と一緒にお酒を飲んだのはそれが最初で最後。すごく特別な瞬間だった」 「今も感情的になる」と半世紀も前の思い出を感傷的に語るクリスティーン。理解ある両親の記憶は、今も大ベテランを若き日々に呼び戻す。
 
 
<「cbsnews.com」   1月23日>