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ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカークとレイ・シーホーンが、先日発表された第75回エミー賞のドラマ部門主演男優賞と助演女優賞にそれぞれノミネートされた。米メディアにその喜びを語っている。
「ベター・コール・ソウル」は、上記の2賞に加え作品賞を含む、主要3賞にノミネート。さらにピーター・グールド、ゴードン・スミスが脚本賞、ラリー・ベンジャミンら3名が音響賞、スキップ・マクドナルドが撮影編集賞にそれぞれ候補入りを果たしている。今回のエミー賞は最終シーズン(シーズン6)の後半部分が対象だ。泣いても笑ってもエミー賞挑戦はラスト・チャンス。最後のノミネートの吉報に、ボブは「すごくハッピーな気分。にやけちゃうよ」と喜びを爆発させた。
ボブにとって、対象シーズンだけでなく、全6シーズン、6度目の主演男優賞ノミネート。
「『ベター・コール・ソウル』は僕のキャリア、僕の人生において何にも代えがたいほど大きな存在となった。一つのキャラクターをここまで深く掘り下げて演じることができるとはね! ソウルはとても複雑な奴だったけれど、長い間付き合って、彼の気持ちが全部汲み取れるようになったよ」
意外にも、エミー賞の常連男が「ベター・コール・ソウル」では一度も受賞していない。
「仲間と一緒に作り上げたこの素晴らしい作品が評価されたことは、とても嬉しい。一度も受賞していないじゃないかと言われるけれど、これだけノミネートされているのだから、勝てなくても素晴らしいことさ。ノミネートは、僕らにとって贈り物のようなもの、頑張ってきたことへのね」受賞か否かは授賞式当日まで分からない。けれど「ベター・コール・ソウル」を年間を通して最優秀シリーズの一つであると認められたことには間違いない。6シーズンを全力で駆け抜けたキャストとスタッフを代表して、それが何より嬉しいとボブは考えているのだ。
そして、「ベター・コール・ソウル」で最も人生を変えた一人はレイ・シーホーンだろう。前回に引き続き、2度目の助演女優賞にノミネート。今や演技派の仲間入りだ。エミー賞ノミネート発表当日(7月12日)、いつも通り起こしてくれたのは、ベッドに飛び乗ってきた飼い猫だったとか。
レイが手応えを感じていた最終シーズンの演技。シリーズ後半になって評価を上げていただけに、キム・ウェクスラー役にサヨナラを告げるのはとても寂しい。「彼女(キム・ウェクスラー)とお別れするなんてできないわ。もう二度と彼女を演じる機会がないなんて、本当につらい」とレイ。
それでもフィナーレには満足している。「ボブと私は、(製作総指揮の一人で最終話を手掛けた)ピーター・グールドに感謝しているの。素晴らしい幕引きだったって。応援してくれたファン、ストーリー、キャラクターたちを尊重したラストだと思う」
当たり役との別れを嘆いてばかりもいられない。売れっ子女優は映画『Bad Boys 4(原題)』が待機中、そして「ブレイキング・バッド」「ベター・コール・ソウル」のヴィンス・ギリガンと再タッグを組んだ新作シリーズでは、主演を務めるという。
第75回エミー賞授賞式は、9月18日にロサンゼルスでの開催予定。現在行われているハリウッドの俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが長引けば、同授賞式にも大きな影響を及ぼすと報じられている。
<「variety.com」 7月12日>