「グッド・ワイフ」、そしてスピンオフ「
グッド・ファイト」には、一度見たら忘れられないようなクセの強いキャラクターが登場する。
その代表格がアラン・カミング演じる政治コンサルタントのイーライ・ゴールド。切れ者だが、変人で時に「グッド・ワイフ」主役のアリシア・フロリック(ジュリアナ・マルグリーズ)を悩ませる。そのイーライの娘で同じく個性派のマリッサを演じているのがサラ・スティールだ。
サラは15歳の時に映画『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』でデビュー。好演が一部で話題となった。その後も学業と並行しながら「LAW & ORDER」や「ゴシップガール」にゲスト出演、俳優活動を続けていた。
サラが「グッド・ワイフ」に初めて出演したのがシーズン2。当時について、米TVでインタビューに答えている。
「最初にマリッサを演じた時、私はまだ大学生でした。自分でも驚いています」
わずか2エピソードの登場だったが、今やサラは35歳、マリッサとは長い付き合いになった。個性派マリッサとの出会いは、まだ俳優業に自信が持てなかった頃。
「演技は自分に向いてないんだって心から感じました。(『スパングリッシュ』で注目されたのは)一時的なものだったんだって」
「グッド・ワイフ」の後、大学に戻り勉強を続けた。それまでゲスト出演したTVや映画と同じように、このキャラクターに特別な思いを寄せることもなかった。
しかし、「グッド・ワイフ」のクリエーター、ロバート・キングとミシェル・キングにはサラの演技は強く心に残っていたらしい。「グッド・ワイフ」シーズン6及び7には準レギュラーとして出演。さらにスピンオフの「グッド・ファイト」ではレギュラー入りを打診された。
役に向き合う時間が増え、考えは変わった。マリッサの強さに感化されたのかもしれない。
「マリッサには尊敬しかありません。勇敢であり、タフなところが好き。自分の考えを口にすることを決して恐れないのです」
思えば「グッド・ワイフ」に初登場した際は、父親イーライのキャラクター描写を補うような存在だった。しかし今は違う。「グッド・ファイト」ではマリッサはメインキャラクターの一人であり、自らがストーリーの中心となることもある。
「脚本家たちが考え出した人物に私が肉付けをした。それがマリッサなのです。彼女のようなキャラクターは、TVでは他に見たことがありませんね」
もはや俳優業に迷いはない。マリッサのような魅力的なキャラクターを創り上げたこと、サラにはそれが演技者として一番の自負なのだ。
<「cbsnews.com」 2019年3月14日>