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NCIS: ハワイ」のアレックス・タラントが、出身地であるニュージーランドのメディアの取材に答え、自身のディスレクシア(読み書き障害)について語っている。
「いい経験ができていると思うよ」と障害について語るアレックス。
アレックスの抱えるディスレクシアとは、学習障害の一種で読み書きに難がある症状。文章を文字の途中で区切ってしまったり、理解ができなかったりするという。
勉強面でのハンデはもちろん、成人してから仕事に影響が及ぶこともある。それが脚本の台詞を理解し、記憶しなければならない俳優なら、なおさらだ。
しかし、アレックスは俳優になる夢をディスレクシアに邪魔させることはなかった。
「台詞を覚える方法をいくつも考えたのさ。相手の話を聞いて僕が答えるようなシーンだと、とても簡単に台詞が覚えられる」
たとえば、ヴァネッサ・ラシェイ演じるテナントとのやり取りのシーン。ヴァネッサとの台詞のキャッチボールは、テンポが良いためだろうか、頭に入りやすいという。
「だけど、皆で作戦会議室に集まり、行方不明の捜査官について情報を交換し合うようなシーンは難しい。台詞を頭に入れる工夫が必要になる」
覚えにくい台詞の場合は、何度も何度も紙に書き出す。時には台詞にリズムをつけて歌のようにして頭に入れることもある。
「ただし、撮影の時にはリズムを取り払わないといけないよ。そうじゃなければ、僕はシーンの中で一人だけ歌を歌ってるみたいになるからね」
ジョークのように聞こえるが、アレックスはいたって本気。自分なりに考えた工夫を積み重ねてディスレクシアを克服した。
「学習障害があるからといって、ゴールにたどりつけないとか、夢を叶えられないなんてことはないんだ。自分自身をしっかり見つめて、自分なりの工夫を考え出すことができれば大丈夫さ!」
世界で最も有名なTVシリーズの一つ「NCIS」のスピンオフ「NCIS:ハワイ」にレギュラー入りしたアレックス。「運が良かった」だけでは済ませたくないプライドもある。
「運が良かったと思われるだろうし、実際そうではあるんだけど、努力もしたからね。運をつかみ取るのは楽じゃなかったよ」
もはやディスレクシアは、アレックスにとって障害ではないのかもしれない。これからも努力を惜しまず、より高い運をつかみ取る。
<「stuff.co.nz」 2023年6月14日>