スパドラ!最新USレポート

スパドラ!最新USレポート Vol.174:米タイム誌で珍論発表?「ブラックリスト」は"現代の「刑事コロンボ」"か

February 4, 2014

 スパドラ!最新レポート Vol.174(2014/2/4

 

◆米タイム誌で珍論発表?「ブラックリスト」は“現代の「刑事コロンボ」”か

blacklist_yr1_#3(1-3)_us250_0131.jpg米タイムズ誌オンライン版が、「『ブラックリスト』は現代の『刑事コロンボ』か?」と題したコラムを掲載した。エンターテイメント評論家のグラエム・マクミラン氏が寄稿したもので、同じサスペンス系とはいえ、まったく毛色の異なる2つのドラマを比較した珍しいコラムといえそうだ。

マクミラン氏は、「ブラックリスト」について、「見始めたらやめられないドラマ」と認めた上で、その評価は少々手厳しい。まず、設定の一部が映画『羊たちの沈黙』と似ており、また主人公たちのミステリアスな過去は「LOST」のようだとも。主演のジェームズ・スペイダーを除き(準主演のメーガン・ブーンは賛否あり)、他のキャストは印象に残らないと批評している。

それでも尚、マクミラン氏が「ブラックリスト」の放送を楽しみにしているのは、このドラマが“現代の「刑事コロンボ」”であり、その理由だけで見続けるのに値するというのだ。

海外ドラマファンだけでなく、一般の視聴者にも多くのファンを抱える「刑事コロンボ」。1968年にスタートし、2003年まで不定期に計69本が製作された、伝説的なTV映画シリーズだ。ピーター・フォークが演じる、コロンボ警部はそのとぼけた個性が大当たりし、屈指の人気を誇る名キャラクターである。



blacklist_yr1_#6(1-6)_us250_0131.jpgマクミラン氏によれば、「ブラックリスト」には「刑事コロンボ」ほどの遊び心はないものの、“現代の「刑事コロンボ」”となるのに不可欠な要素が揃っているという。まずはピーター・フォークに匹敵する、ジェームズ・スペイダーの存在。現実離れしたキャラクターを楽しそうに意気揚々と演じるジェームズは、ピーター同様、一気に視聴者を引き入むことのできる特異な才能を持つ俳優だ。さらに印象の強い悪役の存在も、「刑事コロンボ」に共通しているという。「刑事コロンボ」では、犯人は常に金持ちや社会的に成功した人々。自分が犯した殺人からなんとか逃れようとする彼らを、庶民の代表のようなコロンボ警部が追いつめるのである。一方の「ブラックリスト」は、悪役は単に悪事を働いているだけでなく、自己的な理由で人々を騙し、社会の目を欺いて暮らしている偽善者でもあるのだ。どちらのドラマも(庶民である)視聴者は、強い思い入れを持って、犯罪者たちの成敗を望んでいるというのである。

「ブラックリスト」=現代の「刑事コロンボ」説をぶち上げる、マクミラン氏の「ブラックリスト」への提案は一つだけ。それは、コロンボ警部が愚鈍な刑事を装って犯人たちを油断させたように、「ブラックリスト」でも視聴者や他のキャラクターをもっと騙すような展開にしてみてはどうか、ということだ。

今シーズンの新ドラマで突出した人気を誇る「ブラックリスト」。数ある賛辞の中でも、“現代の「刑事コロンボ」”なる称号は何よりの褒め言葉と言えるのかもしれない。



<USサイト「www.time.com」 1月21日記事より>

© 2013 Sony Pictures Television Inc. and Open 4 Business Productions LLC. All Rights Reserved.