July 9, 2014
6月25日に発表された、映画テレビ音楽賞(米国作曲家作詞家出版者協会主催)で、「ブレイキング・バッド」「ブラックリスト」のテレビ音楽を作曲した、デイヴ・ポーターが最優秀TV音楽作曲家賞を受賞した。
インタビューで、ポーターは代表作となった「ブレイキング・バッド」について、「(TV音楽は)ストーリーの補足のようなものと思っている。特に『ブレイキング・バッド』は上手く構成された作品だから、音楽の占める役割は少なかったと思うし、時にはほんの一瞬しか使われなかったりもした。それでも、僕の音楽は重要な使われ方をしたと信じたいね」
「ブレイキング・バッド」では1話につき、6分もしくは8分程度の音楽しか使われていない。これは現在のドラマ音楽の傾向からすれば、かなり短いとポーターは話す。「今のテレビや映画には、少し過剰に音楽が使われすぎてるんじゃないかと思う。たとえば、5分間くらい静かなシーンがあったとする。次に思いつくのは音楽を入れて何か説明しようとしてしまうことだ。だけど(「ブレイキング・バッド」のように)優れた脚本と俳優が揃っていれば、音楽はずっと少なくていい。『ブレイキング・バッド』の全シーズンのうち、僕は一度たりとも、音楽を足せば良かったと感じたことはなかった」
「ブレイキング・バッド」に加え、ポーターは昨シーズンから、もう一つの大ヒットドラマ「ブラックリスト」を担当している。「ブラックリスト」について、「とても忙しい、とにかく時間がない」と、ポーター。1シーズンで22話製作する「ブラックリスト」と、13話の「ブレイキング・バッド」の製作ペースの違いだ。「ブラックリスト」の全米放送日は毎週月曜日だが、なんと金曜日まで撮影にかかる時もあったという。その後のポストプロダクションの間に音楽を加えてゆくため、ポーターの作業時間はかなり限られたものになったはずだ。
「ブレイキング・バッド」「ブラックリスト」と、手掛けたドラマが大ヒットしたポーター。今後もテレビや映画音楽の作曲家として目覚ましい活躍が期待できそうだ。
<USサイト 「filmmusicsociety.org」 7月3日記事より>