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スパドラ!最新USレポート Vol.379:米大手エンタメ業界誌が選ぶ「プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」に、「ブラックリスト」製作総指揮のジョン・デイヴィス

December 24, 2015

blacklist_yr3_us250_1224.jpg米大手エンタメ業界誌のザ・ハリウッド・リポーターが、今年、最も活躍した製作者を選ぶ「プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」に、「ブラックリスト」製作総指揮者(エグゼクティブ・プロデューサー)の一人、ジョン・デイヴィスを選出した。

61歳のデイヴィスは、ハリウッドで最も多作なプロデューサーの一人。手掛けた作品は100を超え、現在も、シーズン3を放送中の「ブラックリスト」に加え、2015年だけで2つの新TVシリーズ(「The Player」「Dr. Ken」)、そして映画ではアカデミー賞の有力候補と言われるジェニファー・ローレンス主演の『Joy』、ガイ・リッチ―監督の『コードネーム U.N.C.L.E.』など3作品にプロデューサーとして名を連ねている。

『プレデター』『ザ・ファーム/法律事務所』『ウォーターワールド』など映画プロデューサーとして成功を収めてきたデイヴィス、TVシリーズ製作には躊躇していたという。「(TVシリーズは)良いパイロット版を見つけるのが難しいんだ。それをTV局に放送してもらうのも難しい。そしてたとえ放送されたとしても、80%の番組は失敗するんだからね。大変なんだよ」

幸運にも最初に手掛けたTVシリーズ「ブラックリスト」が大ヒット。その成功におごることなく、今も手綱を引き締める気持ちは忘れていない。「どんなTV番組でも、本当に成功といえるのは、6、7年続いてからだと思っている。そのためには、刺激的なストーリーを次々生み出して、長続きさせないといけないんだ」。

映画のペースに慣れたデイヴィスにとっては、TVの忙しいスケジュールは頭痛の種だ。「映画なら、一つの作品を3年、4年、5年、6年かけて作るわけだけど、TVシリーズは1年で22話も作らなきゃならない。それに僕らは(TVシリーズの)パイロット版をたった3日間で編集しているんだ。とても厳しいスケジュールだった『Joy』でさえ、編集だけで4、5ヶ月もかけたのにね」

「ブラックリスト」の大ヒットで、密かにスピンオフも噂されている。しかしベテランプロデューサーは慎重だ。「まだ言える段階にない」と、明言を避けている。


<「hollywoodreporter.com」 12月18日付け記事より>