March 16, 2016
「HEROES/ヒーローズ」そして、リミテッド・シリーズ「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」のクリエーター、ティム・クリングが米エンタメサイトのインタビューに答えている。
「HEROES/ヒーローズ」ファン待望の続編が、リミテッド・シリーズ「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」となって帰ってきた。オリジナル版は当時のTVシリーズでは珍しかった、スペシャル・エフェクト(特殊効果)を多用、TVの新しい局面を切り開いた。
「オリジナル版を製作した時よりも苦労したね。脚本家のチームはロサンゼルスに待機していたけれど、かたや撮影は真冬のカナダ・トロントでスタートした。だから創造的な決定は、3000マイル(約4800キロ)離れ、3時間の時差を超えた場所で行われていたんだ。スカイプを駆使したんだけど、ミーティングを調整するのはとても大変だったよ」
そして実際に画面を作る上で、最大のチャレンジは“刀ガール”のシーンだった。「“刀ガール”の登場するビデオゲームのシーンは、モーション・キャプチャ(人物の動きをデジタルで記録する技術)を使って撮影している。複雑な技術で360度に渡って撮影できるスタジオが必要だった。そして撮影したものがコンピューターでアニメーションに変換されるというわけだ。完成させるのに何か月もかかったよ」
また“ベンガドール”のスーツも試行錯誤を繰り返し、苦難の末に誕生。映画『アイアンマン』のスーツを担当した製作チームが手掛けたという。
こうして完成した「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」は、ファンから熱い反応を持って迎えられた。完成度の高さから「長年愛される息の長い作品になるだろう」と胸を張る。
「今回はリミテッド・シリーズで製作されたことが大切だった。オリジナル版の頃を思い返してみると、あの大作を連続ドラマで作り続けるのは、僕にとって決して心地良いものではなかった。この番組は常に特別で稀な存在だと信じたかったから、1年中作り続けるのは不可能に思えたんだ。オリジナル版では(1シーズンで)26話まで放送できると言われていた。一話一話がちょっとした映画くらいのスケールで製作していたのに、そんなにたくさんのエピソード数でクオリティを保つのはとにかく無理だった」
やや愚痴っぽくオリジナル版当時を語るクリングだが、リミテッド・シリーズの成功に気を良くしたのか、「まだまだアイデアはある」と“ヒーローズ・ユニバース”を広げるのに意欲的だ。放送する米NBCと具体的な話し合いには至っていないものの、日本人を含む数々の人気者を生み出したシリーズだけに、今後の発展に期待したいものだ。
<「tvovermind.com」 2月18日付け>