August 23, 2016
「NCIS ネイビー犯罪捜査班」の主役といえば、NCIS(海軍犯罪捜査局)。海外ドラマで描かれることの多い、FBI(連邦捜査局)やCIA(中央情報局)に比べ、なじみは薄いが、NCISは米国に実在する連邦の法執行機関だ。そのリアル“NCIS”にインターンとして、ひと夏を過ごしたアーカンソー大学の学生が米サイトのインタビューに答えている。
10週間のインターン期間をリアルNCISで経験したのは、アーカンソー大学で刑事裁判を専攻する、4年生のジャスティン・ハリス君(23歳)。番組で舞台になっているのは、NCISの本部であるワシントンD.C.だが、ハリス君がインターンとして配属されたのは、ノースカロライナ州の米軍駐屯地キャンプ・ルジューンだ。
番組で描かれている通り、NCISは米の海兵隊と海軍が関連したすべての犯罪を捜査する機関。ハリス君は他の3人と共にNCIS同キャンプのインターンに選ばれた。ハリス君らは捜査官の尋問、殺害現場の捜査、死体解剖などに立ち会ったという。「殺人事件が起これば、夜中に電話を受けて、そのまま飛び出すこともあります。ただちに現場を向かわなければなりませんから」とハリス君。バーに潜入し、ドラッグや不法銃器の売買、売春行為の見張りについたこともあったという。
まさに「NCIS ネイビー犯罪捜査班」を地でゆく経験をしたハリス君だが、違ったのはオフィスの様子。番組では、アビーやマクギーが最新の機材を駆使し、犯罪の解明に挑んでいるが、「実際は少し違いましたね」(ハリス君)という。現実の捜査は、もう少し地味で泥臭いといったところだろうか。
ハリス君によれば、「NCIS ネイビー犯罪捜査班」が始まる前は、米国人でさえNCISについてほとんど知識を持っていなかったのだとか。番組が大ヒットしたおかげで、NCISは、今や米国内のみならず全世界にその存在が知れ渡っている。自身も番組の大ファンだというハリス君は、「現在、全世界に1200人のNCIS捜査員がいます。軍がイラクに派遣されれば、NCISも従軍します。NCISのような連邦機関で働くことは、世界中のどこにでも行けるということなんです」と誇らしげだ。
ハリス君は、大学卒業後、警察など法執行機関で働きたいと考えている。インターンを経験したといっても、NCISはまだまだ夢の存在。NCIS捜査員になるのは簡単ではないからだ。「NCISのような連邦捜査官になりたいのであれば、まず地元の警官になって、経験と知恵を積まなければなりません。NCISに入るためには、まずそこからです。それにNCISは7年間新人を採用しない時期もあったと聞きました。採用試験は熾烈な争いになるでしょうね」(ハリス君)
「NCIS ネイビー犯罪捜査班」でも、ギブスは元海兵隊、トニーは元殺人課の刑事という設定だ。番組同様、リアルNCISも即戦力の人材のみが選ばれる、超エリート集団なのだ。
「法執行機関で働く人々の願いは、世界を平和にすることです」と、ハリス君。リアルNCISの実践を学び、若者の崇高な精神は高まるばかりだ。
<「swtimes.com」 8月7日付け>