August 31, 2016
今年のエミー賞(第68回)では、Showtimeの人気ドラマシリーズ「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」から、 リーヴ・シュレイバーがドラマ部門の主演男優賞、ジョン・ヴォイトが同助演男優賞、ハンク・アザリアが同ゲスト男優賞、そして同監督賞にはデヴィッド・ホランダー監督がノミネート。中でもクレイジーな元FBI捜査官コクランを演じ、高い評価を受けているのがハンク・アザリアだ。
「シンプソンズ」「HUFF ~ドクターは中年症候群」から「フレンズ」まで、長いキャリアの中、多種多様な役を演じ分けてきたハンク。「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」での個性的なキャラクターも特別に役作りをしたわけではないという。
「芝居の中で、台詞の感じを変えて演じてみたことはあったけれど、特には何もしてないんだ。番組でFBIコンサルタントが雇われているから、彼らにコクランの心理状態をどう思うか、態度についてはどうかを聞いてみたことはある。そして僕はできる限り、教わったことを自分のものにしようと頑張ったわけだ。それと、TVのドラマシリーズにはダイレクトに伝わるフィードバック・システムがあると思っている。つまり脚本家が何を俳優に与えてくれるかで、自分は巧く演じられているか分かるんだ。たとえば、彼らが書いた脚本を僕ら俳優が演じるとする。時に、脚本で書かれた以上に素晴らしい演技で応えられることもあれば、それ以下になってしまうこともある。僕が期待以上に演じることができれば、脚本家は喜んでシーンを増やしてくれるだろう。(この番組で)僕は脚本家といい関係を保っていると思うんだよ」
何が求められているのかを察する、俳優としての勘。これこそが、ハンクが長くハリウッドで活躍し続ける理由なのか。そして「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」出演を決めたのも、その勘が頼りだった。
「良い作品には、優れた人たちが関わっているものだよ。考えすぎる必要はないんだ、いけると思ったら『イエス』と答えるといい。物事がどう転ぶかなんて、誰も分からないものさ。僕はポーカーをやるんだけど、ポーカーで僕らができることと言えば、いいカードが手中にあると思ったら、勝負に出るだけ。(「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」は)悪くないと思ったんだよ、良い脚本に、リーヴがいて、ジョンがいる。引き受けない理由が見当たらなかったと言う方が正しいね」
これまでエミー賞では、「シンプソンズ」の声の演技でボイスオーバー・パフォーマンス賞を4度、「モリー先生との火曜日」でミニシリーズ/TV映画部門の助演男優賞を受賞。エミー賞には縁がある。「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」の怪演で6度目の受賞なるか。第68回エミー賞授賞式は、9月18日に開催される。
<「yahoo.com」 8月26日付け>