October 4, 2016
米ではシーズン12の放送が10月13日からスタートする「スーパーナチュラル」。これまでのシーズン11までに計241話を放送しているが、毎シーズン22話を製作して、よくネタが尽きないものだとファンなら誰でも思うはず。「スーパーナチュラル」の脚本家チームやプロデューサーはどのようにネタを作り出しているのだろうか?
「(以前のエピソードの)焼き直しにならないよう、とても気を使っている」と明かすのは、製作総指揮の一人、ロバート・シンガー。番組最多のエピソードを監督し、脚本にも参加するシンガーは「僕らはこれまでも神話や伝説を何度も使ってきたけれど、同じ話を繰り返してはいけないことは分かっている。それではファンが喜んでくれないだろうし、そうなれば僕らだって楽しくないからね」と語る。前にもこんな話があったとファンに思わせない、それが「スーパーナチュラル」のロングランの秘訣でもあるのだろう。では、常にストーリーをフレッシュに保つにはどうすれば良いのか?
番組のショーランナーとして、現場の実質的な責任者である、アンドリュー・ダブはこう説明する。「ストーリーは常に2つの場所で始まるんだ。ひとつはキャラクターのいる場所。もう一つは事件が起こる場所だ。そこでキャラクターたちをどう成長させるのか? 僕ら自身も、サムとディーンが11シーズンの間、過ごしてきた世界に住んでいるような気分でいる。その世界で、サムとディーンをどこに連れてゆけば彼らの居心地が良いと感じるだけでなく、新鮮な気持ちで事件に取り組むことができるだろうと考えているんだ」
さらに「ネタ作りには、頭に栄養を与えるべきだと信じている」とダブ。脚本家チームには、たくさんの映画やTVを見たり、なんでも見聞きしてアイデアを拾ってきてほしいと願っているのだ。「たとえばホラー話には、基本的に6つのテンプレートがあると言われている。それはお化け屋敷の話だったり、町に突然現れた不気味な男の話みたいなものさ。そのテンプレートをどう料理するかが大切なんだ。他の番組からネタを拾ってくる人もいれば、本だったり、コミックだったりする人もいる。朝起きた時、頭に浮かんだ変なことをネタにするも有りだよ」(ダブ)。
そうして、ネタが浮かんだら、あとは番組が生み出したサムとディーンの世界のルールに従うのみ。「僕らはすでにルールを確立している。モンスターが出てきたら、こう対処するというルールだ。天使なら天使、悪魔なら悪魔に対するルールがあるんだ」(シンガー)
それぞれの番組に存在する、これらのルールこそが番組の個性であり、応援するファンにとっては安心する部分でもある。そして、大切なことが一つ。「どんなに話が展開しても、これは兄弟の物語であることに変わりない。サムとディーンの感情が揺さぶられるエキサイティングな物語を、僕らは描いているんだよ」(シンガー)
<「ew.com」 9月27日>