May 9, 2017
80年代に大ヒットした「冒険野郎マクガイバー」のリメイク版「MACGYVER/マクガイバー」が、米CBSで昨秋からスタートした。伝説的なキャラクター、マクガイバー役に抜擢されたルーカス・ティルが、米誌のインタビューに答えている。
秘密組織のエージェント、マクガイバーはさまざまな難局を銃に頼らず、豊富な化学の知識と機転で切り抜けるクレバーなヒーロー。マクガイバーになりきるべく、ルーカスはアクションや化学について積極的に吸収しているようだ。
「(アクションシーンは)できる限り自分で挑戦している。第7話で、明らかに僕が演じていないと分かるシーンがあるんだけど、そういうのはすごく恥ずかしいと思ってしまうんだ。特に格闘のシーンは自分で演じるようにしているよ」
そしてなんと言ってもマクガイバーといえば、独創的なモノ作りシーンがおなじみだ。その前提となる化学の知識については、ルーカスの最も身近な人物から教わっていた。
「僕の母が教えてくれた。母は化学者なんだ。先日も母が撮影スタジオにやってきて、僕に化学実験の写真を見せてくれた。火をつけたり、薬品を変色させたり、ビーカーの中で爆発を起こしたりというようなことさ」
まさかルーカスのお母さんも、俳優の息子に化学の知識が必要になるとは考えていなかったかもしれない。自分の化学の知識を誇らしげに、ルーカスに披露するお母さんの姿が想像できて微笑ましい。
ルーカスはお母さん譲りの化学のDNAと知識を生かし、「MACGYVER/マクガイバー」の撮影を楽しんでいるという。
「(マクガイバーが対面する)トラブルを解決するのは楽しいよ。だけど、時々どうやったら解決できるか分からなくなることもある。たとえ道具が揃っていて、スタッフが何をすれば良いか教えてくれていてもだよ。それに実際にやってみないと、どんなものが完成するか分からなかったりもするんだ」
トラブルを解決するシーンのドキドキハラハラを視聴者とルーカスが共有しているとは、ちょっぴり愉快。あるエピソードでは、なんとアーミーナイフとカメラ内蔵の携帯電話、そして風船ガムを使って内視鏡を作ったのだとか。「完成品は(ファンの間で)話題になるらしいんだ。実際に使えるのか、使えないのかとね。実際に使用できるものもあるんだよ」(ルーカス)
化学の知識を教えてくれるのはお母さん、そして映画出身(『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』)のルーカスに、TVドラマについて教えてくれる頼もしいベテラン共演者がいるという。ご存知「CSI:科学捜査班」のジョージ・イーズだ。
「次に何が起こるか、どう準備しておくべきか教えてくれるんだ。TVの撮影は映画とは全然違う。TVは、とにかくテンポが速くて、撮影時間は長い。ジョージは僕が誰かを必要としている時に、いつもそばにいてくれる。演技に悩んで、一人で頭を抱えているような時に、励ましてくれたり、気楽にやれと肩を叩いてくれたりするんだ。彼がいなかったら、この仕事はうまくいかなかった。これだけは間違いないよ」
子役から若手スターに成長したルーカスだが、意外にも成人した大人の男を演じるのは、これが初めて。頼もしいジョージをはじめ周囲の力を借り、ルーカスは大人への階段を急ピッチで上がっている。
<「parade.com」 1月6日付け>