July 18, 2017
俳優やアーティストら有名人にとって、自分の名前は大切なブランドだ。その“ブランド名”を勝手にドメイン登録し、転売を目的としたり、ユーザーに誤解を与えアクセス数を不当に稼ぐ行為をドメイン占拠(サイバースクワッティング)と呼ぶ。
「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」のデヴィッド・ドゥカヴニーも長年、ドメイン占拠の被害を被ってきたひとりだった。
デビッドは1993年からスタートした主演のドラマシリーズ「X‐ファイル」が大ヒット、その名前は全世界で知れ渡る人気者となった。しかしデヴィッド本人に先駆け、1996年にドメイン名“DavidDuchovny.com”を登録したのは、カナダの実業家B氏。B氏は21年に渡り、デヴィッドの承諾無しに“DavidDuchovny.com”を所有していた。
この無断登録に待ったをかけたのが、当のデヴィッド。自分のドメイン名をB氏から取り上げるために、UDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)と呼ばれる申し立てを行った。その後の審査により、デヴィッドの申し立てが認められ、 ドメイン名“DavidDuchovny.com”はB氏からデヴィッドへ移転命令が下りている。
“DavidDuchovny.com”の無断登録を21年もの間放置していたことは、デヴィッドにとって不利ではあった。しかしB氏が過去にドメイン占拠を何度も行っていたこと、同ドメインが実際に使用されていなかったこと、さらにB氏が正当性の主張を怠ったことが移転命令の決め手となった。
ITブロガーのダグ・アイゼンバーグ氏によれば、デヴィッドのケース(21年間)はドメイン占拠の紛争事例の最長記録だとか。B氏の被害にあった他の有名人セリーヌ・ディオン、ケヴィン・スペイシーらは、UDRPの発効(2000年)から間もない、2001年に申し立てを行っているという。
昨年、デヴィッドは音楽活動をPRするため“davidduchovnymusic.com”を登録したばかり。この新サイトの作成を機に、デヴィッドも自分の名前をドメインに使えないことに不自由を感じ、今回の申し立てに踏み切ったのかもしれない。
<「circleid.com」 7月13日付け>