August 25, 2017
犯罪を賭けにした究極のゲームの世界を描いた、アクションドラマ「ザ・プレイヤー 究極のゲーム」で、謎に包まれた男、ミスター・ジョンソンを演じるウェズリー・スナイプスが、無名時代に出演したPV「バッド」の秘話について明かしている。
ウェズリーが出演したPVの「バッド」とは、当時人気絶頂だったマイケル・ジャクソンの1987年のヒット曲。PVは、巨匠マーティン・スコセッシが監督、18分のショートフィルムとして製作された。その中で、ウェズリーは、エリートの寄宿舎学校から帰省した、幼なじみの青年(マイケル・ジャクソン)を手荒く歓迎するという、ギャンググループのリーダーを印象的に演じている。
駆け出しの俳優だったウェズリーは、このPV出演がスパイク・リー監督(『ドゥ・ザ・ライト・シング』)の目に留まり、スターの階段を上るきっかけとなった。
はまり役に思えるウェズリーだが、自身が米のトーク番組で明かしたところによれば、PVの撮影前に、あるスーパースターと一緒に役のオーディションを受けていたという。
そのスーパースターとは、当時マイケルと音楽界を二分する人気だったアーティスト、プリンス。
「プリンスと一緒にオーディションを受けたんだ。オレがプリンスを打ち負かしたんだぜ。マイケルは先にプリンスに会い、役を与えると伝えたんだけど、その後、オレに会ったのさ」と、ウェズリーは得意げだ。
一度はプリンスに決まりかけていた役を奪ったウェズリーは、その理由を「マイケルはオレが本当にギャングの一員だったと思ったみたいだ。オレが俳優だと知らなかったんだよ」とジョークを飛ばし、さらに「あの頃、偉大なマイケル・ジャクソンはオレたちとはかけ離れた生活をしていた」ため、本物のギャングがどんなものかを知らなかったと推測した。
「バッド」は、当初、マイケルとプリンスのデュエット曲として製作されたという事情もあり、マイケルとプリンスが共に亡くなった今、ウェズリーに役を与えた製作側の意図は永遠に分からない。「バッド」のオーディション秘話は、80年代のスーパースターたちの伝説の一つとして語り継がれることになりそうだ。
<「billboard.com」 8月10日付け>