October 11, 2017
シーズン11を迎えた「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」、今シーズンは、昨シーズンを初回の視聴者数で上回るなど好調のスタート。米で最も人気のあるシットコムは、当然ながらキャストの出演料もナンバーワンだ。オリジナルキャストでメインの5人(ジム・パーソンズ、ジョニー・ガレッキ、ケイリー・クオコ、サイモン・ヘルバーグ、クナル・ネイヤー)の出演料はなんと一話あたり90万ドル(約1億130万円)。リッチすぎる「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のお金事情を米誌が分析している。
「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」の製作スタジオは、ワーナーブラザーズ・テレビジョン、米での放送ネットワークはCBS、ケーブル局の米TBSが再放送権を獲得している。そして日本を含む世界中で放送、米国内だけでなく世界で最も人気のシットコムなのだ。
米CBSでの昨シーズンの平均視聴者数1899万人。これは特番を除くレギュラー番組では最多の数字だ。この最多視聴者数が、莫大な広告料金を引き付ける。2016年にこの番組が生み出した広告料金は、18.3億ドル(約2061億円)だという。
もちろん再放送権を持つTBSにとっても、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」の存在は大きい。30分の放送時間、そしてストーリーの流れにあまり作用されないシットコムは、放送スケジュールを編成する上でも好都合で、TBSでは平日を含む毎週複数回オンエアしている。再放送とはいえ、広告料金に期待できるのも魅力だ。
さらに絶対エースの存在は、後に続く番組にも好影響を及ぼす。「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」が引き付けた視聴者を、続いて放送される番組もそのまま引き継ぐ可能性が高いからだ。その波及効果に期待して、CBS、TBSがイチ押しの新番組を放送する際には、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のすぐ後の時間帯に組み込んでいる。
元TBSの幹部で現在はエンターテイメント業界のアドバイザーとして活躍する、デブ・ブラッドリーさんは、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」について、「世代を超えた番組だ」と評する。番組が始まった、2007年はまだオンラインでの視聴サービスが無かった時代。「TV視聴の選択があまりなかった時代の最後の生き残りの番組の一つでしょう。現代は競争相手が多すぎます。『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』のような番組をもう一度作り出すのは難しいですね」とブラッドリーさんは語っている。
「となりのサインフェルド」「フレンズ」、米で何年かに一度だけ生まれるお化けシットコム。その最後が「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」なのかもしれない。
<「forbes.com」 9月28日付け>