November 22, 2017
米海軍犯罪捜査局(NCIS)の活躍を描く、人気ドラマシリーズ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」に出演中のショーン・マーレイが、退役軍人の実父について米誌の取材に応じている。
ショーンの両親が離婚後、母親が、同番組のプロデューサー、ドナルド・P・ベリサリオと再婚したため、ベリサリオが義理の父親にあたるショーン。しかし、番組との深い縁はこれだけではなかった。実父クレイグさんは海軍の退役軍人、ショーンは生まれつき海軍とは切っても切れない関係だったのだ。
海軍兵の息子として、ショーンの強烈な記憶として残っているのが、1990年に勃発した湾岸戦争。
「父の乗務していた戦艦は中東での任期を終え、米国に帰ってくる途中だった。その時、クウェートで戦争が始まった。戦艦はそのまま中東へUターンしたんだ」
当時、ショーンはまだ12歳。久しぶりの父との再会に胸を躍らせていたショーン少年にとっては悪夢の一報だったに違いない。
「僕はTVでサダム・フセインが、『(中東の)すべての川が米兵の血で赤く染まるだろう』と話したのを今でも覚えているよ。父のことを思って、僕は激しく動揺した」
“おびえた”記憶は今も消えないが、一方、軍人の子ならではの楽しい出来事も忘れていない。
「10歳の頃、航空母艦(空母)に一週間寝泊まりしたことがあった。とっても興奮したよ!」
ハワイの基地から、父の乗務する空母に乗船、サンフランシスコ郊外の基地まで一緒に移動したことがあるのだとか。好奇心旺盛なショーン少年はそこでヤンチャな失敗もしでかした。
「あちこち探検していたらウォー・ルーム(司令本部)に入り込んでしまったんだ。そこがどこなのかサッパリ分からなかったけれど、とにかく10歳の子どもが入っちゃいけない場所だということだけは分かった」
TVや映画などでしばしば登場するウォー・ルーム。高い階級の軍人がホワイトハウスとやり取りするような場所に迷い込んだのだから、ショーン少年だけでなく周りの大人も困惑したことだろう。ほどなく、クレイグさんが到着し、ショーン少年は無事解放された。
30年にも及ぶ海軍での軍務から退役したクレイグさん。今は息子の出演する番組を見るのが楽しみだ。
「父は『NCIS ネイビー犯罪捜査班』が大好きなんだ。たとえ僕が出ていなくても、父は番組を見ていると思うけどね!」
クレイグさんのような退役軍人から熱烈な支持を受けているのも、『NCIS ネイビー犯罪捜査班』が多くの視聴者数を集めている理由の一つなのだ。
クレイグさんは、ショーン少年の、そして大人になったショーンの誇り。ショーン演じるマクギーの部屋には、小道具として、クレイグさんの写真が飾られているという。
<「people.com」 11月11日付け>