December 21, 2017
「NCIS: ニューオーリンズ」でソーニャ・パーシー捜査官を演じる、シャリータ・グラントが、米エンタメサイトのインタビューに答えている。シャリータは、高校卒業後、名門ジュリアード音楽院演劇科で学び、ブロードウェイの舞台劇『Vanya and Sonia and Masha and Spike』では、トニー賞にノミネートされた実力派だ。
「次はどの山に登ろうかしらって思ったのよ」
若くして順調すぎるキャリアを築き上げてきたシャリータ。目の前のライバルたちとの戦いでは連戦連勝、強気になるのも無理はなかった。当時24歳のシャリータは、ニューヨークでの活動に区切りをつけ、貯めておいた1万ドル(約112万円)を持って、ロサンゼルスに拠点を移した。「すぐに仕事を見つけるのだから、これで十分」と考えていたのだ。
しかし、最初の仕事を手にするのに一年かかった。
「54個だか、57個だか、それくらいの企画のオーディションを受けたのよ。回数じゃないわ、それだけの数の企画のオーディションを受けて、やっと最初の役をもらったの。だけど、それで何が変わるわけでもなかった。ちっぽけなゲスト出演だったから。その仕事の後、あれだけ頑張って役を取ったのに、ちっとも人生は変わってない。もう一度、同じことを繰り返すなんてバカげている、(女優を)辞めようかしらって思ったくらい」
女優仲間に当時の思い出を話すと、「そんなにすぐ仕事が取れるわけないじゃない」と呆れられるという。「そうなの?私って我慢が苦手だから」とシャリータは、皆の根気強さに感心している。
やがて貯金が底をついた。バイトを探さねばならなかったが、ウェイトレスは性に合わないと分かっていたから、シャリータいわく“みんなが大好きな”バーテンダーのバイトをすることにした。
「問題は、私にバーテンダーの経験が無かったことなのよ。だけど、なんとかなると思った、YouTubeで勉強したからね。それでニューヨークのレストランで働いたことにして、履歴書を送ったのよ」
シャリータの美貌と活発な性格が気に入られたのか、あっさりとビーチ近くのバーに採用。しかし、現実はYouTubeのように簡単ではなかった。
「2週間働いて、クビになったわ。ビールケグ(樽)の取り替え方も知らないって怒られた。そこの部分は(YouTubeを)すっ飛ばしてたの」
クビにはなったものの、シャリータがめげることはなかった、「へっちゃらよ、またチャレンジすればいいんだから」。オーディションを受けまくり落ちまくり、耐性がついたのかもしれない。次に採用されたのは、チェーン店のレストランバーだった。
「酷かったわね。(先輩バーテンダーが)チップを寄こさないお客さんを私に回してくるんだもの」
我慢が苦手なシャリータだが、それでもこの店で半年働いた。辞めたのは、「NCIS: ニューオーリンズ」のオーディションに受かったからだ。
「人は皆いつか死ぬの。だから今やらなきゃいつやるのって思ってる。目の前のチャンスは掴まないとね!」
一度掴んだチャンスは離さない。シャリータが、シーズン1途中から出演している「NCIS: ニューオーリンズ」は、現在、米でシーズン4を放送中だ。
<「mic.com」 10月31日付け>