これを見ずしてアメリカは語れない...。
アメリカ社会の現実をリアルに描き、
多くの後続ドラマに影響を与えた犯罪捜査ドラマの原点がここに!!
1990年9月より米NBCで放送スタートして以来、高い人気を獲得し続け、全20シーズンにわたるロングランを記録した犯罪捜査ドラマの金字塔「LAW & ORDER」。視聴率が落ちると、すぐにキャンセルとなる厳しい米TV業界において、プライム・タイムにおけるドラマの中で前人未到の長寿番組記録を誇ってきた西部劇「ガン・スモーク」とタイとなる偉業である。長らく海外ドラマファンに渇望されていた伝説のシリーズが、ついにシーズン1~20全話の完全放送となる!
「LAW & ORDER」は毎回、ニューヨーク市警の刑事による事件の捜査から始まり、容疑者の逮捕、検察による起訴、そして裁判が行われ、判決が出るまでが描かれる。つまり前半は犯罪捜査ドラマ、後半は法廷ドラマの要素を含む2部構成となっている。
実際の事件に基づく番組の主役はあくまでも物語であり、“脚本が全て”。この徹底したドキュメンタリータッチの作風で、アメリカの刑事法体系を1時間のドラマの枠内でここまでリアルに描き切ったドラマは、数あるドラマの中でも他に類を見ない。クリエイター(製作総指揮/脚本)は、本作の成功により一躍その名を米TV史に刻んだディック・ウルフ。番組開始から9年目を迎えてシリーズ史上最高の視聴率を記録したことを受けて、1999年には最初のスピンオフ「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」を制作。これが本家「LAW & ORDER」に匹敵する成功を収めると、2001年には「LAW & ORDER:クリミナル・インテント」をスタート。現在に至るまで、英国版も含めると5本のスピンオフを誕生させるという一大フランチャイズを展開している。
番組のフォーマットはそのままに、舞台となる場所などを変えてシリーズ化していくフランチャイズ方式は、TV「CSI」シリーズの成功が記憶に新しいが、ジェリー・ブラッカイマーが参考にしたというフランチャイズ方式の元祖と言えるのが、この「LAW & ORDER」シリーズなのだ。あらゆる種類の海外ドラマが日本で視聴できるようになった今だからこそ、米TV界の2000年代の犯罪捜査ドラマ・ブームのきっかけとなり、フランチャイズの元祖でもある「LAW & ORDER」の真価がよくわかる。刑事ドラマ、法廷ドラマ、そして社会派ドラマとして普遍的な魅力を持つ本作は、米TV史において重要な位置づけとなる海外ドラマファン必見のマスターピースなのだ。
「LAW & ORDER」はフィクションであることが大前提だが、部分的にはニューヨーク近辺で起こる事件を中心に、実際の事件を基にしている。例えば、シーズン1だけでも地元で子供が流れ弾に当たったといった事件から、積極的安楽死を啓蒙するケヴォーキアン医師の事件、政治家の汚職、さらにはニューヨークのマフィア組織で5大ファミリーの一つ、ガンビーノ一家とボスのジョン・ゴッディまで、米国の視聴者にとってはよく知る事件が巧みに織り込まれているのだ。また刑事や検事、裁判官などの登場人物の多くは実在する人物がモデルとなっている。こうした世の中の現実をダイレクトに映し出す、徹底したリアリズムはTV史を塗り変える画期的な作風であり、「ホミサイド/殺人捜査課」や「NYPDブルー」、「サード・ウォッチ」といった、その後の大ヒットTVシリーズにも大いに影響を与えたと言われている。
2010年に最終となるシーズン20を放送して米ドラマの最長記録に並び、50個以上のノミネート数を誇るエミー賞ではドラマ・シリーズ部門作品賞に11年連続でノミネートされるという前人未到の記録を達成。さらに、米国ではスピンオフとして「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」、「LAW & ORDER:クリミナル・インテント」、「LAW & ORDER:Trial by Jury」、「LAW & ORDER:Los Angeles( 原題)」が放送され、これまた最多のスピンオフ数も記録している。
これらのことから「LAW & ORDER」が作品の評価、人気共に群を抜いていることは一目瞭然だが、驚異的なのは放送が始まって9年目あたりから、それまで確立していた以上の人気の盛り上がりを見せたという点だ。1999年に「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」が誕生し、2000年に「CSI:科学捜査班」が始まったことを考えると、まさに本作が犯罪捜査ドラマ・ブームの先駆けとなり原動力となったことがわかるだろう。
こうした「LAW & ORDER」の普遍的な人気は驚くほどで、米国では2000年代前後からUSA NETWORKやTNTといったケーブル局で、本作のスピンンオフ・シリーズを含めて再放送が繰り返されている。現在に至るまで、「全米で「LAW & ORDER」を放送していない日はない」と言われるほどの状態が続いているのだ。1990年に始まったシリーズが起こしたこうした現象は、本作の魅力がいかに普遍的であるか、また完成度の高さからリピートして楽しめるということの証明と言える。また、事件主体の1話完結型というスタイルも、世代を超えた幅広い視聴者に受け入れられている大きな理由の一つだろう。
「LAW & ORDER」を製作するにあたり、製作総指揮のディック・ウルフが力を入れたことの1つにリアリズムがあるが、アメリカのTVドラマは、舞台がニューヨークやシカゴ、ワシントンD.C.などであっても、ロサンゼルスやその近郊で撮影されることが多い。俳優たちの多くがハリウッドを擁するロサンゼルス地区に住んでおり、撮影クルーの人材も豊富で、効率的に撮影できるスタジオの屋外セットも揃っている。そこで、ロサンゼルスのダウンタウンをマンハッタンに見せかけて撮影したり、スタジオの屋外セットがワシントンD.C.のコーヒーショップになったりもする。しかしそのような映像は、その街に詳しい視聴者には「嘘っぽい」映像に見えてしまうもの。それを避けるために、「「LAW & ORDER」はニューヨークでのロケ撮影にこだわり、さらにローカル色を出すために、実際のニューヨーク市長(元ニューヨーク市長のルーディー・ジュリアーニら)やブロンクスの下院議員などの地元の有名人にカメオ出演してもらったりしている。
ちなみに2004年には、ドラマの撮影がよく行われていたという、ニューヨークのチェルシー埠頭のPier62に通じる道の名前が、ドラマにちなんで「Law & Order Way」に変更された。
放送開始から9年目を迎えて「LAW & ORDER」がシリーズ史上最高の視聴率を記録したことを受けて、1999年には最初のスピンオフ「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」が放送開始され、これが本家「LAW & ORDER」に匹敵する成功を収めると、2001年には「LAW & ORDER:クリミナル・インテント」をスタート。「LAW & ORDER」は現在に至るまで、英国版も含めると5本のスピンオフを誕生させるという一大フランチャイズを展開している。
番組のフォーマットはそのままに、舞台となる場所などを変えてシリーズ化していくフランチャイズ方式は、TV「CSI」シリーズなどで知られているが、ジェリー・ブラッカイマーが参考にしたというフランチャイズ方式の元祖と言えるのが、この「LAW & ORDER」シリーズなのだ。
本作の制作スタッフや批評家などは、スピンオフ作品と区別するために、本家「LAW & ORDER」のことを〝母艦(The Mother Ship)?と言い換えることもあるという。
出来事が主役である「LAW & ORDER」において、登場人物の私生活やバックグラウンドはあまり描かれない。だからこそ、個々の登場人物には人間味のあるキャラクターが要求される。ミニマムな描写の中で個性を体現することはかなり高度な技だが、本作に出演するメインキャストからゲスト出演まで、その多くがニューヨークの演劇界で活躍する実力派ばかり。歴代の刑事たちを見ても、クリス・ノース(「セックス・アンド・ザ・シティ」「グッド・ワイフ」)、ベンジャミン・ブラッド(映画『デンジャラス・ビューティー』)、ジェシー・L・マーティン(「アリー・myLove」)、マイケル・インペリオリ(「ザ・ソプラノズ」)、そしてTV史に残る最高の刑事とうたわれたレニー・ブリスコーことジェリー・オーバック(番組出演中に惜しくも他界)は、まさにキング・オブ・ブロードウェイとも言うべきスーパースターだった。若手俳優においては本作で実力を証明して、その後スターになったことは上記の出演作を見れば説明するまでもないだろう。
「LAW & ORDER」のゲスト出演にはシーズン1だけでもシンシア・ニクソン(「セックス・アンド・ザ・シティ」)、ロン・リフキン(「エイリアス」「ブラザーズ&シスターズ」)、ウィリアム・H・メイシー(映画『ファーゴ』)、フィリップ・シーモア・ホフマン(映画『カポーティ』)、ジョン・スペンサー(「ザ・ホワイトハウス」)、サミュエル・L・ジャクソン(映画『スター・ウォーズ』新3部作)、フランセス・コンロイ(「シックス・フィート・アンダー」)など、今から見ると夢のような演技派が顔をそろえている。
ほかにも、アリソン・ジャニー(「ザ・ホワイトハウス」)、クレア・デインズ(映画『ロミオ&ジュリエット』)、フェリシティ・ハフマン(「デスパレートな妻たち」)、イーディ・ファルコ(「ザ・ソプラノズ」「ナース・ジャッキー」)、ジュリアナ・マルグリーズ(「ER緊急救命室」「グッド・ワイフ」)、エレン・ポンピオ(「グレイズ・アナトミー」)、ジェニファー・ガーナー(「エイリアス」)、ローレン・グラハム(「ギルモア・ガールズ」)、レイトン・ミースター(「ゴシップガール」)、ジュリア・ロバーツ(映画『プリティ・ウーマン』)、ジェイソン・リッター(「THE EVENT/イベント」)、ランス・レディック(「THE WIRE/ワイヤー」「FRINGE/フリンジ」)、キャンディス・バーゲン(「TVキャスター マーフィー・ブラウン」「ボストン・リーガル」)、マイケル・インペリオリ(「ザ・ソプラノズ」)、ジェニファー・ビールズ(「Lの世界」)、ジェフリー・ドノバン(「バーン・ノーティス」)、ジャニュアリー・ジョーンズ(「MAD MEN」)、ケイティ・サッコフ(「バトルスター・ギャラクティカ」)ら、現在では海外ドラマ・スター、映画スターとして知られる俳優たちの多くがこの「LAW & ORDER」のゲスト出演を経験している。
【エミー賞】
1992~2002年までの11年連続で最優秀作品賞ノミネート(米TVドラマ最長記録)
1992年/最優秀音響編集賞受賞
1993年/最優秀ゲスト女優賞、最優秀撮影技術賞の2部門受賞
1997年/最優秀作品賞、最優秀撮影技術賞の2部門受賞
1998年/最優秀撮影技術賞受賞
【エドガー・アラン・ポー賞】(ミステリー小説界最高峰の賞といわれる)
1993、1997、1998、1999、2000年でTVエピソード賞受賞
このほかにも多数の賞で受賞、ノミネートを獲得している。
原題 | LAW & ORDER |
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データ | 1990年~2010年/アメリカ/二カ国語&字幕/60分/全456話/HD作品 |
製作総指揮 | ディック・ウルフ |
スタッフ | マイク・ポスト(音楽) |
出演 |
サム・ウォーターストン S・エパサ・マーカーソン クリス・ノース ジェリー・オーバック ベンジャミン・ブラット スティーヴン・ヒル マイケル・モリアーティ ダン・フロレク リチャード・ブルックス ジル・ヘネシー キャリー・ローウェル ジョージ・ズンザ ポール・ソルヴィノ デニス・ファリーナ ジェシー・L・マーティン エリザベス・ローム アニー・パリッセ ミレーナ・ゴヴィッチ アラナ・デ・ラ・ガーザ ジェレミー・シスト ライナス・ローチ アンソニー・アンダーソン |
あらすじ |
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