ストーリー
1967年、ロサンゼルス。市警察に勤務する刑事サム・ホディアックは、昔の恋人グレースから「家出した16歳の娘エマを探して欲しい」と頼まれる。グレースの夫で弁護士のケン・カーンは政界進出を狙っており、うかつに警察への捜索願は出せないというのである。そのエマは、こっそり家を抜け出してボーイフレンドと出かけたパーティーでチャールズ・マンソンという不思議な男に出会っていた。日頃から両親が不仲で冷たい家庭に嫌気がさしていたエマは、マンソンとその取り巻きたちに誘われるまま、彼らが共同生活をしている場所へとついていく。
エマがマンソンという男といることをすぐにつきとめたサムだが、第二次世界大戦で従軍し、戦前の価値観を持つサムにとって、新世代のヒッピーたちのライフスタイルは理解の及ばない未知の領域であった。そこでサムは市警察の麻薬課で潜入捜査を担当しているブライアン・シェイフにエマ探しを手伝わせることにする。今風の髪型にして無精髭をたくわえ、刑事らしからぬ風情のブライアンの方が、マンソンらに接近しやすいだろうと考えたのだ。さらに、マンソンに取り入るには若い女性がいた方が得策だと考えたサムは、市警の警官シャーメイン・タリーをリクルートする。
一方ケン・カーンは娘エマが行方不明になっていてもいつも通り仕事を続けていた。そんなケンの前に突然マンソンが現れ、エマは彼のもとにいることを告げる。目の前の男を恐れるあまり、身動きすらとることができないケン。ケンは過去にマンソンの弁護士だったことがあり、その際にマンソンに弱みを握られているらしいのだ。
そんな中、サムとブライアンは、黒人が多く住む地域で白人女性が殺された事件の捜査に担ぎ出されるが、黒人住民たちの敵意の眼にさらされる。アメリカでは折しも黒人解放闘争を展開するブラックパンサー党が結成されたばかりだった……。