THE FALL 警視ステラ・ギブソンシーズン2

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イントロダクション

「X-ファイル」でエミー賞を受賞したジリアン・アンダーソン、
映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のジェイミー・ドーナン、ダブル主演!
北アイルランド・ベルファストを舞台に、連続殺人犯と事件捜査にあたる警視との熾烈な心理戦をスリリングに描く犯罪サスペンスドラマ、待望のシーズン2を日本初放送!

作品解説

イギリス国営放送局BBC2で2013年5月よりシーズン1、2014年11月よりシーズン2が放送され、最終シーズン3の制作もすでに決定している「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」。イギリス、そしてアメリカでも話題を呼んだ上質ミステリーのシーズン2を、スーパー!ドラマTVにて日本初放送する。犯人を推理する通常のクライム・ドラマとは違い、物語の冒頭から犯人が明らかにされており、犯罪者を追う刑事と、追われる側の犯人、この二人を主人公に物語は展開していく。演じるジリアン・アンダーソンが惚れ込んだという主人公ステラ・ギブソンは、几帳面で支配欲が強く、肉食系。相手が犯人でも男性でも、狙ったら必ずしとめるタイプだ。表面上はいたってクールなのだが、彼女の心はなぜかいつも落ち着かない様子。一体何が彼女を駆り立てているのか……。もう一人の主人公スペクターは、普通の家庭人という仮面をもつ殺人鬼。獲物である女性に巧みに近づき、殺害する。この二人の“ハンター”が出会ったとき、どうなるのか。それまで獲物を狩る側だった者が、追われる側になったとき、どうなるのか。物語は二人の“ハンター“の心理を同時に描いていく。事件の犯人は最初から明らかなのだが、果たして犯人は捕まるのかどうか、二人の“ハンター”がどうかかわっていくのか、とにかく手に汗を握る展開が続き、実にスリリングだ。

本作は、「X-ファイル」のジリアン・アンダーソンが主演であることに加え、批評家たちの前評判がよかったことが功を奏し、英国での初回放送ではなんと350万人が視聴。BBC2の平均視聴者数の通常の倍の視聴者が見たことになり、BBC2としては8年ぶりの快挙となった。シーズン1は全5回、シーズン2は全6話と少ないが、2シーズンともに成功をおさめ、すでにシーズン3の製作が発表されている話題作である。

注)初回放送当時の情報となります

シーズン2 見どころ

犯人探しではなく、「犯罪」そのものの心理を描く

企画・脚本、そしてシーズン2全6話を監督したアラン・キュービットは、エミー賞受賞のヘレン・ミレン主演「第一容疑者2」の脚本家。これまでにも犯罪ミステリーのジャンルで脚本を書いているが、この「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」はほかの犯罪ものとは全く異なる。典型的なミステリー作品では、捜査する側の、刑事の心理描写はよくあるが、犯罪者や被害者について、時間をかけて描かれることはほとんどない。そこにコンセプトを得たという「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」は、犯罪はどうやって行われるのか、なぜ犯罪が起こるのか、犯罪者の心理をじっくり描いていく。よって、物語の最初から、視聴者は犯人が誰か目撃する。しかし、その動機は不明なままだ。若く、ルックスのよい、一見ごく普通の男が、なぜ殺人を行うのか。彼の日常を淡々とカメラは追っていき、徐々に男の異様な部分が浮かび上がっていく。「犯人が誰か」というありきたりのミステリーではなく、犯人の動機や心理を核としたこれまでにないミステリーなのである。そして、犯人の動機とあわせて、刑事はいつ犯人に気づくのか、刑事は犯人を止められるのか……見る者は、追う側と追われる側の二人の主人公の対決をかたずをのんで見守らざるをえなくなるのだ。

刑事と殺人犯が繰り広げる熾烈な心理戦!シーズン2の見どころ

シリーズを通じて一つの事件を描いていく本作は、シーズン1の最終回でようやく、二人の主人公である刑事のギブソンと犯人スペクターが電話で初めて言葉を交わしたところで終わったが、警察はまだ犯人特定までにいたってはいない。その10日後から始まるシーズン2では、ギブソンは確実に犯人との距離を縮める。ギブソンに興味を持つスペクターもまた、まるでゲームを楽しむかのように接触をはかるのだ。追っているはずのギブソンは、いつしか追われる側になってしまうのか?追いつ追われつの二人の関係は手に汗握る展開を迎え、一瞬たりとも目が離せない。
ギブソンとスペクターが繰り広げる熾烈な心理戦に加え、シーズン2では、シーズン1以上に人間の心理がより深く描かれていく。捜査が進む中、ギブソンとスペクターは、それぞれ自分自身の悪とも向き合う事にもなる。殺人から足を洗ったスペクターは、自分の現状を受け入れながらも、いまだに暗い欲望を抱えている。しかしその欲望を、以前ほどたやすく現実にすることができない環境にあるがゆえ、そのゆがんだ欲望はスペクターの世界をどう崩壊させていくのか。一方捜査が長引けば長引くほど、犯人を見つける可能性が低くなり、刑事たちにはプレッシャーがかかる。さらに、これまで心情を吐露することのなかったギブソンであったが、感情を露わにする出来事が起こる。その彼女の心の変化は、検死官リード・スミスとの友情や、新たに捜査に参加する巡査部長アンダーソン(コリン・モーガン)との関係を通して、繊細に描かれていく。刑事と殺人犯、二人の心理戦は誰もが予想しえない大きな局面を迎える事になるのだ。

才能豊かな実力派キャストが勢ぞろい

主人公ステラ・ギブソンを演じるのは、ジリアン・アンダーソン。クリエイターが最初から思い描いていたという理想のキャスティングだったという。90年代に大ヒットした「X-ファイル」のFBI捜査官スカリー役でおなじみの世界的有名女優だ。「X-ファイル」終了後、イギリスのロンドンに拠点を移していたジリアン・アンダーソンは、舞台やテレビシリーズに出演していたが、ほとんどがコスチューム・プレイ(時代劇)で、今回が「X-ファイル」以来初めての現代劇での捜査官役となった。プロ意識が高く有能だが、何かを秘め謎めいたギブソン役にほれ込んだという、ジリアン・アンダーソンの演技も見事だ。
もう一人の主人公・スペクター役を演じるのは、ジェイミー・ドーナン。カルヴァン・クラインのモデルやキーラ・ナイトレイの元カレという印象が強く、シーズン1撮影当時の彼は俳優としてはほぼ無名といってもよかった。実は、有名俳優をキャスティングする案もあったそうだが、ジリアン・アンダーソンが、ドーナンを絶賛。「家庭的な一面と完全なアウトサイダーという2極を体現しなければならない、とても難しい役」とアンダーソンが表現するスペクター役を見事に演じ、批評家からも高く評価された。なお、本作で注目されたドーナンは話題の映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の主演にも抜擢され、スターの仲間入りを果たしている。
シーズン2より登場する新キャラクター、トム・アンダーソン役を演じるのは、”ネクスト・カンバーバッチ”との呼び声高い、注目の若手俳優コリン・モーガン。ジェイミー・ドーナンと同じく北アイルランド出身で、TV「魔術師マーリン」で主演をつとめ海外ドラマファンにはおなじみだが、舞台俳優としても評価されている実力派俳優だ。ギブソンや事件捜査に深く関わることになる重要なキャラクターをどうモーガンが演じていくのかも見逃せない。

北アイルランド・ベルファスト

物語の舞台は北アイルランドの首都ベルファスト。アイルランド共和国が独立したときにイギリス領としてとどまったアイルランド島の6県である。17世紀にイギリスがアイルランドを植民地化して以来、カトリック(アイルランド)とプロテスタント(イギリス)住民の間の争いは絶えず、1960年以降「北アイルランド問題」と言われる、宗派対立を発端とした紛争が激化。1998年まで、IRA(アイルランド共和軍)をはじめとする複数の私兵組織と地元警察、それを鎮圧するために派遣された英国陸軍が相争っていた。紛争の間は、北アイルランドはイギリス政府が直接統治しており、そういった歴史的背景から、いまだに、イギリス本土の組織から送られてくる人物への風当たりは強い。また、地元に密着した私兵組織の元幹部が政治家であることが多く、その影響力は警察までに及ぶ。そういった特異な環境の「北アイルランド」という舞台もまた、本作の魅力のひとつである。

ストーリー

北アイルランドのベルファストでアリス・モンローという女性が殺される。彼女は地元の有力者モーガン・モンローの身内だった。必死に捜査を続ける北アイルランド警察だったが、犯人の手掛かりをまったく得られないまま、いたずらに時間だけが経過していた。そこで捜査見直しのため、ロンドン警視庁からステラ・ギブソン警視が呼び寄せられる。捜査の見直しにかかったギブソンは、3ヵ月前に起きたフィオナ・ギャラガー殺害事件とモンロー事件に関連性があることに気づき、2つの事件を同一犯の犯行と考える。だが人手が足りないことや、捜査の遅延を恐れる上層部や現場責任者からは賛同が得られず、苛立ちを覚える。

殺人を犯す男、ポール・スペクターは、昼間は家族と死別した人々の話を聞く心理カウンセラーとして働き、2児の父かつ妻サリー・アンのよき夫として、表向きは普通の生活を送っていた。しかし実は連続殺人犯という隠された顔を持っていた。スペクターは入念に下調べし、弁護士サラ・ケイの家に忍び込み絞殺する。遺体に細工を施し、そしてサラの髪を切ると、彼女のネックレスを持ち去る。帰宅したスペクターはそのネックレスを幼い娘に与えるのだった。

捜査本部を立ち上げたギブソンは記者会見を開き、サラ・ケイが妊娠していたことを公表する。テレビで会見を見たスペクターはサラの妊娠を知り、完璧であると信じていた犯罪が汚されたと感じて怒りを覚える。そして次回こそ完全な犯罪にしようと決心し、早速新たな標的アニー・ブローリーの家に侵入する。しかし予期せぬ邪魔が入り、計画通りに犯行を実行できなかったスペクターは、意識をなくしたアニーを残し、現場から逃走する。

ギブソンは検死医リード・スミスの協力で、過去の恋人”ピーター”に首を絞められたというローズ・スタッグの証言を得て、プロファイリングを完成させ、犯人像を絞り込む。そんな中、妻の妊娠をきっかけにベルファストを離れる決意したスペクターは、捜査本部に電話をかけ、ギブソンに別れを告げる。自分は絶対に捕まらないと豪語し、姿を消すのだった。

10日後。被害者で唯一の生存者アニー・ブローリーは意識を取り戻したものの、聴取できるまでには回復していない。ギブソンは再びローズ・スタッグに”ピーター”に関する詳しい話を聞くことにするが、ローズは約束の時間になっても現れない……。捜査の進捗をもどかしく感じるギブソンではあったが、特別捜査本部は、不鮮明ながら逃走する犯人の姿が写った監視カメラ映像を入手するなど、犯人の行動範囲を確実に絞り込んでいた。

自分の過去を知る人物が警察に協力している事に気づいたスペクターは、ひそかにベルファストに戻る……。

各話あらすじ

放送時間

キャスト

ステラ・ギブソン/DSI Stella Gibson

北アイルランド、ベルファストで起きた殺人事件の調査に派遣されたロンドン警視庁の警視。有能な捜査官でもあり、心理や行動分析に長けているギブソンは、すぐにいくつかの未解決事件との共通点を見出し、同一犯による連続殺人事件であると確信。部外者を敵視する傾向にあるベルファストで、地元警察を率いて捜査を開始するのだが……。几帳面な性格で常に何かを考えているタイプ。唯一の趣味は水泳。仕事が最優先であり、プライベートは謎に包まれている。

ジリアン・アンダーソン Gillian Anderson

1968年8月9日、米イリノイ州シカゴ生まれ。エミー賞主演女優賞も受賞した「X-ファイル」ダナ・スカリー役で日本でもおなじみ。演劇専攻で大学博士号を取得、舞台、映画、テレビで活躍。11歳までイギリスに住んでいたこともあり、イギリス英語とアメリカ英語を流暢に使い分ける。主な出演作はTV「ハンニバル」、「CRISIS ~完全犯罪のシナリオ」、『シャドー・ダンサー』など。

ポール・スペクター/Paul Spector

夫婦共働きで幼い子供が二人というごく普通の家庭を持ち、心理カウンセラーとして働きながら、子供の面倒もみる良き父親。一見、社会のルールに適応して生活している男のようだが、人知れず殺人を繰り返している。殺人のためには、日ごろからストイックなまでに肉体の鍛錬と“獲物”の入念なリサーチを怠らない。犯行がエスカレートするにつれ、現実生活にも徐々に変化が……。アリバイ工作で子守のケイティと関係を持ったと妻に嘘の告白をし、現在は別居中。

ジェイミー・ドーナン Jamie Dornan

1982年5月1日、北アイルランド生まれ。カルヴァン・クライン、ディオール、アルマーニなどのモデルとして注目を集め、ソフィア・コッポラ監督映画『マリー・アントワネット』のフェルゼン役で映画デビュー。TVシリーズ「ワンス・アポン・ア・タイム」には保安官グレアム役で出演。本作のスペクター役で注目され、映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のクリスチャン・グレイ役に抜擢される。一児の父であり、妻は英国人女優アメリア・ワーナー。

ターニャ・リード・スミス/Professor Tanya Reed Smith

法医学者。検死官として捜査に参加。イギリス生まれだが、ベルファストで医学を学んで以来、そのまま北アイルランドで生活している。仕事と家庭を両立させている才女。ギブソンとは気が合うようで、不思議な友情が芽生える。”ピーター”という元恋人に首を絞められた、彼女の友人ローズ・スタッグの存在が事件捜査のカギを握る事に。

アーチー・パンジャビ Archie Panjabi

1972年5月31日、イギリス・ウェッジエア生まれ。米CBSにて放送中のTVシリーズ「グッド・ワイフ」でミステリアスなカリンダ役を好演、エミー賞を受賞。ほかに『ナイロビの蜂』『マイティ・ハート/愛と絆』『ベッカムに恋して』『ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情 』 などに出演。

ジム・バーンズ/ACC Jim Burns

北アイルランド警察の警視長。ギブソンの主張する連続殺人事件との見方に当初は懐疑的だったが……。ギブソンとの過去に未練あり??

ジョン・リンチ John Lynch

1961年12月26日、北アイルランド生まれ。ヘレン・ミレン共演『キャル』のタイトルロールで映画デビュー。『父の祈りを』をはじめ北アイルランドに関する作品に数多く出演。そのほかの出演作は映画『スライディング・ドア』、BBCドラマ「ブリーク・ハウス」(ジリアン・アンダーソン共演)など。

トム・アンダーソン/DS Tom Anderson

巡査部長。別の事件を担当していたが、ギブソンに誘われ捜査に参加することになる。頭の回転が速く野心的なアンダーソンは、経験豊富なギブソンの下で働くのはまたとないチャンスと思い、捜査チームに参加するのだが……。

コリン・モーガン Colin Morgan

1986年1月1日、北アイルランド生まれ。ネクスト・カンバーバッチとの呼び声も高く、英国人若手俳優の中でも特に注目されている一人。2007年、大学卒業直前にロンドン・ウエストエンドで舞台デビュー。その直後より英BBC制作「魔術師マーリン」全5シーズンに主演し、大ブレイクを果たす。テレビ、映画、舞台に多数出演、最近ではイギリスとアメリカで放映された主演シリーズ「HUMANS(未)」が話題に。