「トランスプラント 戦場から来た救命医」は、シリア内戦により難民としてカナダにやってきたシリア人医師のバシル・“バッシュ”・ハメッドが、トロントの大病院の救急医療科で研修医としてキャリアを立て直していく姿を中心に、新鮮な視点で描かれるカナダ発の医療ドラマだ。高い能力を持つ難民のバッシュは、母国で持っていた医師の資格がカナダで認められず、敢え無く生活の糧を得るためにありつけた仕事に従事している。主人公のバッシュがレストランで働いていると、トラックが店内に激突し、混乱を極めた事故現場と化してしまう。優れた外科医の腕を持つバッシュが瓦礫の下に埋もれている負傷者たちを救ったことがきっかけになり、新天地の病院で研修医として働く機会を与えられる……。
2020年2月26日にカナダのCTVで初放送され、そのわずか4ヶ月後の2020年6月には第2シーズンの更新が決定したという本作は、クライムサスペンスドラマ「ランサム ~交渉人~」で脚本家兼共同製作総指揮を務めたジョセフ・ケイがショーランナーとして率いる医療ドラマ。本作「トランスプラント 戦場から来た救命医」は、アメリカではNBCで放送され、2022年1月からはシーズン2も放送されている人気シリーズだ。シーズン1でのニールセン視聴率は、「ライブ+7日間」で平均視聴者数570万人を記録。カナダの放送では、初回放送で130万人以上の視聴者を獲得、シーズン終了時には約170万人まで上昇し、カナダのネットワークで放送されるカナダ製の番組としてはスマッシュヒット・ドラマとなった。アメリカの映画評論サイトのロッテントマト(Rotten Tomatoes)では批評家75%、視聴者84%の高評価を得ており、IMDbでも10ポイント中7.9の高ポイントを獲得している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のレビュー記事では、「今のアメリカで放送されているテレビ番組の中で最高の医療ドラマ」と評され、ハリウッド・リポーター紙でもパイロット版の第1話は「特に良い」と評価され、バッシュというキャラクターの新鮮さも歓迎されるなど、各メディアで称賛を集めた。主演のハムザ・ハクは、本作で演じたバッシュ役で2021年カナダ・スクリーン・アワードの最優秀主演男優賞に輝いたが、その3年前の2018年、CBCドラマ「THIS LIFE(原題)」でも最優秀ゲスト出演賞にノミネートされ、その演技を讃えられている。また、CTVで放送(日本ではネットフリックスで配信)されたミニシリーズ「インドでも刑事」や、2020年ベルリン国際映画祭でオープニングを飾った『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』にも出演するなど、ますます注目が集まっている演技派俳優だ。そして、テレビシリーズ「検死医マッカラム」や「リーバス警部」、「エージェント・オブ・シールド」のホールデン・ラドクリフ役でお馴染みのジョン・ハナーがバッシュの上司ビショップ医師として番組を盛り上げているのも見ごたえがある。