前シーズンの最後でセーラ・ウォード扮する元恋人のステイシー・ワーナーの夫が患う謎の病気を診断する事に成功したハウス。ステイシーはその後、院長のカディのアイデアで院内の法務担当として働くことになった。ハウスにとってみれば、未練が残る元恋人のステイシーと同じ職場で働くことになり、複雑な心境でもある……。
シーズン1を上回る好評価を得たシーズン2の「Dr. HOUSE」。シーズン2は、最終話の第24話「幻覚」で2,547万人の視聴者を獲得し、シーズン1・2を通した最高視聴者数を記録した。シーズン2の1話平均視聴者数は1,730万人、シーズン1を30%上回った結果となった。また、2005年〜2006年のシーズンにおいて、最も視聴された番組の第10位にランクインした。FOXネットワークは当初10エピソードを発注したのだが、すぐに3エピソードの追加依頼をかけた。そしてシーズン中盤に差し掛かった頃、「Dr. HOUSE」の前番組に「アメリカン・アイドル」の第4シーズンが放映されることになった。これが効果的な視聴者引き込みに繋がり、シーズン2は驚きのヒットとなったのである。今まで知られていなかった視聴者層に番組の存在を知られるようになり、視聴者数も増えていった。そこでFOXはさらに2回に分けてエピソードを追加依頼し、シーズン2は合計24エピソードの構成となったのだった。
シリーズが本格的に軌道に乗り始めたのはシーズン1の後半。その頃には主演のヒュー・ローリーは、人間嫌いで曲者の天才医師グレゴリー・ハウスを、ニュアンス豊かに繊細に演じるようになり、批評家や人々からも注目を集め始めていた。シーズン1ではシリーズの方向性が示され、登場するキャラクターたちにも焦点が当てられるようになり、各エピソードをつなぐ全体のストーリーも形成された。シーズン2では、すべての登場人物がさらに深く掘り下げられ、キャラクターたちをより深く知ることができるようになる。シーズン2の始めでは、ステイシーの存在が重要になってくる。なぜならハウスという人格のこれまで触れられていなかった領域が明らかになってくるからだ。ハウスの情けない一面や自分勝手さも浮き彫りになってくる。そして何よりも、ハウスが想像以上にロマンチックで傷つきやすいことが分かってくる。さらに、ハウスの心がかつてどのように壊れてしまったのか、そしてなぜそれが完全に癒えないのかを理解することができるようになる。チームメンバーたちが危機に直面すると客観性を失ったり、意外と口が堅いということなど、ハウスという人物に親近感が湧いてくるのが、このシーズンの面白いところだろう。
シーズン2におけるゲスト出演者は、「フアン家のアメリカ開拓記」や「ワンダヴィジョン」のランドール・パークのほか、「SEX AND THE CITY」のミランダとしてお馴染みのシンシア・ニクソン、「Glee」でエマ役を演じたジェイマ・メイズなど。また、今やサム・ハンナ役としてとして「NCIS: LA 極秘潜入捜査班」の顔でもあるLL・クール・J、「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」でエカチェリーナ役をこなしながら製作総指揮も務めるエル・ファニングもこのシーズンでゲスト出演をしているので必見だ。