ジェンセン: 僕がミカエルを演じるシーズンだね(シーズン13のラストで、ディーンはサムとジャックを助けるために大天使ミカエルの器になることに同意してしまう)。シーズン14はディーンがミカエルに体を乗っ取られた状態でシーズンは始まる。僕としてはもう少し長く演じていたかったけれど、続いたのは3エピソードほどかな。のちにまた関係してくるので、それもまた楽しい。サムたちはディーンを何とかして取り戻そうとする。ミカエルが取り付いている状態から救おうとするんだ。そして僕はミカエルとして色々活動したけれど、とても楽しかった。ジャレッドもそうだと思うけれど、サムとディーン以外のキャラクターを演じることは大歓迎。僕はジャレッドほど回数が多くないのだけれど。ディーンは過去にルシファー、ガドリエルなど多くに取り憑かれているからね。だからミカエルを演じることができたのは、とても満足しているし、俳優としてとても楽しい経験だった。ミカエルはディーンから離れては行くけれど、また舞い戻ってくることになるので、ウィンチェスター兄弟とミケエルの話はまだここで終わらない。そしてシーズンの始まりはサムと仲間たちが大変な思いをする。
ジャレット: そうだね、ジェンセンの行ったことに同意するよ。ウィンチェスター兄弟は14年間に渡って大変な思いをしてきた。そして今は15シーズン目を撮影中だから15年間だね。彼らの指標はどんなに犠牲を強いられても、いつもお互いを助け合うこと。ジェンセンが言ったように、サムはディーンが取り憑かれてしまってコントロールが効かない状態になってしまうのを初めて体験する。ファンはディーンのキャラが大好きだから、他のキャラクターに変身させることはないのだけれど、サムに関しては微妙だからきっと他のキャラクターに変えてしまうことが多いのだと思う。僕は構わないけれど(笑)。とにかくサムはどんなことをしてでもディーンを救おうとする。ディーンも嫌がっていることを知っているから。ジェンセンが言ったように、この状態はすごく長くは続かないけれど、ウィンチェスター兄弟の世界が変わってしまったことは体験できる。そしてなぜこうなってしまったのか、防ぐにはどうすれば良いのかなど、エピソードが進む中で語られていく。
ジャレット: 関係はすごく変わっていくよ。サムとジャックの関係性は、ある意味ディーンとサムのような関係になっていく。ディーンがサムの世話を焼いていた時の経験を使って、サムはジャックの世話をするようになる。ジャックは父親のルシファーを知らなくて、サムは父親のジョンと親しくなかった。その後、不思議な状況の中でお互いを知り合うことになるけれどね。サムとジャックは似ているんだ。だから、サムはジャックの中に自分を見ている。新たに人間になって、自分の居場所がわからなくなっている若者に。サムはジャックが悪い影響を受けて彼らが出会ったことがないような暴力的で危険な存在になってしまわないか、とても心配している。だからサムはできる限りのことをしようとする。サムは父親ではない。息子で、弟で、出来の悪い恋人であって、帆のない船のように迷っている男が世話を焼こうとしているから、気をつけなければいけないのだけれど。だから兄のディーンがしてくれたことや、父親のジョンにして欲しかったことを参考にするんだ。ジャックには覚えることがたくさんあるから。シーズンの始まりは(前シーズンの)数週間後の設定だからね。実際はそのようには見えないけれど。ジャックは覚えるのが早く、すごい成長を遂げる。
ジェンセン: それはディーンとはまったく真逆の反応だ。ジャックが登場した時に、ディーンは身構えた。ウィンチェスター兄弟にとって、どんな意味があるのかすごく懐疑的だったし、ジャックに関わってどうなるか不安なんだ。ディーンだけだったら、すぐにジャックを拒絶していたと思う。ディーンが意見を聞き入れるのは、サムたった一人。それでサムとジャックについて話し合った時に、ディーンはジャックにチャンスをあげることにする。でもディーンはその考えが間違っていると思っている。今言ったような3人の関係はシーズン15まで続いていく。その後、ある所に落ち着くんだ。でもディーンはジャックを受け入れることに激しく葛藤を覚える。ジャックに対しては、サムとディーンはまったく違う考えを持っているんだ。その葛藤はジャックに対してだけではなく、兄弟間の関係でも垣間見ることができる。
ジャレット: アレカルのことは大好きだ。彼のことはアレカルと呼んでいる。アレクサンダー・カルヴァートを略して。とても才能のある俳優で、大きなハートを持った、いい男。好奇心旺盛で頭が切れる。彼がキャストに加わった時、僕はすでに業界の経験が17年か18年あったけれど、彼には数年しかなかった。そして物語が現実になるのか、その反対なのか分からないけれど、アレックスが相談できる相手でいたいと思った。質問してほしいと。実際には彼は優秀で、自分がやるべきことをしっかり分かっていたけれどね。でもサムとジャックの関係は確実にジャレッドとアレックスの関係に影響を与えていると感じている。彼を笑わせて、リラックスさせたいと思った。僕と妻はシーズン4で共演して知り合ったけれど、当時彼女が「セットにいることが、何故こんなに楽しいのだろう」と言っていたのを覚えている。シーズン4の時点で僕たちはすでに仲がよかった。ジェンセンとも、スタッフともみんな親しかった。すごくうまくやっていた。だからキャストに新しく俳優が加わると、みんなフレンドリーで打ち解けやすい雰囲気はすでにあるけれど、僕はカメラの回っていないところで面白いことをして笑わせたりしてみる。それで緊張がほぐれてくれればいいなと思って。アレックスと一緒に演じることができて光栄だと思っているし、これから最後の撮影でまた彼と一緒に働くのを楽しみにしている
ジェンセン: そうだね、衣装部やコスチューム・デザイナーのキャリーと一緒に考えて、ミカエルに仕立ての良いスリーピースのスーツを着せようということになった。前回クリスチャンが演じたミカエルはもっと終末的な雰囲気で、ダスターコートを着た戦闘スタイルだった。『マトリックス』のような感じかな。僕の場合は当時ハマって観ていた番組「ピーキー・ブラインダーズ」の影響をすごく受けたスタイルだ。1920年代から30年代の男性の服装はすごくおしゃれでかっこいい。ミカエルは威厳のある存在だから、彼が登場した時にその堂々とした雰囲気を出したいと考えた。そして、どこへ行くのにもキメてるスタイルで出かけると思った。上等な素材の茶色のスーツを着て、洗練された髪型にして、とにかくディーンとは違った外見にしたかった。はっきりと区別するためにね。それ以外には口調を変えてみたり、それに伴って顔の表情が変わってきたり。あのスーツを着ると必然的に今言ったことすべてが実践できた。当時の監督たちからも良いアドバイスをもらえたし、ジャレッドからもアドバイスをもらった。でもジャレッド自身は現場にはいなくて、僕一人で撮影に臨んだ。だから僕のことをよく知っているスタッフに頼った。監督はリチャード・スパイト、ロバート・シンガー、ジョン・ショウォルター。彼らは僕が道を外れないようにガードレールを引いてくれて、正しい方向に導いてくれた。ミカエルに関しては外見も話す言葉も違うものにしたくて、そして醸し出す雰囲気も威厳がある存在にしたかった。それで成功したか分からないけれど、それは見てのお楽しみ。みんなが判断して(笑)。
ジャレット: ジェンセンは一度来日しているよね。僕はその時一緒に行けなかった。でも日本にはずっと行きたいと思っている。日本の文化や歴史に興味があって、写真やビデオ、インスタグラムで見てすごく美しい国だと思った。富士山を登山してみたいな。京都にもいってみたいし。行ったことがあるジェンセンがすごく羨ましい。絶対に行くよ。本当は2020年夏に行く予定だった。でも世界がこんなことになってしまったから...。
ジェンセン:ジャレッドの言ったことの続きになるけれど、日本の文化と伝統は本当に美しく素晴らしい。忘れられないのは、妻と東京の土産物店に行った時のこと。アメリカの友人用にお土産を買いに行った。特に高級なお店ではなくて、普通のお店にね。そこで小物を買ったら店員さんがすごく綺麗に芸術的に包装してくれて、外の包装紙と包みの方が中の小物より美しかったんだ。それってすごいことだよね(笑)。本当に良い思い出がいっぱいある。ぜひまた日本に行きたいし、機会があったらすぐにでも行くよ。
ジェンセン: 日本のみんな、大好きだよ。番組をいつも支えてくれてありがとう。日本のファンに直接会ったり、話したりするのはとてもワクワクする。もし日本に行ける機会があったら、ぜひ行ってみんなと時間を過ごしたいと思っているし、なんとか実現させたいと思っている。近いうちに会えるといいな。
ジャレット: 僕も同じだ。日本のファンのみんなアリガトウ。みんなの美しい国を訪れるのが待ちきれない。日本の人々は素晴らしい。僕は小さい時に日本のことを知ってから、ずっと行きたいと望んでいた。絶対に行くよ。背の高いヒゲ男を見かけたら、それは僕だからね。
ジェンセン: 彼は目立つと思うよ。