家賃の高いロサンゼルス、特に若者に人気のハリウッドエリアでは、若い俳優やアーティストたちが少しでも生活費を抑えようと、アパートや家をシェアして住むのは珍しくない。
英国を代表する人気俳優も例外ではなかった。「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」のジェイミー・ドーナン、そして『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインもかつてのルームメイト同士だ。
親友で同い年の2人が同居を始めたのは、英国からハリウッドへ活躍の場を広げにやってきた、2008年。
後にこの頃の思い出について、エディは、「(ジェイミーは)僕が知る限り、もっともエネルギッシュな人」と語っている。クールな大人のイメージのジェイミーからは想像もつかないが、当時20代半ばのジェイミーはまだまだ子供っぽさも持ち合わせていたのだ。
「ジェイミーと住むのは、基本的に子犬を飼ってるようなもの」とエディ。「ちょっと変わった癖もあって、夕方の5時から6時くらいの夕方になるとスーパーハイテンションになるんだ。まさに子犬そのものだったよ。庭で開脚ジャンプを始めるんだからね。遊びに来た友人から、『あいつは何をしてるんだ?』と不思議がられたものさ」
とんでもない思い出を暴露されてしまったジェイミーだが、ではジェイミーの目にエディはどう見えたのだろう?
「僕らはお互い、必死だったよ」とジェイミーが思い出すのは、オーディションを受けまくっていた、駆け出し時代のこと。2人は、ハリウッドでは同じエージェント、おのずと廻ってくるオーディションも同じものになった。
「一緒に住み始めて二日目のことだった。宅配便がやってきて、脚本を届けてくれたんだ。山のようにあったよ、25本くらいかな。エディと僕は、『どっちのだ?』って顔を見合わせてね。僕宛てだと分かったけれど、なんてことない話さ。だけどエディは違った。すぐにエージェントに電話をかけて、『なぜジェイミーだけなんだ!』って。一時間くらいして、宅配便が僕と同じ量の脚本をエディに届けにきたんだよ」
親友とはいえ、仕事の面ではライバル同士だ。脚本の量はチャンスの量。エディがムキになったのも無理はない。
ジェイミーとエディがルームメートだったのは、わずか10年前のこと。そんな2人が映画でも描けないほど順調にスーパースターへと成長した。今や笑い話のような思い出も、彼らの青春の一ページに刻まれている。
<「marieclaire.co.uk」 2月15日>