「スーパーナチュラル」の出演者、製作総指揮者が参加したイベントが、ビバリーヒルズにて開催された。「スーパーナチュラル」は、米でシーズン13を放送中。ファンから熱烈な支持を受けているロングラン・シリーズに成長した理由を彼らが分析している。
今シーズンの「スーパーナチュラル」第16話で、アニメ「スクービー・ドゥー」とのクロスオーバー・エピソード「Scoobynatural」を放送、大きな話題となった。奇想天外なエピソードにファンは大喜び。一方で新しい挑戦にはリスクが付き物だ。しかし、このリスクこそ「スーパーナチュラル」がロングラン・シリーズに成長した理由の一つなのだ。
製作総指揮者の一人、アンドリュー・ダブはその飛躍点となるエピソードについて語っている。
「『スーパーナチュラル』は、『火曜日のデ・ジャヴ』エピソード(シーズン3第11話)まで大きなリスクを取るエピソードを作っていませんでした。放送ネットワーク(CW)、製作スタジオ(ワーナーブラザーズ・テレビジョン)から信頼される必要があったのです。『火曜日のデ・ジャヴ』を作るのに2年半かかりましたよ」
「火曜日のデ・ジャヴ」は、サム(ジャレッド・パダレッキ)が同じ日を繰り返す話。映画『恋はデ・ジャブ』で使われた手法で、ユニークではあるものの、それまでの「スーパーナチュラル」とは全く毛色が違う。大胆な展開をシーズン3当時(2008年)の視聴者が受け入れるのか、何より「スーパーナチュラル」にそこまでの力があるのか、ネットワークやスタジオは二の足を踏んでいたのだ。
挑戦は成功し、「火曜日のデ・ジャヴ」はファンから傑作エピソードとして記憶されている。「スーパーナチュラル」はネットワークやスタジオ、そして視聴者からも信頼される番組となった。
「信頼は得ることができました。今は私たちの方に力があります。しかし、その力を賢く使うことができなければ意味がありません」(ダブ)
その力をフルに発揮したのが、シーズン6第15話「もう1つのスーパーナチュラル」だ。
そのエピソードを語るのは、ミシャ・コリンズ。
「『もう1つのスーパーナチュラル』で、完全に周囲の壁を打ち崩したと思う。僕らは異次元世界のキャラクターで、そこでもまた『スーパーナチュラル』を撮影しているという話さ。僕らはそんなエピソードをいくつも作っているんだ、他のどんな番組も挑戦したことがないものをね。(『スーパーナチュラル』のような)実写アクションが、アニメのコメディ番組とクロスオーバーするなんて信じられるかい?」
誰もなしえなかったことに挑戦する、ミシャはそれが誇らしい。
「僕らは常識を打ち破り、目新しいことに挑戦するのが好きなんだ。それが俳優、脚本家たちをエキサイトさせる。だから、僕らはずっとこの仕事に戻ってくるんだと思うよ」(ミシャ)
お決まりのストーリーを続けるのは、まっぴらごめん。刺激的なエピソードに挑戦するのは、番組を見てくれるファンのためであるのと同時に、出演者やスタッフが「スーパーナチュラル」を作り続ける上で大切なことなのだ。
ファンに愛される人気シリーズは、シーズン13を迎えても終わりが見えない。それでもミシャは「最後はどうなるのだろう?」と考えている。それは「スーパーナチュラル」が、「たくさんの人たちの成長と成熟を見守ってきた番組」(ミシャ)だから。誰もの人生が終わりを迎えるように、番組もいつか終わりを迎える。
ミシャが、皆で終わりについて話し合った、去年の夏の思い出を明かした。
「ジェンセンが自分が見た夢の話をしてくれた、番組のラストシーンの夢だ。僕とジャレッドは泣いてしまった。すごく素敵な夢だったから。番組はもはや僕らの人生の一部になっている。だからエンディングは大仕事になるだろうね」
<「syfy.com」 4月6日>