イラン系米国人女優モズハン・マーノが、米ラジオに出演、シーズン2からレギュラー入りした「ブラックリスト」について配役秘話を明かしている。
モズハン演じるサマル・ナヴァービは、イスラエル諜報特務庁モサドの一員で、エリザベス(メーガン・ブーン)らの危機を救ったことから、クーパー(ハリー・レニックス)のチームに加入した敏腕エージェント。アラム(アミール・アリソン)との密かなロマンスも気になる人気キャラクターだ。
ハリウッドでは配役のダイバーシティ(人種の多様化)が進んでおり、これまで白人が配役されてきたキャラクターにアフリカ系、ラテン系、アジア系、そして中東系などさまざまな人種の俳優が選ばれるようになっている。
今でこそ、「ブラックリスト」で存在感を見せるキャラクターとなったナヴァービだが、レギュラー入りはシーズン2から。シーズン1では、エリザベス、レスラー(ディエゴ・クラテンホフ)、アラム、そしてミーラ(パーミンダ・ナーグラ)がチームの主要メンバーだった。
「ER 緊急救命室」でも知られるパーミンダは、インド系イギリス人。パーミンダは「ブラックリスト」シーズン1で降板したが、ダイバーシティの観点から、その後釜には引き続き非白人が配役される可能性があった。
「シーズン1の最後の方で、インド系の女優(パーミンダ)が殺されてしまうのだけど、私はその時、『きっとまた非白人の俳優を配役するはず、絶対選ばれてみせるわ』って思ったの」と、モズハンは当時の野心を思い出す。もともとは「ブラックリスト」でゲスト出演するはずだったが、パーミンダの降板を知り、目標を高く掲げ直したのだ。「すぐにエージェントに電話をして、その話をしたの。エージェントは『だから何?』って思ったみたい」
興奮するモズハンとは対照的に、エージェントでさえ、超人気シリーズ「ブラックリスト」にレギュラー入りできるとは信じていなかったのだ。それでも蓋を開けてみれば、まだ存在もしてなかった役に備えたモズハンの戦略勝ち。2カ月後にオーディションを受け、見事後釜の座をゲットした。
出演が決定してから、モズハンの生い立ちや意見も参考に、ナヴァービのキャラクターが作られた。シーズンを重ねるごとにその個性はより際立ち、魅力的なキャラクターに育ってゆく。
ナヴァービのキャラクターについて、モズハンは「彼女はとてもタフで、心を読み取るのが難しい人物だと思われているんじゃないかしら。個人的には、彼女の弱味を見てもらえたら、おもしろくなると思ってる。それと彼女はたぶんワイルドな女性よ、お酒好きなのは間違いないわね」
これからモズハンは、ナヴァービにどんな個性を与えてゆくのか。アラムとの恋の行方と合わせて、楽しみに見守りたい。
<「npr.org」 2017年11月17日付け>