覚えているだろうか、「スーパーナチュラル」のエド、「CSI:ニューヨーク」のアダム。米国にならどこにでもいそうな標準体型で、気の良さそうな青年を演じていたのが、A.J.バックリーだ。そのA.J.が肉体改造に取り組み、「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」で、マッチョな姿を見せている。
どこにでもいそうな外見、だからA.J.はこれまで30以上のTVや映画にキャスティングされてきた。
「僕は本当にラッキーなんだと思う、これまで2回と同じ役を演じたことがないのだから。出来る限り、さまざまな役を演じられるように準備しているのは、賢明なことだと思っている。『CSI:ニューヨーク』に出演していた同じ頃に、『スーパーナチュラル』にも出演していたのだけど、“ナード(オタク)”なキャラクターが続いてしまった。だから『CSI:ニューヨーク』が終わって、不安になったんだ、これからタイプキャスト(特定の役柄)でキャスティングされてしまうんじゃないかと」
8シーズン出演した『CSI:ニューヨーク』が、A.J.の代表作。その印象が強すぎるとタイプキャストされがちになる。
「僕の憧れのキャラクターは映画『ダイ・ハード』のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)。僕はなんとか、そのような役を演じたいと願っていたが、(当時の)体型から難しかった」
『CSI:ニューヨーク』終了後、A.J.は大作映画に挑戦するチャンスを得た。製作側には役にぴったりとの太鼓判を押されたが、体型がネックになった。A.J.の体型を変えるにも、撮影までに時間が足りなかったのだ。結局、大作映画出演の話はお流れに。
「妻に、あんな(悔しい)思いをするのはこりごりだ、もっといろんな役を取れるよう外見を変えると誓ったのさ」
挫折からの一念発起だ。A.J.は肉体改造に取り組むことを決めた。
「まず栄養学の専門家を雇った。僕にとって、栄養補給が鍵だと思ったから。どんなにジムでトレーニングしても、車にもし違う種類のガソリンを入れたら、真っすぐには走らないだろう。だから僕は食べ方を学んだんだ。仕事のある時、ない時、どんなタイミングで食事を取ればいいのかってね」
そして過酷なトレーニングにも耐えた。早起きしてランニング。家で朝食を取ってからジムへ向かう。そんなインターバルトレーニングを一日に2、3回続けた。
そして、2年後。肉体改造に成功した“ニューA.J.”の誕生だ。マッチョに変身した“ニューA.J.は、「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」シーズン2にレギュラー入り。麻薬課から殺人課に異動してきた優秀な刑事役は、以前のA.J.からは考えられなかったキャスティングだろう。
「スーパーナチュラル」や「CSI:ニューヨーク」のイメージからは、同じ俳優だとは気づかないかもしれない。元ナードのマッチョな姿をぜひ「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」で確認したいものだ。
<「detroit.cbslocal.com」 2018年1月3日>