「サバイバー: 宿命の大統領」日本初放送記念企画
ジャーナリスト池上彰が解説!“指定生存者”とは?
世界の話題作・ヒット作をいち早くお届けするスーパー!ドラマTV 2018 年 新作第3 弾は「24 -TWENTY FOUR-」でお馴染みキーファー・サザーランド主演の大ヒットポリティカルドラマ!テロによって全閣僚が死亡!急遽就任した大統領が隠された陰謀を暴き、国と家族を守る姿をスリリングに描く「サバイバー: 宿命の大統領」、明日12月4日(火)22:00より日本初放送します!
合衆国や大統領を守るためにテロリストたちと戦う不死身のアクション・ヒーロー、ジャック・バウアー役から一変、真面目で誠実な新米大統領を熱演しているのは、キーファー・サザーランド。思いもかけず大統領に就任したことに戸惑いを感じながらも、次第に国家のリーダーとして自覚を高めていく姿を演じ、新たな大統領像を見せております。
「サバイバー: 宿命の大統領」日本初放送を記念して、本作の題材となっている“指定生存者”や日本の危機管理について、ジャーナリストの池上彰さんに解説していただきました!
【池上彰が解説する指定生存者とは?】
大統領に、もしものことがあったらどうするか。アメリカは、こうした危機管理が徹底している。たとえば大統領と副大統領が同じ飛行機に乗ることはない。大統領専用機が墜落する可能性があるからだ。副大統領に何かがあったときは下院議長、次は……というように17位までの継承順位が決まっている。
ところが、大統領と副大統領、それに下院議長が一緒にいなければならない状況が存在する。それが大統領による一般教書演説だ。いわば大統領による施政方針演説に該当し、大統領が議会に協力を求める。議会の下院議長も上院議長も出席する。実は上院議長は副大統領が務めるので、正副大統領が同席することになる。施政方針演説だから、大統領を支える各省の長官たちも出席する。もし、ここで何かあったら……。かくして「指定生存者」が指名され、大統領の演説中は議会から離れた場所で待機する。アメリカの危機管理の様子がよくわかる。
一方、日本となると、その点が心もとない。問題点が明らかになったのが、2000年4月に小渕恵三総理が倒れて入院した際のこと。総理大臣の臨時代理が指定されておらず、青木幹雄官房長官が「入院中の総理から代理に指名された」と言って臨時代理に就任したが、小渕総理が意思表示できる状態だったのか疑義が呈された。これ以降、内閣が組織される際には、総理大臣の臨時代理の就任予定者5人が順位をつけて指定されることになった。
現在は麻生太郎財務大臣が副総理として第1位であり、続いて菅義偉官房長官、茂木敏充経済財政政策担当大臣、河野太郎外務大臣、根本匠厚労大臣の順となっている。ただし、決まっているのは5人まで。このドラマのようなことが起きたらどうするのか、という声が高まりそうだ。
(執筆:池上彰)
<池上彰 いけがみ あきら Akira Ikegami>
ジャーナリスト。名城大学教授。東京工業大学特命教授。東京大学客員教授。
1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHKに入局。報道記者としてさまざまな問題を担当する。1994年から11年間、ニュースの裏側や世の中の仕組みをわかりやすく解説するテレビ番組「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリージャーナリストとして、国内及び、世界約80か国を取材。米大統領選を長期にわたり現地取材しており、テレビ、選挙報道などでニュースを幅広く解説するかたわら、コラムや書籍の執筆を通じて世代を超えて幅広い人気を得ている。
「サバイバー: 宿命の大統領」
2018年12月4日(火) スーパー!ドラマTV日本初放送スタート!
【二カ国語版】毎週火曜 夜10時 ほか
【字幕版】毎週火曜 深夜0時 ほか
出演:
トム・カークマン(キーファー・サザーランド/声:小山力也)
アーロン・ショア(エイダン・カント/声:福田賢二)
エミリー・ローズ(イタリア・リッチ/声:竹内夕己美)
セス・ライト(カル・ペン/声:山本善寿)
ハンナ・ウェルズ(マギー・Q /声:松浦裕美子)
アレックス・カークマン(ナターシャ・マケルホーン/声:宮島依里)
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