「宇宙大作戦/スタートレック」で主役のジェームズ・T・カークを演じたウィリアム・シャトナー。87歳になる現在も、エンターテイメントの中心で活躍するスーパー・シニア・スターだ。
「スタートレック」シリーズは1966年の誕生から、TV、映画、アニメとさまざまな作品が生み出されてきた。そして番組の顔といえば、今もウィリアムがその一人。そのウィリアムが、なぜ「スタートレック」シリーズが人々に愛され続けるのか、米サイトの質問に答えている。
「『スタートレック』シリーズはサイエンス・フィクション(SF)だ。SFはたいていの人にとって、宇宙への畏怖と不思議を表現するもの。僕らは、宇宙に何があるんだろうと推測するしかない。だって、真実を知る方法が無いんだからね。誰かの考えは、あくまでもその誰かにとっての真実でしかない。だけど、夜空に星を眺めて、空の向こうには何があるんだろう、緑色の小さい奴が飛び回ってたりするんだろうか、なんて考えるのは楽しいことだと思うんだ。僕らはその姿を見ることができるだろうか? それを期待しても無駄だよね、答えなんて出やしない。だから、SFとは(宇宙に何があるかという質問に対して)ひねり出された答えなんだ。とても魅力的だと思うよ!」
人々の宇宙への憧れを具現化したものが「スタートレック」シリーズ。愛され続けるのも当然か。しかし、当の本人はちょっぴりそっけない。
「(最新シリーズ『スタートレック:ディスカバリー』は)見てないね。僕の出ているシリーズ(『宇宙大作戦/スタートレック』)しか見たことないんだ。もっとも自分のも、あんまり見てないけどね」
すかした答えは、ウィリアムのリア充的生き方の反映。ウィリアムのエッセイ本「Live Long And . . .: What I Learned Along the Way(長生きしよう、そして僕がこれまで学んだこと)」にはこんな一節があるという。
「試せるもんなら、何でもイエスと言おう。ノーなんて言っちゃダメだ。否定的な気持ちなんて無視してイエスと言うんだ。“僕はそんなの信じないぞ、何か新しいことをやるなんてまっぴらだ、家から出たくないんだ…”ノーノーノー! リスクがあるのは分かっている、だけどイエスと言おう」
リスクを恐れず、信じる道をゆく。ウィリアムの生き方はカーク船長そのものだ。今も、ウィリアムは「宇宙大作戦/スタートレック」の中を生きている。
<「parade.com」 12月7日>